本日1グラム辺りの金（貴金属）相場価格

2025年12月の金相場の見通し

10月後半に比較的大きな下落を見せた金ですが、11月はその下落分の巻き戻しが進みました。年末に入る12月は、12月9～10日に行われるFOMCで利下げが見込まれており、米国の利下げの有無が金価格に影響を与えると見込まれます。また日銀は利上げの可能性もあり、12月の金価格は日米の中央銀行の金融政策から大きな影響を受けると見られます。

11月の金は10月後半の下落分の巻き戻しが進む

11月の金価格（国内金標準先物、限月つなぎ）は月足で見ると、下ヒゲのある陽線を形成。10月は上ヒゲの長い陽線であり、11月は10月の上ヒゲ部分で上昇が進みました。価格としては20,000円台前半で取引を開始した後、一時的に20,000円を割れましたが、その後上昇して21,000円台半ばで取引を終了。ただし、10月高値の22,000円台には届きませんでした。なお、日足を見ると11月後半から大きな上昇を見せています。

9月から大きく上昇した金について、10月後半から下落が進み、11月は下落が続く可能性もありました。しかし反発して、再度22,000円台をうかがう位置まで上昇しています。ただし、11月は10月の値幅内の取引に留まる状態です。12月から下落が進み、10月安値を割れて下落が加速する可能性もまだ残されています。

ドル建て（COMEX金先物、限月つなぎ）も円建てと同様に、月足は陽線を形成して、10月の上ヒゲ部分の回復が進む形となりました。11月の月足は、10月の月足の範囲内の取引に留まり、11月は値動きが停滞しています。また、価格も一時的に4,000ドルを割れましたが、最終的に4,200ドル台で取引を終えました。

円建て・ドル建てともに、金は若干波乱があった10月をへて、11月は順調な上昇に戻りつつあります。

株高は一服、株式と金の類似の値動きは継続

9月から10月半ばまでは、株高とともに金も上昇が進み、10月後半は金の下落とともに株安が進みました。11月の株式市場は後半に入り日米ともに反発しましたが、高値を超える程ではありません。足元では株式と金が連動する値動きが継続中です。

年末相場に向けて、株式と金のいずれも11月後半からの上昇が続くか注目されます。

8月からの米長期金利の下落が続く

金価格の値動きに影響を与える米長期金利は、8月から下落が続いており11月も下落しました。米10年債金利は、月足では8月から4ヵ月連続で陰線です。8月の4.4%付近から11月は4.0%前後まで下落しました。米長期金利の下落とは逆に金価格の上昇が進む形であり、金利の下落時に金が買われるセオリー通りの値動きとなっています。

米国では12月の利下げの可能性もあるため、利下げを織り込む形で金利の下落が進んでいますが、12月の利下げの有無は、金価格の行方にも大きな影響を与える可能性があります。

年末相場で金価格は上昇を見せるか？米利上げの有無に注目

いよいよ2025年も最後の月の12月です。米国では11月27日の感謝祭で年内の取引に区切りを付ける投資家も少なくありません。このため12月は各金融市場で取引ボリュームが減少して、上昇と下落のいずれも値動きが軽くなる傾向にあります。

12月の金融市場の注目点は米国の利下げの有無です。FOMCが12月9～10日に行われます。12月利下げの可能性が高まれば、利下げを織り込む形で金利下落そして金高が進む可能性があります。一方、利下げ見送りとなれば金利が反発し金価格は反発する可能性も否定できません。また、日銀は逆に12月に利上げの可能性があり、12月の日米の中央銀行の判断は、今後の金融市場に全体に大きな影響を与える可能性があります。

年末相場の金価格はどのような値動きを見せるのか、日米の金融政策の行方とともに注目されます。