本日1グラム辺りの金（貴金属）相場価格

2025年10月の金相場の見通し

9月の金価格は大きな上昇を見せて、円建てとドル建ていずれも史上最高値を更新しました。9月の金市場を振り返るとともに、10月の金市場の注目点などを解説します。9月に大きく上昇した金は、10月も節目価格を目指すなど上昇が続くか注目されます。

円建て金は大幅高で2,000円以上の上昇

9月の金価格（国内金標準先物、限月つなぎ）は月足を見ると、大陽線を形成し大幅高となり史上最高値を更新しました。3月の大幅高の後はジリ高が続いていましたが、9月は一気に上昇が進んでいます。16,000円台前半から18,000円台半ばまで、2,000円以上の上昇を見せました。昨年も見られない上昇幅となり、ニュースなどでも金の高騰が話題となること多い月となりました。

リスクオンの株高と金の上昇が同時に大きく進んだ9月

9月は金融市場全体としても、金価格の上昇が注目を集めました。なお、貴金属の上昇は金だけではなく銀及びプラチナも、金と同様に大きな上昇を見せています。

また金などの貴金属の上昇だけではなく、9月は株式市場も堅調な推移を見せました。日経平均は45,000円台に到達し史上最高値を更新しており、米株式市場も主要3指数が揃って史上最高値を更新しています。8月も金価格と株式市場の上昇が進みましたが、9月はその傾向が強まる形となりました。

セオリーとしてはリスクオンで株が買われる際は、インカムゲインのない金は売られる対象です。しかし、8～9月は株高と金の上昇が同時に進む、セオリーに反する値動きを見せています。尚、2025年の金の値動きに大きな影響を与えていたドルの値動きを見ると、9月はほぼ横ばいの推移となりました。このため、9月の金価格の値動きは、ドルから大きな影響は受けていない状態です。

9月は米国が9ヵ月ぶりに利下げを決定

9月17日に行われたFOMCで、2024年12月以来9ヵ月ぶりの利下げ（0.25%）が発表され、米国の政策金利は4.00～.4.25%となりました。FOMC前の9月前半から金価格の上昇が始まっており、利下げを織り込む形で株高に加えて金の上昇が進みました。またFOMC後も株式市場と金価格の上昇は続いており、材料出尽くしとはなっていません。

年内は更に2度の利下げが予想されており、今後の利下げとともに金価格がどのような値動きを見せるのか、株式市場の動向とともに注目されます。

節目価格に向けて10月も上昇は続くか？

金価格は円建てでは9月まで3ヵ月連続で上昇が続き、ドル建てでは2ヵ月連続の上昇です。また、9月は上昇が加速しており、10月も上昇が続くのか、という点が注目ポイントです。

米先物やETFデータを見ると、9月は大口買いや取引参加者も増加する中で価格の上昇が進んでおり、資金力のある投資家が金を買っている状態です。このため、息の長い上昇となる可能性もあります。

円建てでは節目価格20,000円、ドル建てでは節目価格4,000ドルが迫る値位置です。9月の大幅高を契機に上昇が続き、10月は各節目価格に到達する上昇を見せるのか、10月の金価格の行方が注目されます。