本日1グラム辺りの金（貴金属）相場価格

2024年10月の金相場の見通し

9月に金価格は年初来高値目前まで上昇しました。10月は高値更新への期待感があります。しかし10月末は国内の総選挙、そして11月5日には米大統領選挙が予定されています。2つの大きな選挙を控え、10月の金市場は停滞する可能性も踏まえた対応が必要と言えるでしょう。

9月の国内金価格は上昇も年初来高値は更新できず

9月の国内金標準先物（限月つなぎ）は大きな上昇を見せました。7月の年初来高値（12,679円）更新後の下落が続いた金価格ですが、9月は高値に向けて反発が進みました。ただし9月高値は12,603円に留まり、高値更新には一歩届きませんでした。高値更新には至らなかったものの、24日の大幅高など9月半ば以降は順調な上昇を見せています。

9月の金価格はドル建ても堅調な上昇を見せており、ドル建てでは年初来高値を更新しました。ドル建て金価格の月足は7月から3ヵ月続けて陽線を形成しており、円建て以上に順調な上昇を見せています。ただし節目価格2,700ドル（中心限月）到達後は反落しており、上昇一服の可能性も生じています。

9月は米国で2年半振りの利下げが行われる

9月18日のFOMC後にFRBは2年半振りの利下げを発表しました。利下げ自体は織り込み済みでしたが、利下げ幅は0.5%となり、多くの予想であった0.25%を超える利下げ幅となっています。

利下げ直後、米株式市場は下落に見舞われましたが、時間の経過と共に反発し、ダウ平均やS&P500は9月後半には高値更新が続きました。また金価格も米利下げの発表後、時間の経過とともに上昇しています。

米国の利下げは教科書的には株高政策かつ、米債券から他の資産への資金流出を促すため、金にとっても価格が後押しされる政策です。ただし利上げ環境下でも、株式及び金の上昇が生じていました。米国の利下げは金融市場にとって大きな転換点となります。米国の利下げは今後も続くと予想されており、その影響の本格化はこれからと考えられます。

米大統領選挙の行方が注目される10月

米大統領選挙は11月5日に投開票が行われます。民主党・ハリス副大統領と共和党・トランプ前大統領が激しい選挙戦を繰り広げており、結果の予想は困難です。 10月はFOMCが開催されないため、米国では利下げの継続が予想されるものの、次の利下げは11月以降となります。次回の利下げは11月と予想される中で、10月は佳境を迎える米大統領選挙の行方が金を始めとする各金融市場に大きな影響を与える可能性があります。

日米ともに選挙結果待ちか？金融市場全体で様子見の可能性も

ドル建ての金価格は月足が3ヵ月続けて陽線を形成しており、上昇が一服する可能性もあります。また米大統領選の行方は当日まで分からないため、10月相場は全体的に様子見状態となる可能性も否定できません。

日本では石破新内閣が発足しましたが、10月末に総選挙が見込まれています。そして11月6日には米大統領選挙が行われます。10月は日米の選挙情勢が金融市場の行方に影響を与える可能性があり、それらの動向に注意を要する1ヵ月となりそうです。