本日1グラム辺りの金（貴金属）相場価格

2025年7月の金相場の見通し

6月の金融市場は米株式市場の上昇が注目を集めてリスクオンが進み、金は6月も5月に続き値動きが停滞しました。また米利下げ観測も浮上しています。5月から6月の停滞をへて、7月の金は利下げの織り込みなどに後押しされて、値動きを見せるか注目されます。

6月の金相場を振り返る、5月に続き値動き停滞

6月の金価格（国内金標準先物、限月つなぎ）は月足を見ると、わずかに終値が始値を下回っているものの、上ヒゲが長い寄引同事線となりました。3月からの陽線の連続は3ヵ月でストップしました。6月は値動きの方向性に欠ける1ヵ月となりましたが、16,205円まで上昇し高値を更新。2025年は毎月高値の更新が続くものの、16,000円台の維持はできず、6月は最終的に15,384円で取引を終えました。

4月から値動きに明確な方向性は出ていませんが、高値の更新は続いており次の値動きのエネルギーを蓄積中と考えることもできます。

高値更新には至らないドル建て金価格

ドル建ての金（COMEX金先物、限月つなぎ）の月足は、上ヒゲが長く実体の短い陰線となりました。ドル建ては4月の高値3,537.9ドルを5月と6月の2ヵ月間更新できていません。いずれも高値近くまで上昇した後に反落しました。ただし、4月の上昇後の高値圏は維持されています。

円建てとドル建ていずれも6月は高値圏が維持されたものの、5月と同様に横ばいの推移で方向感の出ない1ヵ月となりました。

リスクオン進む、ナスダック指数とSP500が年初来高値を更新

5月と同様に6月も大きな値動きのなかった金市場ですが、金融市場全体として6月は、米株式市場の上昇が注目されました。その中で、ナスダック総合指数とS&P500指数は年初来高値を更新しています。4月の株式市場はトランプ関税ショックがあったものの、2ヵ月かけて回復し、ナスダック指数とS&P500は高値を更新するまでに至りました。なお、日経平均も約5ヵ月ぶりに40,000円を回復しています。また6月30日には年初来高値も更新しました。

株式市場が堅調に推移しリスクオンの状況では、金は売られる側の資産となります。6月は株式市場の上昇を受けて金価格は停滞を余儀なくされた、と捉えることができます。

売られ続けるドル、ドルインデックスは2月から下落が続き年初来安値を更新

米株式市場の上昇が注目された6月の金融市場ですが、ドルの価値を表すドルインデックスは下落が続きました。2月から5ヵ月下落が続いており、6月は年初来安値を更新しました。ドルの下落はドル建て金価格の上昇要因となりますが、ドル建ての金も横ばいの推移が続いており、金そのものの値動きが重くなっています。

第1次トランプ政権の際は、ドル高・株高が進みましたが、現トランプ政権下ではドル安が進んでいます。ドル安の状況下で、7月以降も株高が進むか注目されます。

米利下げを織り込む形で金の上昇進むか？

米株高は進んでいますが、トランプ関税問題もあり、米国の経済指標は一部で弱さも表れつつあります。FRB関係者からは利下げコメントが出始めています。まだ金融市場で米利下げを織り込む動きは本格化していないものの、利下げを織り込む動きは金価格にとってはプラス要因です。

今後は米国の利下げがテーマとして浮上すると予想されます。値動きが停滞する金にとって、利下げが上昇の背中を押す可能性も否定できません。リスクオンによる株高一巡後、利下げを織り込む形で金の上昇は見られるのか、それともリスクオンが続き金は下落に進むのか、7月の金価格の行方が注目されます。