2024年12月 ｜ 金相場の価格推移

2024年12月の金相場の見通し

11月に米国で利下げが行われ、11月は米株式市場が上昇の一方で、金価格は円建てとドル建てともに下落が進みました。さらに12月も利下げが行われる可能性があります。

年間を通じて見れば、2024年の金価格は既に充分上昇しました。12月の金価格がどのように動き、最終的にどの水準で2024年の取引を終えるか注目されます。

10月が天井となりつつある金価格

足元の金価格は10月31日13,819円（国内金標準先物、限月つなぎ）が高値となっており、一時的な上昇があったものの、11月は下落が進みました。

2024年の金価格の推移を見ると、年初から7月半ばまで上昇した後、8月前半からの大きな下落以外は基本的に上昇が続きました。その中で、11月は7月後半～8月前半の下落ほどではないものの、2024年の中では数少ない下落月です。

また、節目価格13,000円付近が支持帯として機能する中で、11月終値は12,916円です。支持帯の13,000円付近を完全に割れ込むと、一段安が進む可能性のある値位置で取引を終えました。

ドル建ても円建てと類似の値動きを見せる

ドル建ての金価格も円建てと同様の値動きを見せており、10月30日に天井を付けた後、11月は下落が進みました。

ただし円建てと異なり、11月最終日の終値は11月安値から反発した水準にあります。このため、支持帯割れ後の下落リスクのある円建てと比べると、ドル建ては下落に対する余裕が残されています。

ただし円建てとドル建ていずれも、10月まで続いた上昇は11月に一服した状態です。

米株式市場の株高によるリスクオンで金が売られる展開に

10月の米金融市場は株高と金価格の上昇が同時に進む、若干イレギュラーな状態となりました。そして11月は、S&P500・ダウ平均・ナスダック指数の米株式3指数は揃って高値更新の一方、金価格は下落に転じました。株高でリスクオンが進み、金売りが進んだ状態となっています。

また、これまで上昇が続いた米長期金利及びドルインデックスは11月半ばにピークを迎え、以降は下落が進んでいます。両者は金価格と逆相関の値動きを見せる傾向にありますが、11月は相関する値動きとなりました。

11月はFRBが9月に続き利下げを行いました（10月はFOMCの開催がなく、利上げは行われていません）。このため、米長期金利は上昇が難しい状況にあります。この中で金価格と米長期金利がどのような動きを見せるか、今後注目されます。

12月の利下げ観測が米株式市場の上昇を後押し、金価格の年末相場の行方に注目

金価格が大きな上昇を見せた2024年も、いよいよ最後の12月を迎えます。その12月は11月に続き再度FRBが利下げを行う可能性があり（金融政策を決定するFOMCは12月17～18日）、12月の利下げ観測が11月の米株式市場の上昇を後押ししました。11月に下落した金価格は、12月の利下げも受けて2ヵ月連続で下落するのでしょうか？

また2025年1月にはトランプ政権が発足します。前回のトランプ政権時、トランプ大統領のコメントに金融市場が大きく動くことが度々ありました。既に11月からトランプ次期大統領の発言を契機に金融市場は動いており、本状況は当面続く可能性があります。またトランプ大統領は利下げを支持するスタンスのため、金利面からトランプ政権下では金価格が不利となる可能性も否定できません。

2024年は金価格が大きく上昇しており、12月に下落しても年間の金の上昇はほぼ確定です。12月は最終的にどの水準で取引を終えるのか、金価格の2024年最後の月の値動きが注目されます。