2025年2月 ｜ 金相場の価格推移

2025年2月の金相場の見通し

2025年1月はトランプ大統領の就任式、そして日銀の利上げがありました。その中でも金価格は上昇し、2025年を順調にスタートしています。一時的ながら節目価格14,000円に到達した、1月の金価格を振り返るとともに2月の注目点を解説します。

トランプ政権発足と日銀の利上げがある中で上昇した1月の金価格

2024年の大幅高を受けた後、どのような形で2025年をスタートするか注目された金価格ですが、蓋を開ければ1月も上昇でスタートしました。2025年1月はトランプ大統領の就任、日銀による昨年7月以来の利上げがあり、大きなイベントを2つ通過しました。しかしその中でも金価格は順調に上昇しています。

金は13,366円（国内金標準先物、限月つなぎ）で1月の取引が開始され、27日は節目価格14,000円に到達。最終的に13,997円で着地して、14,000円は維持できませんでした。しかし1月の上昇幅を維持して取引を終えています。

金の昨年高値は13,819円であり、1月後半は昨年の高値を若干上回る水準で取引が行われました。昨年高値は史上最高値であり、1月は史上最高値を若干更新する形となっています。

ドル建て金も昨年高値付近まで上昇

ドル建て金も1月は上昇を見せました。2,600ドル台で取引を開始した後、順調に上昇して最終的に2,831ドルで取引を終えています。昨年高値2,850ドルを30～31日は一時的に突破したものの、昨年高値を若干割れた水準で着地しました。

円建てとドル建て、1月の金価格はいずれも堅調な推移を見せています。

周辺市場では米10年債金利が一時2023年秋以来の4.8%台まで上昇も4.5%台に戻る

次に金価格に影響を与える周辺市場の状況を見てみましょう。

1月は米長期金利が一時上昇しました。米10年債金利は4.5%台で取引を開始した後、一時4.8%台まで上昇しました。4.8%台は2023年秋以来の高い水準です。しかし最終的には4.5%台で取引を終えて、往って来いの状態となりました。

また米長金利の影響を受けるドルインデックスも、月足を見ると上下にヒゲがあり実体のほとんどないローソク足で明確な方向は出ていません。1月のドルは方向感が出ていない中でドル建て金価格は上昇しており、為替の後押しなくドル建ての金は上昇しています。

米株式市場はディープシークショックがあったものの上昇

米株式市場は3指数いずれも1月全体としては上昇しました。しかし昨年12月の水準を大きく上回る上昇とはならず、米10年債金利と同様に一時的な上昇はあったものの、高値圏を維持する値動きに留まりました。1月後半には中国製AIのディープシーク登場により株式市場が急落する場面もありましたが、月初から見て上昇した水準で1月の取引を終えており、ディープシークショックによる株式市場の下落は戻しの範囲に留まりました。

金価格が順調に上昇する中で、米株式市場ではディープシークショックがあったものの、株式・金利ともに目立った動きは見られませんでした。

2月は節目価格14,000円の到達及び維持なるかに注目

金価格は1月後半に一時的ながら節目価格14,000円に到達しており、2月は14,000円が意識される展開が予想されます。

1月28日から2月4日は中国が春節の長期休みとなり、5日（水）が春節明けです。かつてに比べると中国勢の金融市場に与える影響は低下していますが、2月は中国勢が戻る5日以降に金融市場の値動きが生じる可能性もあります。

1月の金価格は、トランプ大統領の再登板、日銀の利上げという大きなイベントを通過したものの上昇しました。2月も金価格の上昇は続くのか、その行方が注目されます。