2024年9月 ｜ 金相場の価格推移

2024年9月の金相場の見通し

8月の金価格は7月終値に比べ下落したものの、月足は陽線となり小幅高となりました。

9月は米国の利下げが予定されており、利下げが金価格に影響を与える可能性があります。9月の金価格の行方は米国の利下げや米経済指標が鍵を握ると言えるでしょう。

・8月の金価格は小幅高

2024年8月の国内金価格（金標準先物限月つなぎ）は11,726円で取引が始まり、11,763円で取引を終えて小幅高となりました。7月は年初来高値を更新したものの月足は陰線となり下落しましたが、8月は小幅ながら上昇しています。ただし8月は7月終値（11,934円）を下回る水準での取引が続き、ローソク足（月足）は陽線ですが、7月比で8月の金価格は下落しました。

8月は月初に国内株式市場で急落後の急反発があるなど、日銀の利上げ後の混乱が生じました。しかし金価格の値動きは落ち着いており、国内株式市場の影響は限定的です。

・ドル建ての金価格は大幅高

国内金価格は小幅高に留まりましたが、ドル建ての金価格（NY金先物限月つなぎ）は大きく上昇して年初来高値を更新しました。7月末の日銀の利上げを契機に、これまで進んでいたドル高・円安が巻き戻される形となっています。特にドル高の巻き戻しが進んでおり、ドルの下落によりドル建ての金価格は押し上げられました。

・9月の注目イベント、FRBによる利下げが見込まれる

7月末に日銀が利上げを行いましたが、9月には米FRBによる4年半ぶりの利下げが予想されています。9月17～18日にFOMC（日銀の政策決定会合に該当）が行われ、利下げは19日の早朝（日本時間）に発表される見込みです。

FRBの利下げは確実視されており、発表時は利下げ幅に加えて年内に何度の利下げが行われるか、今後の利下げ回数が注目されます。

米国の利下げはドル安政策となります。日銀の利上げにより、これまでの円売りの巻き戻しによる円買い・ドル売りの流れが生じました。FRBが利下げを行えば、ドルは更に下落する可能性も。そして米ドルとは逆相関の値動きの関係にある金価格は、セオリー通りなら米利下げを契機に上昇することになります。

・7月の金価格の注目ポイント、12,000円付近の攻防の行方を注視

国内金価格は4月に12,000円近くまで上昇した後、12,000円を前後する状態が継続中です。3月以降は6月を除き年初来高値の更新はありましたが、8月に高値更新はなされていません。上昇トレンド入りするドル建ての金価格に比べると、円建ての金価格は12,000円で頭を抑えられています。

9月はFRBによる利下げも見込まれており、利下げを織り込む形で金価格が上昇を開始して、12,000円を上方突破し年初来高値を更新するか注目されます。

一方で下落が進んだ場合は、5月安値11,180円を下回り直近安値が更新されるかがポイントです。本水準を下回ると、下落が加速する可能性も生じます。

円建ての金価格は5月以降高値の更新はありながらも、12,000円を前後するレンジ状態が続いています。9月は米国の利上げなどを契機に、新たなトレンドが生じるか注目されます。

・9月の金相場は米国の利下げや経済指標が鍵を握る

9月の米FRBによる利上げは金融市場が注目する一大イベントです。9月に発表される米経済指標が予想を相次いで下回ると、利下げは9月のみならず年内に複数回行われる可能性が高まります。このため、9月は特に米経済指標の発表に金市場や為替市場は大きく反応する可能性があります。

米国の利下げはセオリー的には金の上昇要因です。9月はセオリー通りに米国の利下げを織り込む形で金価格が上昇するか注目されます。