最終更新日:2022年12月29日
ヴォー・エプソンはエルメスのアイテムに使われる素材の一種で、雄の仔牛の革に細かい革目の型押しをしたものです。高級感あふれる質感により、高い人気を誇り、バーキンやケリーなどの定番商品にも使われています。
この記事では、ヴォー・エプソンの基本情報を踏まえ、ヴォー・エプソンが使われる人気アイテムやお手入れ方法などを詳しく解説します。ヴォー・エプソン以外の牛革素材にも触れるため、エルメスのアイテムについて詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
ヴォーエプソンとは、エルメスが採用しているレザーの1つであり、型押しレザーで最も人気の高い素材です。ヴォーエプソンは、もともと型押しレザーの中で人気だったクシュベルの後継素材として、2003年に追加されました。雄の仔牛のレザーに細かな型押しが施されており、繊細で美しい表情を持ちます。
ハリと艶のある高級感溢れる見た目から、エルメスのさまざまなアイテムに使用されています。
ヴォーエプソンは、カジュアルからフォーマルまで、シーンやファッションを選ばない上品さを与え、持つ人の魅力を最大限に引き出してくれる素材です。人気商品であるバーキンをはじめとした多くの革製品に使用されており、見た目の高級感だけでなく機能性や手入れのしやすさといった面でも優れていることが人気の理由です。
固くてしっかりとしたハリのある素材で、経年劣化が少ないため、バッグや財布の型崩れを防いでくれるという利点もあります。また、耐水性にも優れているため雨に強く、他の素材と比べると軽量であることから、バッグや財布を持ち運びするアイテムとの相性が良い点もヴォーエプソンの魅力です。
元から耐久性のある素材ではありますが、普段から丁寧なお手入れを心掛けることで、より長く愛用できます。
ヴォーエプソンはカラーバリエーションが豊富で、落ち着いたダーク系のカラーから女性人気のパステルカラーまで展開されています。また、他の素材と比べて彩度が高く、明るい色でもムラのない発色になるため、コーディネートで差し色をプラスしたいときに最適です。定番のカラーとしては、男女ともに人気のあるブラックやダーク系カラーとして人気のあるエタンなどがあります。
ヴォーエプソンのブラックは、程よい光沢感があり、よりシックで洗練された色合いに仕上がっています。エタンもブラックと同様に人気があり、エレガントなニュートラルグレーといった色味でオールシーズン使えるカラーです。
ヴォーエプソンは、エルメスの幅広いアイテムに使用されています。有名なものだと、エルメスの代名詞であるケリー、エレガントなボリード、カジュアルなエヴリン、といったラインのアイテムがおすすめです。
以下では、ヴォーエプソンが使われている代表的なアイテムをそれぞれ紹介します。
ケリーはバーキンと並んでエルメスを代表するハンドバッグであり、モナコ王妃のグレース・ケリーが愛用していたバッグとして広く知られています。
ケリーには「外縫い」と「内縫い」の2種類があり、外縫いは表面からステッチが見えるためカッチリとした印象を受けます。一方で、内縫いはステッチをバッグの内側に隠しており、丸みのあるフォルムが女性らしい印象です。なお、ヴォー・エプソンを使ったケリーは外縫いであることが一般的です。
また、ケリーのバッグは横幅のサイズによって種類分けがされており、横幅が25cmならケリー25と呼ばれています。派生商品に、クラッチバッグのポシェットケリーや、ケリーをそのまま財布にしたケリーウォレットなどがあり、そちらにもヴォーエプソンが使用されたアイテムがあります。
世界で初めてのファスナーバッグとして登場したボリードは、「ケリー」や「バーキン」にも劣らない人気の高いモデルです。丸みを帯びたフォルムと高い収納力を持つことから、現在でも高い支持を得ています。ボリードには、「ボリード」「ボリード1923」「ボリードリラックス」の3ラインがあり、サイズやカラーなどそれぞれ異なる特徴を持っています。
ヴォーエプソンは、ボリードの丸みのあるフォルムを綺麗に見せてくれる素材です。傷や摩擦にも強いため、カジュアルなシーンで活躍するボリードと相性がよいと言えるでしょう。
エヴリンは、エルメスの中でも最もポピュラーなショルダーバッグです。カジュアルでありながら上品なデザインと、バッグのフロントに大きくパンチングされたHERMESの「H」マークが特徴です。エヴリンは、年式によってデザインが異なり、それぞれ「I(アン)」「Ⅱ(ドウ)」「Ⅲ(トロワ)」の3つに分かれています。
「I(アン)」は、1978年に登場したモデルです。3つの中でも一番シンプルですっきりとした仕様となっており、このモデルにのみ内ポケットが付いているのも特徴です。「Ⅱ(ドウ)」は、2005年頃に登場したモデルで、内ポケットがなくなった代わりに外ポケットが付けられ、より使いやすいデザインに変更されています。現行モデルの「Ⅲ(トロワ)」は2014年頃に登場し、ショルダーストラップの長さ調節が可能となっています。
ヴォー・エプソンが使われたエヴリンは、より上品な印象となり、幅広いコーディネートに合わせることができます。
エルメスではヴォーエプソン以外にもさまざまな革を扱っています。
自然な状態の牛革 |
---|
・トゴ 1997年から使われている雄仔牛のレザーで、正式には「ヴォー・クリスペ・トゴ」と言います。適度な柔らかさとはっきりとした細かい革目が特徴で、傷や擦れにも強く、バッグや小物にも幅広く使用されています。 ・トリヨンクレマス 柔らかい質感と少し大きめの革目が特徴の雄牛のレザーです。適度なハリがあり、傷や擦れには強い反面、水分にはあまり強くない素材です。 |
型押し加工された牛革 |
---|
・クシュベル 光沢のあるガラス加工が施された雄仔牛レザーで、正式には「ヴォー・グレネ・クシュベル」と言います。傷や擦れに強く防水性にも優れた、非常に扱いやすい人気の素材でしたが、現在は廃盤となっています。 ・アンデンヌ アルデンヌ地方の雌仔牛の革をプレス加工したレザーで、つぶしの効いた型押し模様が特徴です。現在は既に廃盤となっています。 |
スムース素材 |
---|
・ボックスカーフ 生後6か月までの雄仔牛の皮革を使用したスムースレザーで、一定方向へと流れるシワ模様の水シボが特徴です。上質な質感と艶やかな光沢感、しっかりとした硬さのある素材です。 ・ヴォーバレニア 雄仔牛を使ったスムースレザーで、比較的防水性の高い素材で、時計のベルトなどに使用されています。マットな質感でありながら、使い込むほどに艶やかな光沢が出てくるのが特徴です。 |
エルメスのヴォーエプソンは高価なものであるため、長く綺麗に使いたいと考える方が多いでしょう。長持ちさせるためには、こまめにお手入れをして、綺麗な状態を保つことが重要です。バッグや財布を使った後は中身を取り出し、乾いた柔らかい布で汚れを拭きます。シミや色ムラの原因になるため、濡れた布やクリームをつけて拭くことは避けましょう。
お手入れをした後、しばらく使わないときは湿度の少ない風通しのよい場所で保管します。湿気の多い場所で保管するとカビが発生する場合があるため、注意しましょう。自宅でのメンテナンスはこの2点に気を付けるだけで問題ありません。状態がよいと手放す際に高価買取が見込めるため、普段から欠かさずお手入れを行い、大切に扱うことをおすすめします。
エルメスの製品は高品質であるため、手放すときに状態が良いと高価買取が狙えます。以下では、高価買取を狙うためのポイントを2つご紹介します。
・きれいな状態にする
普段から手入れをしている場合も、査定に出す前には、ホコリや汚れを綺麗に落とし、型崩れしていないかや小さな傷がついてないかを確認します。
・付属品を揃える
購入した時に付いてきた付属品をすべて揃えておくと、買取価格の大幅なアップが期待できます。特に「保証書」や「ギャランティカード」は重要とされる場合が多いため、自宅で大切に保管しておきましょう。
上記に加え、エルメスのバッグの買取を積極的に行っている業者に持ち込むことや、複数業者で相見積もりをすることもおすすめです。
エルメスのアイテムに使われる牛革の一種であるヴォー・エプソンの特徴は、上品な見た目に加え、耐久性が高いことです。定番カラーはブラックやエタンなどの落ち着いた色味ですが、パステルカラーなどの明るい色の発色にも優れます。ヴォー・エプソンのアイテムが展開されているのは、バーキン以外にもケリー・ボリード・エヴリンなどが挙げられます。
ヴォー・エプソンを長く美しく使うためには、日頃の手入れが重要となります。状態がよければ、手放す際にも高額査定を狙うことができるでしょう。エルメスのアイテムを買取査定に出す際は、ぜひ「買取本舗七福神」にお持ち込みください。経験豊富な鑑定士が、他社で断られたアイテムや古いアイテムであっても丁寧に査定いたします。