最終更新日:2022年12月29日
エルメスのトゴは、バッグなどに使われる素材のひとつで、雄の仔牛のレザーを指します。きめ細やかで深い革目が型押しされたトゴは、繊細な質感と艶・しなやかさがあり、丈夫なことから、エルメスのレザーの中でも特に人気の高い素材の1つです。
この記事では、トゴについての基本情報を、トリヨンクレマンスやヴォーエプソンとの違いを交えながら解説した上で、トゴが使われた人気アイテムや人気カラーを紹介します。お手入れ方法にも触れるため、手放す可能性がある方や、高価買取を狙いたい方もぜひ参考にしてください。
エルメスのトゴは、雄の仔牛のレザーで、正式名称を「ヴォー・クリスペ・トゴ」と言います。1997年にエルメスの素材に加わったトゴは、手触りの良さと使い勝手の良さから、さまざまなコレクションに採用されています。繊細な質感と適度な艶、さらにしなやかさを兼ね備えたトゴは、使うほどに風合いが増し、深みのあるレザーへと変わっていくのが魅力です。
トゴは年式によって質感が異なるという特徴を持っています。年式が新しいものと古いものとを比べて見てみると、年式が新しいほうが型押しの質感が隙間なく詰まって見えますが、古い年式のもののほうが、より凹凸が盛り上がって見えます。年式が違うものを比べると、同じ素材とは思えないほど違って見えるのも、トゴの面白いところです。
エルメスの製品に使用されているレザーは数多くありますが、いずれも最高品質のものばかりです。エルメス製品の有名な牛革素材として、トゴの他に「トリヨンクレマンス」と「ヴォーエプソン」があります。トゴを含むこの3つの素材は、革製品のほとんどのラインナップに含まれているなど、エルメスの代表的な牛革素材に位置付けられています。
・トリヨンクレマンス
1992年に登場した雄牛のレザーです。使えば使うほど柔らかさが増すくたっとした質感と、傷や擦れに強い優れた耐久性を持っています。年式によって表面に違いがあり、古いもののほうがしわが大きく、新しいもののほうがしわが小さいのが特徴です。トゴと並んで、バーキンやケリーといった人気モデルや小物類などに幅広く使われています。
・ヴォーエプソン
2004年に登場した、雄仔牛の革に細かい型押し加工を施したレザーです。張りのある非常にしっかりとした素材で型崩れしにくく、傷に強いのが特徴です。また、他の牛革素材と比べると色の彩度が明るく柔らかい印象であることから、幅広いカラーバリエーションが展開されています。上品で高級感のある見た目から、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンに馴染む素材です。
トゴは、バーキンやケリーといった人気モデルのバッグに多く使用されている素材です。他にも、財布や時計、ベルトといった幅広いアイテムに使われていることから、使い勝手の良さが伺えます。
以下では、トゴを使用したエルメスの代表的なアイテムをそれぞれ詳しく解説します。
1984年に発表されたバーキンは、エルメスの代表的なバッグであり、ケリーバッグと並んで世界中で人気のあるモデルです。豊富なカラーバリエーションとカジュアルかつエレガントなデザインから、女性から圧倒的な支持を受けています。トゴ素材のものは傷や擦れに強い耐久性があり型崩れも起きくいため、日常使いとしても扱いやすいのが特徴です。
元は、イギリス女優のジェーン・バーキンがバッグにたくさんのものを詰め込んでいる様子から着想を得て、何でも入る大容量のバッグとして作られたのが始まりとされています。開口部が広い構造となっていて、荷物をたくさん入れられるバッグです。
モナコ王妃のグレース・ケリーが愛用していたバッグとして広く知られるケリーは、憧れの象徴でもあります。上品な佇まいで多くの女性を魅了するケリーは、フォーマルなファッションと相性が良く、ビジネスや冠婚葬祭など幅広い場面で活用することが可能です。年代や流行を問わない普遍的なデザインのケリーは、一生もののバッグとして愛されています。
ケリーバッグには「外縫い」と「内縫い」の2種類があり、外縫いは表面から見てステッチが見える作りとなっており、エッジの効いたフォーマルなスタイルが特徴的です。内縫いはステッチをバッグの内側に隠した作りで、丸みのあるフォルムとなっています。トゴは、内縫いタイプに多く使用されている素材でもあり、革の柔らかな風合いと内縫いタイプの女性らしさを感じるフォルムがマッチしています。
エルメスの財布の代表格とも言えるドゴンは、発表当時から現在まで長く愛されているモデルです。素材の上質さとデザイン性の高さを両立したシンプルなフォルムは、エルメスらしいエレガントさをしっかりと反映しています。コンパクトでありながら収納力は高く、現金やカードを多く持ち歩きたい人でも安心して使えるのが魅力です。
ドゴンの財布には「GMタイプ」「ロングタイプ」「カードケースタイプ」の3種類があり、それぞれ、用途に合ったデザインと機能性を持ち合わせています。収納力を求めるならGMタイプ、カード類を多く持ち歩くならロングタイプ、コンパクトに持ち歩きたいならカードケースタイプ、という風に使い分けが可能です。また、カラー展開も豊富で、定番カラーのブラウンは、落ち着いた品のある色味で男女ともに人気があります。耐久性の高いトゴを使ったドゴンは、長く使える財布として高い人気を誇ります。
トゴには、落ち着いたダークトーンから女性に人気のパステルトーンまで、幅広いカラーバリエーションがあります。特に人気なのが、ゴールド、ノワール、エトゥープといった、落ち着いた色味のカラーです。
・ゴールド
「気品溢れる大人のブラウン」といったカラーで、程よいマットな発色がトゴの持つエレガントさをより引き立たせます。日本人の肌に馴染むナチュラルさから、バッグなどでも選ばれやすいカラーです。
・ノワール
どのようなシチュエーションにもぴったり合う定番のカラーです。トゴの上質さがより際立つ色味でもあるため、定番でありながら奥深さも感じられる、飽きの来ないカラーでもあります。
・エトゥープ
絶大な人気を誇るグレージュカラーで、カジュアルにもフォーマルにもマッチする汎用性の高さから重宝されています。トゴ素材のエトゥープは、他の素材と比べて若干ベージュっぽさのある繊細な色合であり、特有の色味の虜となる人も多くいます。エルメスファンならひとつは持っておきたいカラーと言えるでしょう。
エルメスのトゴは、大切に使うと何年も長持ちする上質な素材です。できるだけ長く愛用するためには、日頃からのこまめなお手入れが欠かせません。
自分でできるお手入れとしては、バッグや財布を使った後に中身を取り出し、乾いた柔らかい布で汚れを拭いて風を通すことなどが挙げられます。市販のクリームやスプレーは、シミや色ムラの原因となる恐れがあるため、使用を避けたほうが無難です。お手入れをした後は、湿度の少ない風通しのよい場所で保管します。保管する際は、型崩れ防止のために、バッグピローなどを入れておくのもよいでしょう。
保存状態が良いと不要になったときに高値で買い取ってもらえるため、普段からメンテナンスを行い、大切に扱うことをおすすめします。
エルメス製品は元が高価であることに加え、手放すときに状態が良いとさらに高価買取が狙えます。こちらの項目では、高価買取を狙うためのポイントを3つご紹介します。
・綺麗な状態を保つ
エルメス製品はデリケートな素材を使用しているため、普段から扱いには十分に注意しましょう。査定に出す前には、ホコリや汚れを綺麗に落とし、型崩れしていないかや小さな傷がついてないかをチェックするといった下準備が重要です。
・付属品を揃える
購入した際に付いてきた付属品をすべて揃えておくと、買取額の大幅なアップが期待できます。特に「保証書」や「ギャランティカード」は買取では重視される場合が多いため、購入時に付いてきたものは自宅で大切に保管しておきましょう。
・ブランド買取専門店で売却する
売却する際は、エルメス製品の知識が豊富なブランド買取専門店で売却するのがおすすめです。ブランド買取専門店には、ブランド品について膨大な知識を持つ専門スタッフが査定を行うため、適正な価格で買い取ってもらえます。
トゴはバーキンやケリーなどの代表的なバッグの他、ドゴンなどの財布にも使われています。上品な質感と耐久性の高さから人気があり、定番のゴールドやノワール(黒)を中心に中古市場でも需要が高い傾向にあります。
トゴを長く使用したい場合は、日頃の手入れを欠かさず、保管方法にも注意しましょう。状態を美しく保てば、いつか手放す際にも、高価買取を見込めます。
トゴなどを使ったエルメスのアイテムを売る際は、付属品を揃え、エルメスの買取を積極的に行っている買取店に査定を依頼しましょう。「買取本舗七福神」では、経験豊富な鑑定士が、種類のわからないアイテムや、他店で査定不可であったアイテムも査定いたしますので、ぜひお気軽にお持ち込みください。