最終更新日:2022年09月27日
財布やバッグ、革小物など、エルメスの一部のアイテムには刻印が施されています。エルメスの刻印をチェックすることで、どの時代に作られたどのようなアイテムであるかが判別できるため、刻印について知りたい方は多いでしょう。
当記事では、エルメスの刻印が表すものや刻印の位置、製造年による刻印の違い、一部の商品にのみ見られる特殊な刻印などについて紹介します。エルメスの刻印について関心のある方や、自身が持つアイテムの価値について知りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
革素材が使用されたエルメスの製品には、刻印が入れられています。エルメスの刻印に記されている主な情報は、以下の3つです。
・刻印で記される情報
製造年は、具体的な数字が書かれているわけではありません。アルファベット1文字で表されており、1年ごとに変更されています。製造した職人については、イニシャルで表されています。それぞれの刻印の並び順や表記の仕方は、アイテムや製造年などによって異なるため注意しましょう。
なお、アトリエや職人の刻印に関する詳しい情報は、非公開となっています。お客さんだけでなく、正規店の販売員にも周知されていません。したがって、刻印を見てどこのアトリエであるかを知ることは、販売員であってもできないようになっています。
エルメスの代表的なアイテムの刻印の位置は、以下の通りです。なお、位置はあくまでも一例であり、個々に異なるケースもあるため注意してください。
・エヴリン
ショルダーの付け根の内側にあります。
・ボリード
ファスナーの先端にあるタブの裏にあります。
・アザップロング シルクイン
小銭入れの側面にあるタブ「HERMES PARIS」刻印の下付近にあります。
・アザップロング オールレザー
ファスナー内側の「HERMES PARIS」刻印の下付近にあります。
・バーキン
正面にあるクロアベルトの裏側にあります。なお、2015年頃からはベルト付近に変わりました。
・ケリー
バーキンと同様です。
・コンスタンス
バッグの中のマチ部分にあります。
・エールバッグ
バッグの背面、革になっている部分の裏側、中心あたりにあります。
・ピコタンロック
カデナが付けられたベルトの裏面にあります。
・ベアン
小銭入れ内部のマチの部分にあります。
エルメスでは、アイテムの製造が職人に一任されており、刻印位置や押し方、刻印を押すか否かは職人次第となっています。したがって、「どの位置にどのような刻印がある」といった確実なデータをユーザー側がはっきりと知ることはできません。また、刻印は手打ちとなっているため、アイテムによっては刻印が薄い場合がある点にも注意が必要です。
以下は、製造年による刻印の違いについてまとめた一覧です。
・1964~1970年:装飾なし
1964年 | 1965年 | 1966年 | 1967年 | 1968年 |
---|---|---|---|---|
T | U | V | W | X |
1968年 | 1969年 | |||
Y | Z |
・1971~1996年:丸い囲み文字
1971年 | 1972年 | 1973年 | 1974年 | 1975年 |
---|---|---|---|---|
Ⓐ | Ⓑ | Ⓒ | Ⓓ | Ⓔ |
1976年 | 1977年 | 1978年 | 1979年 | 1980年 |
Ⓕ | Ⓖ | Ⓗ | Ⓘ | Ⓙ |
1981年 | 1982年 | 1983年 | 1984年 | 1985年 |
Ⓚ | Ⓛ | Ⓜ | Ⓝ | Ⓞ |
1986年 | 1987年 | 1988年 | 1989年 | 1990年 |
Ⓟ | Ⓠ | Ⓡ | Ⓢ | Ⓣ |
1991年 | 1992年 | 1993年 | 1994年 | 1995年 |
Ⓤ | Ⓥ | Ⓦ | Ⓧ | Ⓨ |
1996年 | ||||
Ⓩ |
・1997~2014年:四角い囲み文字
1997年 | 1998年 | 1999年 | 2000年 | 2001年 |
---|---|---|---|---|
🄰 | 🄱 | 🄲 | 🄳 | 🄴 |
2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 |
🄵 | 🄶 | 🄷 | 🄸 | 🄹 |
2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 |
🄺 | 🄻 | 🄼 | 🄽 | 🄾 |
2012年 | 2013年 | 2014年 | ||
🄿 | 🅀 | 🅁 |
・2015~2022年:装飾なし
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
---|---|---|---|---|
T | X | A | C | D |
2020年 | 2021年 | 2022年 | ||
Y | Z | U |
1964~1970年と2015~2022年では、どちらも囲みの装飾がないアルファベットが使用されているため、混同しないよう注意が必要です。どちらの年代のものであるかは、以下の点に注目することで見分けられると言われています。
前年までのアルファベット順の流れから2015年は四角で囲まれたSとなると予想されていましたが、実際には囲み装飾なしのTとなりました。四角い囲み文字のSがなかったのは、ソルド品に押される「S」の刻印と被らないようにするための対策だと言われています。2023年のアルファベットは、現在のところ不明です。
エルメスの商品を所持している方の中には、「自分のアイテムに見慣れないマークがついている」と疑問や不安を感じている方もいるのではないでしょうか。一部のアイテムには、一般的なアイテムには見られない変わった刻印が施されていることがあります。
以下では、エルメスの一部商品にのみ見られる刻印と意味について解説します。
エルメスのアイテムはどれも高級なレザーが使用されていますが、中でも特に高級なのがワニ革やトカゲ革など爬虫類の革が使用された商品です。爬虫類系の素材を使用している場合、どのような動物の革を使用しているのか見分けることが困難です。
したがってすぐに見分けがつくよう、エルメスのロゴの近くには、動物ごとに異なる特徴的な記号の刻印が施されています。主な種類としては、以下のようなものがあります。
・リザード
リザードの刻印は、「-」です。
・アリゲーター
アリゲーターには、「□」というマークが刻印されます。
・クロコダイル ニロティカス
クロコダイル ニロティカスの刻印は、「●●」です。
・クロコダイル ポロサス
クロコダイル ポロサスの場合、「Λ」というマークが刻印されます。
一般的なアイテムとは違った方法で販売されたものなど、一部の特殊な商品に対しても通常と異なる刻印が施されます。特殊な商品の例は、以下です。
・オーダーメイド品
金具や色、素材など、さまざまな要素を自由に選んで作成したオーダーメイド製品には、馬の蹄のマークがロゴ付近に刻印されます。
・関係者や上顧客向けのアイテム
関係者向けに作られたものや、リピート率の高いお客さんに向けて作られた希少価値の高いアイテムの場合、流れ星のような刻印「スターマーク」が押されています。
・ソルド品
エルメスは、年に数回「エルメス・ソルド」というセールイベントを実施しています。ソルド品とは、「エルメス・ソルド」でセール品として売られるアイテムのことです。ソルド品の場合、エルメスのロゴの横付近にアルファベットのSが刻印されています。
場合によっては、エルメスの刻印を見ることで偽物かどうか判別できるケースもあります。
明らかに本物とは異なるフォントが使われていたり、塗料がはみ出ていたりする場合は偽物の可能性があるでしょう。ただし、本物であっても塗料がにじんでいるケースはあります。したがって、刻印だけで判別するのは難しいと言えます。
また、職人によっては、刻印を通常と異なる場所に入れていたり、そもそも刻印を入れなかったりする場合もあるため、刻印の場所や有無だけで真偽を判別するのは困難です。
刻印以外にも、ファスナー近くの金具など、偽物を見分ける要素はいくつか存在します。しかし近年では、一般的なお客さんには見分けるのが難しい精巧な偽物も多く出回っています。したがって真贋を確実に判断したい場合は、買取店などでプロの鑑定士に確認してもらうのがおすすめです。
エルメスの一部アイテムには、製造年・アトリエ・職人について記された刻印が施されています。高級素材を使用しているアイテムや、特殊なアイテムの場合、一般的なアイテムには見られない刻印が押されている場合もあります。
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