最終更新日:2021年05月10日
婚約指輪や結婚指輪など、プラチナは一生もののアクセサリーにも使用される人気の素材です。美しい輝きもさることながら、希少性が高いことも特徴であり、ゴールドと並んで価値のある素材として広く認知されています。
プラチナは多くの人に支持される一方で、黒ずみなどの変色が起きるといったネガティブな意見がないわけではありません。プラチナ愛用者にとっては、果たして真実なのか気になるところでしょう。
そこで今回は、プラチナが劣化する可能性について解説します。お手入れ方法や美しい状態を保つポイントも併せて理解すれば、プラチナの黒ずみ・変色を防げるでしょう。
プラチナには耐蝕性があるため、黒ずみや変色が起きることは基本的にありません。
しかし、一部のアクセサリーは例外です。プラチナは素材自体が柔らかいため、合金加工を施して一定の強度や色味を付与しています。一部のプラチナで黒ずみや変色が見られる原因は、アクセサリーに含まれる別の金属が化学反応を起こすためです。プラチナに含まれる金属は「割金」と呼ばれ、以下の種類があります。
<プラチナに含まれる割金の種類>
銀・銅・パラジウム・ルテニウム・イリジウム・ニッケルなど
日本国内で販売しているプラチナのアクセサリーは、変色に強いパラジウムを使用した製品が主流です。一方で、一部の国産品・海外品は割金に銅や銀を使用している場合があり、汗や皮脂の成分に反応して劣化することがあります。
黒ずみや変色が起きにくいものの一般的な貴金属と同じく、大半のプラチナは使用しているうちに傷つく場合があります。プラチナは純度が上がるほど傷つきやすくなり、微細な傷でも光を乱反射してしまいます。プラチナ本来の輝きを維持するためには、こまめなお手入れが欠かせません。
また、プラチナは素材の特性上、衝撃が加わると変形してしまうことがあります。プラチナリングを日常的に身に付けている方は、生活動作でぶつけてしまわないように注意が必要です。
プラチナの普段のお手入れは、決して難しくありません。使用後に柔らかい布で拭けば、表面に付着した汚れを簡単に取り除くことができます。
また、週1回~月1回の定期的なお手入れも大切です。市販のジュエリークリーナーも役立ちますが、ここではさらに手軽なお手入れ方法を紹介します。
(1)アクセサリーをぬるま湯に浸す
洗面器などにぬるま湯を入れて、家庭用中性洗剤を数滴たらします。アクセサリーを浸したら、汚れ落ちをよくするために数分待ちましょう。
ただし、以下のジュエリーは、水や熱で宝石が傷む恐れがあります。自分で黒ずみを取るのではなく、ジュエリーやアクセサリー専門店などにお手入れを依頼しましょう。
<ぬるま湯に浸せないジュエリー>
琥珀・珊瑚・真珠・エメラルド・ターコイズ・ラピスラズリなど
(2)汚れを取り除く
ぬるま湯に浸したあとは、綿棒や柔らかいブラシ、筆などで優しく汚れを取り除きます。刻印部分は汚れが溜まりやすいため、入念に磨きましょう。プラチナリングは内側→外側の順で磨くときれいに仕上がります。また、ネックレスはぬるま湯の中で振り洗いをすると、効率よく汚れを取り除くことが可能です。その際、ネックレス同士が擦れないように十分に注意しましょう。
(3)水気をきれいに拭き取る
汚れが落ちたら、柔らかい布や眼鏡拭きなどで水気をきれいに拭き取ります。最後に、自然乾燥をさせたらお手入れ完了です。
普段のお手入れや定期的なお手入れをしていても、プラチナに黒ずみや変色などが発生してしまう場合があります。原因は前述したとおり、プラチナのアクセサリーに含まれる銀や銅などの成分が化学反応を起こすためです。
ここでは、自宅で簡単にできる黒ずみや変色への対処法を2つ紹介します。
プラチナが錆びている場合は、レモン汁を使用した対処法が有効となります。
〇用意するもの
〇手順
錆の原因は金属の酸化です。金属の表面にある水と酸素が、空気中の水と酸素に反応すると錆びが発生します。錆びやすい金属の代表格が、10円玉にも使われる「銅」です。酸化によって錆びた古い10円玉を見たことがある人もいるでしょう。プラチナをレモン汁に浸す対処法は、酸化還元反応を利用しています。プラチナの酸化銅とレモン汁の酢酸が反応して錆を分解するメカニズムです。
レモン汁による対処法は手軽にできるというメリットがあるものの、酸に弱い以下のジュエリーには適用しないようにしましょう。
<レモン汁で浸せないジュエリー>
黒蝶貝(白蝶貝)・珊瑚・真珠・エメラルド・オパール・オニキス・ターコイズなど
プラチナに黒ずみがある場合は、重曹を使用した対処法がおすすめです。
〇用意するもの
〇手順
上記の手順に沿って進めれば、特にブラシなどで磨かなくても黒ずみが取れます。作業にあたって、熱湯によるやけどには十分に注意してください。
プラチナの黒ずみは、銀の硫化によって発生します。硫化とは、金属の成分が硫化水素や亜硫酸ガスに反応する現象です。硫化によって発生した硫化銀こそ、黒ずみの正体となります。硫化水素や亜硫酸ガスは空気中に含まれており、大気汚染がひどい地域ではプラチナを放っておくだけで黒ずみが起きる可能性があります。また、硫黄成分と反応することでも、銀の硫化は発生します。したがって、温泉に浸かるときや家庭用入浴剤を使用するときは、温泉や入浴剤の成分を十分に確認しなければなりません。
小傷など多少の使用感は長く愛用してきた証だと考えることもできますが、「プラチナ本来の輝きをいつまでも保ちたい」と思っている人もいるでしょう。プラチナは取り扱い方や保管方法に注意すると、新品時のような美しい状態を長く保つことができます。
最後に、プラチナを取り扱ううえで気を付けるべきポイントを2つ紹介するため、ぜひ実践してみてください。
掃除や食器洗いなどの家事をする際は、プラチナのジュエリーを外すことをおすすめします。その理由は、洗剤や漂白剤の化学成分はプラチナに影響がなくても、宝石を傷める恐れがあるためです。特に塩素系の漂白剤は強力であり、わずかに薬液が付着しただけでも、劣化につながる可能性があります。
また、力仕事をするときもプラチナのアクセサリーを外しておきましょう。荷物や家具など重たいものを持つ動作は、一点に集中的な力が加わります。「力仕事をしているうちに気づいたらプラチナリングが変形していた」というケースは少なくありません。アクセサリーの美しさを保つために、プラチナ製のジュエリーはこまめに外すことを意識してください。
アクセサリーを裸のまま仕舞ってしまうと、他のアクセサリーや小物類と接触して傷つく恐れがあります。プラチナのアクセサリーを使わないときは、ジュエリーボックスで保管することが基本です。購入時の付属品もしくは市販のジュエリーボックスを使用しましょう。
ジュエリーボックスの価格は約1,000円~3,000円が相場であり、比較的リーズナブルな値段で手に入れることが可能です。ジュエリーボックスは一定の強度があり、誤ってものを箱の上に載せてしまったときでも大切なアクセサリーを守ってくれます。
また、プラチナのアクセサリーの持ち運びにはジュエリーポーチもおすすめです。ジュエリーボックスほどの強度はないものの、クッション入りのタイプを選べば旅先などにも安心して持っていくことができます。
プラチナは耐蝕性があるため、黒ずみや変色の心配はありません。ただし、銀や銅を割金として使用しているアクセサリーについては例外です。使用後と定期的なお手入れを欠かさずに行いましょう。
プラチナの錆にはレモン汁を使用した対処法が、黒ずみには重曹を使用した対処法がそれぞれ有効です。プラチナの美しさを保つために、家事などをする際はジュエリーをこまめに外し、使用しないときはジュエリーボックスで保管しましょう。
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