
最終更新日:2024年12月23日
金は国内外で先物取引がなされており、特に米国では先物取引の一部内容が開示されています。金などの商品(コモディティ)価格は大口投資家の売買に影響される傾向がありますが、売買データの分析で大口投資家の動向把握が可能です。こちらの記事では米商品先物取引委員会(CFTC:U.S. Commodity Futures Trading Commission)のデータ及び金ETF「SPDRゴールド・シェア」の金の保有高推移を価格とともに見ていきます。
米国金先物(NY金)について、CFTCが開示している建玉明細は以下の推移となっています。
日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
---|---|---|---|---|---|
11/19 | 502,952 | 193,355 | 38,181 | 155,174 | 2,660.4 |
11/26 | 472.660 | 203,596 | 24,306 | 179,290 | 2,658.5 |
12/3 | 462,040 | 203,580 | 22,845 | 180,735 | 2,665.9 |
12/10 | 483,346 | 218,482 | 22,404 | 196,078 | 2,721.4 |
12/17 | 466,571 | 201,880 | 18,378 | 183,502 | 2,663.5 |
総取組高(市場全体の取引残高)は、直近1ヵ月では11月19日をピークに減少傾向にあります。新規の投資家の参入がなく、既存投資家も資金を引き揚げつつあります。ただし大口の買いポジションは維持されており、大口の買いと売りの差分は買い優勢が強まる方向にあり、大口投資家は買い目線を維持しています。
金価格は10月末の高値から若干下落した水準で値動きが停滞している状態です。その中で大口は買い目線を維持しているものの、年末に向けて総取組高の減少が続いており、投資家の市場参加意欲は低下中です。
次に現物の金を保有する金連動型ETF・SPDRゴールド・シェアの金保有残高及び価格推移を見てみましょう。
日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
---|---|---|
11/19 | 872.22 | 241.75 |
11/26 | 879.40 | 243.97 |
12/3 | 873.66 | 245.16 |
12/10 | 870.79 | 245.37 |
12/17 | 864.18 | 245.14 |
11月19日からの1ヵ月でSPDRゴールド・シェアの金保有残高と価格はいずれも大きな変化は生じていません。ただし12月17日は保有高が870トンを割れており、今後も減少が続くか注目されるタイミングです(なお、12月20日に877.39トンまで回復)。
保有残高の増加とともに価格の上昇を見せるのが、息の長い投資家の参入を背景とする理想的な価格上昇です。保有高と価格がいずれも大きな変化を見せない中、次の数字の変化のタイミングが注目されます。
ドル建ての金価格は10月末に高値を付けた後、11月半ばまでは下落が続き、その後反発しました。なお、円建ては円安の影響もあり12月に2番底を付けた後の反発となりました。
先物のデータを見ると、11月19日以降は大口投資家の買いスタンスに変化に変化はないものの、投資家の取引参加は減っています。またETFの金保有残高は横ばいです。いずれも大口投資家の本格参入的な買いは進んでおらず、年初来高値に向かう上昇には力不足と見ることができます。しかし、今後の下落を予期するような数値の変化も現れていません。
年末年始を控え、金価格及び先物及びETFのデータがどのように変化するか注目されます。
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