最終更新日:2024年08月21日
4年に1度開催されるオリンピック・パラリンピック(五輪)において、各競技の1位の優勝者には金メダルが授与されます。金メダルは純金100%ではなく様々な装飾がなされているものの、金メダルには金が含まれています。五輪は金に注目が集まる世界的なイベントです。
それでは特に夏の五輪期間において、金はどのような値動きを見せるのでしょうか?やはり金に対する需要が高まり、価格は上昇するのでしょうか?五輪中そして五輪後の金価格について、過去の推移を見てみましょう。。
まずは2000年以降の夏の五輪について、開催時期である7~8月の金価格の騰落状況を確認してみましょう。なお、価格は国内金標準先物価格(つなぎ足)です。
2000年 シドニー | ×下落 |
---|---|
2004年 アテネ | ○上昇 |
2008年 北京 | ×下落 |
2012年 ロンドン | ○上昇 |
2016年 リオデジャネイロ | ○上昇 |
2021年 東京 | ○上昇 |
2000年のシドニー五輪を基点にすると、これまで6回の夏の五輪が行われました。6回のうち7~8月に金価格が上昇したのは4回、下落したのは2回です。確率66%で五輪の期間中(7~8月の2ヵ月)に金価格が上昇しています。
五輪は金に注目が集まるイベントですが、上昇確率66%ではストレートに、五輪=金の買い、とは言えません。また2024年のパリ大会でも、金価格は7月の年初来高値更新後に下落が進み、8月に入ると大きな下落に見舞われました。2024年も7~8月は下落で終わる可能性が高まっています。
次に夏の五輪があった年に、五輪終了後の金価格はどのような推移を見せるのでしょうか?金メダルの需要や話題性がなくなるため金価格は下落する、と単純に想像できます。夏の五輪開催年の9月最初の取引日と12月最終取引日の価格差は以下となります。
夏の五輪開催年の9月最初の取引日と12月最終取引日の価格差
2000年 シドニー | ○上昇 |
---|---|
2004年 アテネ | ○上昇 |
2008年 北京 | ×下落 |
2012年 ロンドン | ○上昇 |
2016年 リオデジャネイロ | ○上昇 |
2021年 東京 | ○上昇 |
五輪を終えた後で見ると、2000年以降の6大会のうち上昇は5回・下落は1回です。
2000年は五輪開催中に金価格が下落したものの、五輪後は上昇しました。五輪後は83%の確率で金価格は年末に向け上昇しており、五輪期間中の66%に比べると上昇の可能性は高いと言えます。
上記の結果からは、夏の五輪開催年は五輪の開催中ではなく、五輪が終わった後の9月初めに金を買い年末に売却すると利益が出る可能性が高い、ということが分かります。
株や為替、商品などの相場制のある投資商品で、あるタイミングで同じ値動きを見せる現象はアノマリーと呼ばれています。アノマリーには株式の決算発表など明確な理由があるものに加えて、理由は不明確及び複合要因ながら毎年のように発生するものもあります。
本年の8月初めの金価格の下落を投資チャンスと捉えるなら、夏の五輪の年は年末に向けて金価格が上昇するというアノマリーは、有効な投資戦略となる可能性があります。年末に向けてその結果がどのようになるか注目されます。
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