最終更新日:2026年9月28日
金は国内外で先物取引がなされており、特に米国では大口投資家などの先物取引の一部内容が開示されています。金などの商品(コモディティ)は大口投資家の売買に値動きが左右される傾向があり、売買データの分析で今後の方向性が把握できる場合があります。
こちらの記事では米商品先物取引委員会(CFTC:U.S. Commodity Futures Trading Commission)のデータ及び金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有高の推移を価格とともに見ていきます。
米国金先物(NY金)について、CFTCが開示している建玉明細は以下の推移となっています。
前々回(26.7.27掲載)
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 6/30 | 369,541 | 134,577 | 14,486 | 120,091 | 4,021.8 |
| 7/7 | 371,776 | 134,941 | 18,780 | 116,161 | 4,116.6 |
| 7/14 | 383,689 | 136,905 | 16,126 | 120,779 | 4,058.3 |
| 7/21 | 383,368 | 141,487 | 16,656 | 124,831 | 4,082.2 |
前回(26.8.24掲載)
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 7/28 | 384,603 | 135,093 | 15,298 | 119,795 | 4,089.3 |
| 8/4 | 371,551 | 139,809 | 9,043 | 130,766 | 4,134.2 |
| 8/11 | 400,309 | 148,634 | 10,972 | 137,662 | 4,427.8 |
| 8/18 | 406,260 | 154,595 | 12,947 | 141,648 | 4,389.5 |
今回
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 8/25 | 427,957 | 159,819 | 15,072 | 144,747 | 4,715.9 |
| 9/1 | 415,196 | 149,721 | 12,950 | 136,771 | 4,375.7 |
| 9/8 | 411,227 | 145,804 | 10,832 | 134,972 | 4,400.0 |
| 9/15 | 409,899 | 142,394 | 9,278 | 133,116 | 4,333.4 |
| 9/22 | 412,800 | 135,699 | 8,310 | 127,389 | 4,396.2 |
参考:Commitments of Traders | CFTC
8月に久しぶりの本格的な上昇を見せた金価格でしたが、9月はジリ安が進みました。8月25日をピークに下落が進んだものの、8月4日安値と8月25日のピークの6割戻しの水準に位置しており、8月の上昇幅はまだ残されています。
CFTCデータでは8月半ばに総取組高が40万枚を回復した後、9月は40~41万枚を前後する状態であり。取引参加者は維持されています。ただし、大口買い・大口売りともに8月に比べると枚数は減少。「差し引き」も8月半ばから後半は14万枚台でしたが、9月に入ると13万枚、そして後半には12万台となりました。CFTCデータからも金のジリ安が裏付けられる形となっています。
ただし、金価格と「差し引き」がいずれもジリ安状態にあるものの、総取組高は依然として40万枚台の水準を維持しています。9月のジリ安が8月の反動減に留まり10月から再度反発に向かうか、総取組高も減少に転じ本格的な下落が進むか、今後の総取組高の行方が注目される状態です。
次に現物の金を保有する金連動型ETF・SPDRゴールド・シェアの金保有残高及び価格推移を見てみましょう。
前々回(26.7.27掲載)
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 6/30 | 1,005.07 | 367.78 |
| 7/7 | 1,002.50 | 378.68 |
| 7/14 | 1,004.44 | 369.01 |
| 7/21 | 1,005.87 | 373.33 |
前回(26.8.24掲載)
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 7/28 | 1,008.72 | 371.03 |
| 8/4 | 1,009.29 | 372.06 |
| 8/10 | 1,020.96 | 398.82 |
| 8/18 | 1,002.24 | 403.49 |
今回
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 8/25 | 1,048.34 | 426.80 |
| 9/1 | 1,046.63 | 406.23 |
| 9/8 | 1,050.63 | 404.27 |
| 9/15 | 1,050.27 | 393.13 |
| 9/24 | 1,054.55 | 392.82 |
ETFデータでは9月も金保有高の増加が継続。7月は一時1,000トンを割れるタイミングもありましたが、8月から徐々に増加が続いており、9月半ばには1,050トン台まで増加しています。CFTCの取組高の若干の減少と比べると異なる状態です。ただし値動きについては、8月25日をピークにジリ安が続いています。
保有高の増加の中で価格のジリ安が進んでおり、9月のジリ安はETFの金保有高から見ると、投資タイミングとしてはチャンスの可能性もあります。ただし1,050トン付近で保有高がピークを付けて、その後は保有高の減少とともに価格の下落に勢いが付くリスクもあるため注意が必要です。
8月に久しぶりの上昇を見せた金でしたが、9月は8月分の上昇幅の半分以上を戻す形となりました。ただし全戻しには至っておらず、8月の上昇に対する調整の可能性もあります。
CFTCデータの総取組高は若干の減少、ETFの保有高は増加と両者で若干異なる状況となっていますが、両者とも金価格の下落がこの先加速するデータとはなっていません。
10月以降も金価格はジリ安が続くことになるのか、それともETFデータを反映する形で10月からは再度上昇に向かうのか。今後の金価格そして、CFTCデータ及びETFデータの行方が注目されます。
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金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社を経て個人投資家・ライターに転身。株式市場や個別銘柄の財務分析、為替市場分析を得意としており、IPO関連記事、資産運用記事などを執筆、みんかぶなど複数媒体に寄稿中。また過去多数のIPOやM&Aに関与しブックライティングやインタビューも手掛けている。 ファンダメンタルズ分析に加え、個人投資家としてテクニカル分析も得意としている。 Xアカウント @writerishii

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