最終更新日:2021年07月05日
価値が高い貴金属のイメージとして、ゴールドとプラチナを思い浮かべる人は多いでしょう。ゴールドとプラチナはともに希少性が高い金属であり、指輪・ネックレスなど宝飾品の素材だけでなく、投資商品や保有資産としても人気があります。
ゴールド・プラチナの製品が手元にある場合、気になるポイントがそれぞれの資産価値です。そこで今回は、ゴールド・プラチナの価値や、資産価値が決まる要因、今後の動向や買取に出すタイミングについて解説します。
ゴールドとプラチナの価値を比較するためには、それぞれの資産価値を理解しなくてはなりません。ゴールドとプラチナの資産価値を決める要因は需要と供給、つまり市場におけるニーズと、産出量による希少価値です。
まずは、ゴールドとプラチナの資産価値について解説します。
ゴールドとプラチナを比べた場合、希少価値が高い金属はプラチナです。
2020年における金属の産出量で見ると、ゴールドの年間産出量は約3,200トンとなっていました。対してプラチナの年間産出量は約170トンであり、ゴールドの6%未満しか産出されていません。
出典:USGS「Mineral Commodity Summaries」
また、プラチナは太古の地球に降り注いだ隕石がもたらした金属といわれており、埋蔵量もゴールドより少ないと推測されています。プラチナは産出国も限られており、約70%が南アフリカ共和国、約12%がロシア、ジンバブエ・カナダ・アメリカが合計で約15%です。世界各地に産出地が存在するゴールドと比べると、希少価値はプラチナのほうが高いことが分かります。
一方で、市場におけるニーズが高いほうはゴールドです。ゴールドとプラチナの市場におけるニーズは、貴金属の用途と関係しています。
ゴールドの主な用途は、大半が宝飾品用の素材です。他には投資商品や中央銀行の保有資産、工業部品や医療用品にも使用されます。ゴールドは着飾るための装飾や保有資産として活用されるため、価値が極端に下がりません。
対して、プラチナの主な用途は大半が工業用品です。とくに自動車の排気ガスを抑制する浄化触媒として利用されます。プラチナは婚約指輪・結婚指輪など宝飾品用の素材としても使用されるものの、ゴールドほどに高い市場のニーズがありません。
2012年頃まではゴールドよりもプラチナのほうが高い価値を持っていました。しかし、2021年現在では価値が逆転し、ゴールドのほうが高い価値を持っています。
なぜゴールド・プラチナの価値は逆転したのでしょうか。以下では、価値が逆転した理由を3つに分けて解説します。
プラチナは自動車の浄化触媒に活用されることが多いため、需要が自動車業界の動向に左右されます。そのため、2008年9月に起きたリーマンショックを発端とする世界的不況により、自動車の売れ行きが低下した際は、プラチナ相場も大きく低下しました。
2015年9月にディーゼル車の排ガス試験不正問題が発覚した際も、プラチナ相場は影響を受けています。ディーゼル車離れによるプラチナ需要の低迷が懸念されたことで、プラチナ相場はゴールドを下回る基調となりました。
さらに、プラチナはジュエリーブランド品の素材としても人気が低下し、宝飾用途の需要量が減少傾向にあります。工業製品・宝飾品需要が減ったことが、プラチナ相場が低下した大きな理由です。
一方で、ゴールドは短期的な価格変動が比較的少ない金属であり、安全な保有資産として人気があります。ゴールドが保有資産として人気がある理由は、ゴールドの相場は不景気なときに上がりやすい傾向を持つためです。
実際にリーマンショック後の世界的不況や、トランプ政権時の中東情勢による地政学的リスク、新型コロナウィルスの流行を要因として、金相場は上昇しています。資産家や銀行は不景気なときに守りの資産を保有しようとするため、通貨価値の低下にともなってゴールドの価格上昇が起こりました。
ゴールドとプラチナの価値は、ともに世界の経済状況に影響を受けていることが分かります。注目すべき点は、プラチナは好景気=自動車の売れ行きがよいときに価値が高まる傾向にあり、ゴールドは不景気なときに価値が高まる傾向にあることです。
世界的な社会情勢・経済状況への不安が続く中では、価値が下がりにくいゴールドが求められています。現状ではプラチナの需要が小さく、ゴールドの需要は大きいことが、ゴールドとプラチナの価値が逆転した理由です。
今後プラチナの価値がゴールドを逆転する可能性は十分にあります。プラチナは需要が少ないとはいえ、希少価値はゴールドよりも高いためです。
プラチナの価値が高まるためには、世界における自動車生産・販売台数の回復がカギとなります。現状は不景気によって自動車販売が伸び悩んでいる状態でも、自動車はいずれ買い替えなければならないため、潜在的な需要が存在する製品です。つまり景気が好転した場合は、プラチナの価値は大きく高まる可能性があります。
また、次世代自動車の一つとして注目されている水素燃料電池自動車は、燃料電池部分の触媒としてプラチナが不可欠です。そのため、水素燃料電池自動車が世界的に普及した場合も、プラチナの需要は高まるでしょう。
ただし、現状における安全資産として有用な金属は、価値が下がりにくいゴールドです。不景気な世界経済の中でプラチナは価値が低下しており、相場の上下も大きいため、資産としては投機的な性質が強いといえます。
ゴールド・プラチナの価値は経済状況によって変動し、数か月~1年単位で見ると価格が大きく動くこともあります。そのため、貴金属を買取に出す際はタイミングを見極めることが重要です。
たとえばゴールドを買取に出す際は、どのようなタイミングがよいのでしょうか。ここからは、ゴールドの価値が高くなり、高額で買取してもらえるタイミングを4つ紹介します。
●信頼性が高い通貨の価値が低下したとき
ドルや日本円など信頼性が高い通貨の価値が低下すると、ゴールドの価値が高まります。
●国際的な金融不安があるとき
大手企業倒産や金融機関の経営悪化といった国際的な金融不安があるときは、各国の中央銀行や資本家がゴールドを保有しようとします。
●災害や有事が発生したとき
震災や紛争・テロなどが発生して事態の収拾が長引くと、金相場は高まる傾向があります。
●ドルに対して円安のとき
日本国内でゴールドを買取してもらう場合はドル円為替レートの影響を受けます。貴金属取引は世界的にアメリカドルで行う慣習があるためです。1ドル100円のときよりも、1ドル110円のときにゴールドを売ったほうが買取価格は高くなります。
貴金属の買取価格は買取店によっても違いがあるため、買取価格が高い店舗を利用しましょう。
買取本舗七福神は、他社の買取相場などをリサーチし、常に業界最高値での買取査定を実現します。タイミングを気にすることなく高額査定を出せるため、まずはお気軽にご相談ください。
ゴールドとプラチナを比べた場合、2021年5月時点で価値が高いほうはゴールドです。プラチナは希少価値が高いものの、市場ニーズはゴールドのほうが高くなっています。プラチナは工業製品用や宝飾品としての需要が減り、通貨価値の低下にともなってゴールドの価値が高まったことで、ゴールドとプラチナの価値は逆転しました。
ゴールドとプラチナの価値は変動するため、貴金属を買取に出す際はタイミングを見極めることが重要です。タイミングに左右されず高額で買取してもらいたい場合は、業界最高値での買取を行う買取本舗七福神をご利用ください。