最終更新日:2023年04月05日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大や世界的な経済不安の影響から、2020年は金価格が高騰した1年となりました。また、ウクライナの情勢によっても金価格が上昇しており、所有する金の売却を検討している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、今後の金価格の動向について詳しく解説します。直近5年間の金価格の相場推移から金価格が変動する要因、短期的・長期的な金価格の予想までまとめているため、金の売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
今後の金価格はどのように推移すると予想されているのでしょうか。現状では、短期的な予想と長期的な予想で異なる動きが想定されており、短期的には急落する可能性があり、長期的には上昇基調が維持される見通しです。
ここからは、短期的な予想・長期的な予想をそれぞれ詳しく解説します。
金は世界的に安定資産とみなされています。金価格は、紛争や天災などによる悪影響を受けにくく、むしろ有事の際に価格が上昇するためです。不安定な国際情勢などに反応して下落しがちな通貨や株価とは対照的です。
最近ではウクライナ情勢や新型コロナの拡大が金相場に大きな影響を及ぼしました。
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、いまだに収束の見通しが立っていません。一方で、当事国の国内情勢や他国からの働きかけによって、状況が一転して和平への道が開かれる可能性もあります。
金価格はロシアのウクライナ侵攻後に急騰して以降、高い水準で推移しています。しかし、近い将来にウクライナ情勢が落着きを見せれば、金価格は短期的に急落する可能性もあるでしょう。
また現在、コロナ禍は世界各国で収束に向かっています。2023年に経済活動が再び活発化して先行きの不透明感がなくなった場合も、金価格は急落するリスクを含んでいます。
長期的には、金価格は上昇傾向が維持される見通しです。ジュエリー分野のみならず、さまざまな産業分野で金需要が高まっているためです。
需要の高まりを背景に、金は投資対象としても注目される存在となっています。株式などの投資にはリスクがつきものです。発行元が破綻すれば、株式自体の価値はなくなり、投資家に損失をもたらします。
現物そのものに価値がある点が、金と株式との大きな違いです。金は、世界各国で現金などへ転換できるという信用力の高さも持ち合わせています。信用力の高さは長期的に価格を安定させる重要なポイントです。
また、金の採掘量には限りがあり、希少性が高いという点も金価格を上昇させる要因の1つです。長期的な需要をまかなう量を供給できなければ、金価格の上昇は維持される可能性があります。
金取引や金投資を検討している人は、金価格が変動する要因についての知識を深めることも大切です。金価格が上昇、または下落する主な要因5つを簡潔にまとめました。
金価格の一般的な傾向
金価格上昇 | 金価格下落 | |
---|---|---|
金の需要・生産量 | 需要に対する供給量や生産量が少ない | 需要に対する供給量や生産量が多い |
米ドルの価値 | 円安ドル高になる | 円高ドル安になる |
経済不安や金融不安 | 経済・金融の先行きに不安要素がある | 経済・金融の先行きが明るい |
地政学 | テロ・戦争・政治的緊張などが起きる、または発生する可能性が高まる | テロ・戦争・政治的緊張などがない、または発生する可能性が低い |
世界の金利 | 利下げされる | 利上げされる |
以下では、金価格の変動を予測するポイントも合わせ、5つの要因について詳しく解説します。
一般的にモノの価格は、需要増加・供給減少で上昇し、需要減少・供給増加で下落します。これは金価格も同様です。金の需給バランスは、主に金の鉱山生産量・工業用需要・宝飾品の売買量などの影響を受けます。
全世界での金の産出量は、2020年が3,030トン、2021年は3,000トンと減少傾向にあります。2022年も産出量が減少する場合は、金価格高騰の要因となり得るでしょう。
米ドルの相場と金の相場は、一般的に逆相関にあると言われています。そのため、米ドルの価値が上昇すると、金価格は下落する傾向です。対して米ドルの価値が下落すると、金価格は上昇します。
金価格を予想する際には、金価格の相場とともに、基軸通貨である米ドルのレートを注視する必要があるでしょう。
2022年の米国は、物価上昇に対して米ドルの価値が下がるインフレが起きている状況です。ただし、インフレ対策として政策金利の利上げが行われており、金価格の極端な上昇・下落要因となる可能性は低いと見られています。
金は「有事の資産」と呼ばれており、経済不安や株価先行き不安な状況では価格が上昇する資産です。一方、経済不安や金融不安が解消されると、株式や債券などの金融商品のリスクが低下します。安定した資産である金から高い利益率が期待できる株式や債券などに資金が流入し、金価格は下落傾向となることが一般的です。
2022年5月現在における金価格の高騰は、コロナショック・ウクライナショックによる経済不安の要因が大きいと考えられます。2つの要因が解消された場合、金価格が下落に転じる可能性もあるでしょう。
地政学リスクとは、テロ・戦争・大企業の倒産などの影響により、特定地域や世界の状況が不安定となることです。例えば、テロや戦争が発生すれば、先行きの不透明感から金が買われ、金価格が上昇します。反面、テロや戦争による影響がなく地政学リスクが低下すると、安全資産である金から他の資産へと資金が流出し、金価格は低下しやすくなるでしょう。
2022年のウクライナショックは地政学リスクの要因も含んでいます。ロシアは世界第3位の金産出国であり、世界の金供給量への影響が出た場合は金の価格上昇が起こり得ます。
世界の金利とは、各国の中央銀行が設定する政策金利のことです。政策金利は、民間銀行の預金金利や貸出金利に影響します。
政策金利が低いときは銀行の預金額が減少し、通貨の流通量が増えます。つまり通貨の価値が下落し、相対的に金価格は上昇する状況です。反対に政策金利が高いときは預金額が増加して通貨の流通量が減るため、通貨の価値が上昇し、金価格は下落します。
2022年現在の日本ではマイナス金利の金融政策が取られており、金価格の上昇要因となっています。
金価格の相場推移からは、金取引や金投資に役立つヒントを得られます。そこで、ここでは過去における相場推移について紹介します。
以下は、2018年から2022年まで5年間における金価格の相場です。
金価格の相場 | |
---|---|
2018年 | 4,543円/グラム |
2019年 | 4,918円/グラム |
2020年 | 6,122円/グラム |
2021年 | 6,402円/グラム |
2022年 | 7,649円/グラム |
表を見ると、金価格は2018年から右肩上がりで上昇している状況は明らかです。特に、2020年と2022年はそれぞれ前年から約1,200円/グラム以上も上昇しており、相場の好調さが顕著に表れています。
2023年に入っても金価格は高値水準を維持しており、3月時点の金価格は9,000円/グラムを超す勢いで推移しています。
金価格が年々右肩上がりに上昇しているのには、大きく2つの理由があります。1つは「金の需要が高まったため」、そしてもう1つは「金が投資商品として投資の対象となったため」です。
もともと、金の購入は資産として所有することが主たる目的でした。しかし近年では、スマホやパソコン、精密機械などの素材として工業利用されるケースが増え、さまざまな分野で金の需要が高まっています。
要するに、金の需要が高まったことから、金が投資の対象となり取引が活発となったため、金価格が上昇を続けているということです。
そして、為替市場や先物市場などのシステムが整備されたこともあり、金価格は為替や先物取引とリンクして変動するようになっています。
金価格は、10年前の2010年には平均3,477円/グラムで取引が行われていました。現在の金価格相場と比較すると、金の価値が長期的に上昇していることが分かります。
金売買をする前には、国内外で起きているさまざまなトピックを注視することが重要です。2023年現在で金価格に影響を及ぼす要因としては、世界的に拡大した感染症の状況や国際情勢などがあります。
以下では注目すべき6つのトピックを取り上げ、それぞれについて解説します。
2020年以降、新型コロナウイルスは世界的に流行し、金価格は高騰しました。2023年に入ってからは世界各国で収束に向かいつつあり、経済活動も回復軌道です。
ただし、インフルエンザや鳥インフルエンザなど従来からの感染症や、未知の感染症が大流行して世界経済に影響を及ぼすリスクは常にあります。今後も何らかの感染症が流行すれば、金価格の高騰につながる可能性を含んでいます。
2023年3月時点において、ウクライナ情勢の見通しは依然として不透明です。今後の展開については、専門家の間でもさまざまな意見が出ています。長期間にわたって不安定な情勢が続く可能性も否めません。
ウクライナ情勢は金価格を押し上げた要因の1つであり、今後の展開次第で上昇、または下落へとつながるでしょう。
円相場の動きは、注目すべき重要なトピックです。金価格は基本的に円安ドル高で上昇し、円高ドル高で下落します。
2022年の円相場では円安ドル高が進み、10月にはドル/円レートが一時150円を超しました。以降、やや円高ドル安に戻り、2023年3月時点では130円台で推移しています。
金価格は、世界各国が行う政策金利の影響を受けがちです。特に、金価格と密接なかかわりがあるのはアメリカの政策金利です。アメリカの中央銀行にあたるFRBは2022年から2023年にかけて、物価上昇を抑えるために利上げ政策を継続しています。
一般的に、政策金利が上がると金価格は下落する傾向です。したがって、アメリカの利上げ政策が長期化すると、金価格は下落する可能性があります。
中国とインドは、世界で最も人口が多い国の上位2カ国です。両国の人口を合わせると約28億人に昇ります。アジアの新興国である中国とインドでは、経済の急速な発展を受けて、産業分野やジュエリー分野における金需要の高まりが予想されます。
インドでは、金は古くから装飾や蓄財の手段として人々の生活に根付いた貴金属です。経済状況が悪化すれば、金を購入する意欲や資金が人々からなくなり、需要が減る可能性も含んでいます。
北朝鮮や中東、中国といった国々による軍事動向も、金価格には影響を及ぼすトピックです。
例えば万が一、いずれかの国が何らかの理由で軍事行動を起こせば国際情勢の緊張が高まり、金価格は上昇する見込みです。あるいは、近隣諸国と平和で友好的な関係を保とうという姿勢を貫けば、金価格は下落する可能性があるでしょう。
なお過去において、北朝鮮トップが核実験施設の廃棄に言及した際、金価格が下落したことがありました。情勢の安定が見込まれたためです。ただし、北朝鮮が発端となる有事が日本のみに起きた場合、世界的な金価格には影響がほぼないと見られています。
金を売る際は、国際情勢や相場・市場などの情報を確認してから行動に移すことが大切です。2023年は、金価格が史上最高値を更新しており、歴史的にも高騰しているタイミングです。3月時点の店頭買取価格も9,000円/グラムに迫る勢いで推移しています。
ただし、金価格の高値水準は必ずしも安定して続くとは限らないため、注意が必要です。1980年の日本では、1グラムの金価格が4か月の間で6,495円から3,645円となり、約3,000円もの下落を記録しています。
2023年は高価買取を狙える売り時であることに違いはありません。今後の情勢に不安があったり、売るかどうか迷っていたりする場合、まずはプロによる査定をおすすめします。
金価格の相場は、直近5年間において緩やかな上昇トレンドを描き、さらにコロナショックやウクライナショックにより高騰しています。短期的には、金価格相場は急落する可能性が十分に考えられるものの、長期的には上昇が維持される見通しです。
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