
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大や世界的な経済不安の影響から、2020年は金価格が高騰した1年となりました。また、ウクライナの情勢によっても金価格が上昇しており、所有する金の売却を検討している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、今後の金価格の動向について詳しく解説します。直近5年間の金価格の相場推移から金価格が変動する要因、短期的・長期的な金価格の予想までまとめているため、金の売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
金価格の相場は常に変動を続けています。なぜなら、金は東京・香港・ロンドンなど世界中の市場で取り扱われる商品であり、各国の需要・供給が価格に影響を与えるためです。「有事の金」と呼ばれるように、世界経済・情勢の不安定化は金の需要を高め、金価格を上昇させます。
金価格の今後を予想する前に、2017~2021年における金価格の相場推移を紹介します。
金価格の相場 | |
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2017年 | 4,576円/グラム |
2018年 | 4,543円/グラム |
2019年 | 4,918円/グラム |
2020年 | 6,122円/グラム |
2021年 | 6,402円/グラム |
金価格の相場は2019年から上昇傾向にあり、2020年は特に金価格が高騰しました。2021年は前年ほどではないものの、金価格の相場は高騰が続いています。
以下では「金価格が年々右肩上がりとなっている理由」を解説します。
金価格が年々右肩上がりに上昇しているのには、大きく2つの理由があります。1つは「金の需要が高まったため」、そしてもう1つは「金が投資商品として投資の対象となったため」です。
もともと、金の購入は資産として所有することが主たる目的でした。しかし近年では、スマホやパソコン、精密機械などの素材として工業利用されるケースが増え、さまざまな分野で金の需要が高まっています。
要するに、金の需要が高まったことから、金が投資の対象となり取引が活発となったため、金価格が上昇を続けているということです。
そして、為替市場や先物市場などのシステムが整備されたこともあり、金価格は為替や先物取引とリンクして変動するようになっています。
金価格は、10年前の2010年には平均3,477円/グラムで取引が行われていました。現在の金価格相場と比較すると、金の価値が長期的に上昇していることが分かります。
2021年の世界経済はコロナショックから回復の兆候が見られたものの、根強い金需要は続いている状況です。
2021年はワクチンの開発や各国でのロックダウン解除など、金の売り材料となる経済活動の再開が進みました。しかし、アルファ株・デルタ株・オミクロン株と新型株が次々に出現し、新型コロナウイルス感染症は終息の見通しが立っていません。
新型コロナウイルスは依然として世界経済におけるリスク要因であり、経済の先行き不透明感が金の需要を支えています。そのため、安全・安心資産である金に、世界中の機関投資家や個人投資家の資金が集まっています。
このように、現在の金相場は上昇トレンドにある状況です。しかし、投資をする際には価格下落のリスクにも配慮する必要があります。
2022年の金価格を左右する要因の1つが「ウクライナショック」です。ロシアのウクライナ侵攻は世界経済に影響を及ぼし、金価格は2022年4月に8,154円/グラムの高値にまで高騰しました。
ウクライナショックが金価格に影響を与える理由は、国の発行する通貨や企業が発行する株式に対する信用が低下すると、金の価値が高まるためです。
世界情勢に大きな変動があると、通貨や株式の資産価値は減少する可能性があります。投資家は保有資産の減少を避けるために、安定資産とされる金を購入するため、金の価値が高まる仕組みです。
実際にウクライナショックにより、ロシアの通貨であるルーブルの対外的価値が乱高下し、市場の株価も急落するなどの影響が出ました。一方で金価格は高騰の傾向を見せています。
ウクライナショックの影響はいつまで続くかが不透明であるものの、2022年の金価格に大きな影響を及ぼすと目されています。
円安も、金価格を高騰させる1つの要因です。2022年の円相場は対ドルで20年ぶりの円安と言われており、2022年5月時点で1ドル=130円の大台を突破しています。
出典:SBI証券「マーケット」
円安が金価格の高騰につながる理由は、金の価格は米ドルで決定されており、日本国内で金取引を行うときはドルを円に換える必要があるためです。
例えば金の価格が1グラム50ドルの場合、1ドル=100円であれば金の価格は1グラム5,000円となります。対して、1ドル=130円であれば金の価格は1グラム6,500円です。対ドルでの円安が進むほど、日本で金を売買するときの金価格は高騰しやすくなります。
2022年5月時点では対ドルでの円安となっているものの、今後も円安の流れが継続するとは限りません。市場予想がドル高・円安でまとまったり、政府当局のけん制が行われたりした場合は、円安から円高へと流れが反転する可能性もあります。
円安から円高に切り替わると金価格は下がるため、金価格の予想ではドル円の動向に注意しましょう。
直接的な売買はもちろん、投資対象としても人気が高い金の価格は、複数の要因が組み合わさって決まります。金価格の動向を知るためには、金価格が変動する要因を知っておくことが重要です。
金価格の上昇・下落を引き起こす5つの要因について詳しく解説します。
一般的にモノの価格は、需要増加・供給減少で上昇し、需要減少・供給増加で下落します。これは金価格も同様です。金の需給バランスは、主に金の鉱山生産量・工業用需要・宝飾品の売買量などの影響を受けます。
全世界での金の産出量は、2020年が3,030トン、2021年は3,000トンと減少傾向にあります。2022年も産出量が減少する場合は、金価格高騰の要因となり得るでしょう。
米ドルの相場と金の相場は、一般的に逆相関にあると言われています。そのため、米ドルの価値が上昇すると、金価格は下落する傾向です。対して米ドルの価値が下落すると、金価格は上昇します。
金価格を予想する際には、金価格の相場とともに、基軸通貨である米ドルのレートを注視する必要があるでしょう。
2022年の米国は、物価上昇に対して米ドルの価値が下がるインフレが起きている状況です。ただし、インフレ対策として政策金利の利上げが行われており、金価格の極端な上昇・下落要因となる可能性は低いと見られています。
金は「有事の資産」と呼ばれており、経済不安や株価先行き不安な状況では価格が上昇する資産です。一方、経済不安や金融不安が解消されると、株式や債券などの金融商品のリスクが低下します。安定した資産である金から高い利益率が期待できる株式や債券などに資金が流入し、金価格は下落傾向となることが一般的です。
2022年5月現在における金価格の高騰は、コロナショック・ウクライナショックによる経済不安の要因が大きいと考えられます。2つの要因が解消された場合、金価格が下落に転じる可能性もあるでしょう。
地政学リスクとは、テロ・戦争・大企業の倒産などの影響により、特定地域や世界の状況が不安定となることです。例えば、テロや戦争が発生すれば、先行きの不透明感から金が買われ、金価格が上昇します。反面、テロや戦争による影響がなく地政学リスクが低下すると、安全資産である金から他の資産へと資金が流出し、金価格は低下しやすくなるでしょう。
2022年のウクライナショックは地政学リスクの要因も含んでいます。ロシアは世界第3位の金産出国であり、世界の金供給量への影響が出た場合は金の価格上昇が起こり得ます。
世界の金利とは、各国の中央銀行が設定する政策金利のことです。政策金利は、民間銀行の預金金利や貸出金利に影響します。
政策金利が低いときは銀行の預金額が減少し、通貨の流通量が増えます。つまり通貨の価値が下落し、相対的に金価格は上昇する状況です。反対に政策金利が高いときは預金額が増加して通貨の流通量が減るため、通貨の価値が上昇し、金価格は下落します。
2022年現在の日本ではマイナス金利の金融政策が取られており、金価格の上昇要因となっています。
ここまで、金価格の相場推移・金価格が下落する要素について説明しました。
では、今後の金価格はどのように推移すると予想されているのでしょうか。現状では、短期的な予想と長期的な予想で異なる動きが想定されており、短期的には急落する可能性があり、長期的には上昇基調が維持される見通しです。
ここからは、短期的な予想・長期的な予想をそれぞれ詳しく解説します。
2022年は「コロナショック」による経済不安と、「ウクライナショック」の地政学リスクが合わさっている状態にあります。経済の先行きが不透明な中で、多くの投資家たちが安定資産である金を求め、金価格は高騰しました。
しかし、2021年には世界各国でコロナショックからの経済的な回復の兆候があり、2022年も回復基調は続くと見られています。コロナショックによる経済不安が解消されることで、金価格が急落する可能性は十分考えられるでしょう。
ウクライナショックでは「有事の金」である金価格が上昇するとともに、「有事のドル」として米ドルの価値も高まりました。さらに米ドルの価値は、政策金利上昇によっても高まっている状況です。ウクライナショックによる地政学リスクが解消された場合、高まった米ドルの価値によって金価格が急落する可能性も考えられます。
2022年に金の売買を行う場合は、「コロナショック」と「ウクライナショック」の動向を注視して、自分にとってベストのタイミングを見極めましょう。
長期的な予想では、金価格の上昇トレンドは維持される見通しです。
金は貴重な鉱物資源である上に、近年は金属部品にも利用されています。限られた供給と高い需要を持っている点こそが、金が安定資産と呼ばれる理由です。
さらに近年は世界的な量的緩和政策により低金利の状態が継続しており、投資マネーは行き場を失っています。そのため、今後も金相場へ資金が流入しやすい状況が続くと言えるでしょう。短期的には金価格が下落したとしても、投資家は下落したタイミングを見計らって押し目買いするケースが多く、長期的な価格下落の可能性は低いと考えられます。
また、ウクライナショックが影響した対象は金価格だけではありません。小麦に代表される穀物相場やエネルギー価格の上昇も起きており、世界的なインフレ懸念がある状況です。インフレ懸念があるときは、投資家はリスク回避のために金を保有しようとするため、金価格の上昇も維持されると考えられます。
金価格の相場は、直近5年間において緩やかな上昇トレンドを描き、さらにコロナショックやウクライナショックにより高騰しています。短期的には、金価格相場は急落する可能性が十分に考えられ、長期的には上昇が維持される見通しです。
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