黒い宝石の石言葉や特徴を解説

黒い宝石は、神秘的で吸い込まれるような輝きを持つことで人気の高い宝石です。華やかで鮮やかな他の宝石類とは異なる独特な風合いによって、黒い宝石は古くから魔除けや厄除けの守護石として世界各地で重宝されてきました。しかし、黒い宝石と一口に言っても、実はさまざまな種類の石に分けられます。

今回は、黒い宝石の概要と印象・色彩心理に加えて、代表的な9種類の特徴や石言葉について紹介します。黒い宝石の魅力に興味がある人はぜひ参考にしてください。

黒い宝石とは、さまざまな色合いを持つ宝石・鉱物の中でも、黒色の強い石の総称です。基本的には、黒一色で不透明な宝石・カラーストーンを指します。オニキスやオパールのように、他の色の模様が入っていても、地色が黒色であれば黒い宝石に分類されます。目視のみでは石の種類が見分けづらいことも、黒い宝石ならではの特徴です。

黒い宝石には、天然石と人工石の2種類が存在します。天然石は希少性が高く、非常に高価です。人工石は手頃な値段で流通していますが、完成度の高さは天然石に劣りません。

黒色は高級や重厚を感じさせる効果があり、ジュエリーとして身に付けることでさらにスタイリッシュで洗練された印象が強くなります。他の色合いに比べて華美さが少ないことから、上品さやつつましさ、神秘さも感じられる石です。また、独特の味わいを醸し出す石が多いこともあり、他者に影響されない孤高さもイメージさせます。

黒色の宝石には力強さを感じさせる石言葉が多く、古くから魔除けや厄除けなどにも用いられてきました。現在は、冠婚葬祭に合わせる石としても重宝されています。

色が黒い石にはさまざまな種類がありますが、黒い宝石として代表的な石は以下の9種類です。

ここからは、それぞれの宝石の特徴や石言葉などを紹介します。

ブラックダイヤモンドは、ファンシーカラーダイヤモンドの一種です。通常のダイヤモンドと同じく炭素から構成され、鉄鉱石やグラファイトが内包されることによって黒く輝いて見えます。天然のブラックダイヤモンドは希少価値が非常に高く、高価です。一方で、人工的に処理を施された廉価のブラックダイヤモンドも販売されています。一般的なダイヤモンドと同じように硬度が高いことも特徴です。

ブラックダイヤモンドは、強力なパワーストーンとしても人気があります。自分の魅力や能力を開花させ、愛情面・仕事面ともに成功に導くパワーがあると言われている石です。

オニキスは世界中で採掘されている、比較的身近な瑪瑙石の一種です。本来は黒い瑪瑙石に白色の縞模様が入った宝石を指しますが、近年は縞模様の入っていない、単一色の黒瑪瑙石（ブラックカルセドニー）をオニキスとして呼称することが増えています。なお、市販品のオニキスは人工的に着色されている石がほとんどです。

オニキスは、古くから東西各地で魔除けのお守りとして利用されてきました。一方で、不幸を運ぶ石とする迷信も残っています。日本では葬儀用の数珠などにも多用される石です。

セレンディバイトは、非常に希少価値の高いレアストーンです。産出量の少なさから石の情報・流出量が限られており、日常生活で目にすることはありません。セレンディバイトの名は、アラビア語でセイロン（スリランカ）を意味するサランディーブが由来です。

一見では黒色に見えるものの、濃い青色や緑色をした透明度の高いセレンディバイトもあります。透明度の低い黒色のセレンディバイトのほとんどはミャンマー産です。

ヘマタイトは、鉄や顔料の素材としても使われる、酸化鉱物の一種です。石の形状によっては「雲母鉄鉱」「鏡鉄鉱」とも呼ばれます。鉄の含有量が高く、切断・粉砕すると赤い粉塵が生じ、水に溶けるとまるで血のように見えることから、ギリシャ語の「haimatitis（赤い血）」が語源となりました。

ヘマタイトは、パワーストーンや男性向けのアクセサリーとして、比較的手頃な値段で利用されています。

オブシディアンは、世界各地の火山地帯で産出される天然ガラスの一種です。溶岩が急激に冷却されることで結晶化し、ガラスが形成されます。溶岩に含まれる成分によって、さまざまな色に反射する「シラー」が見られることが、オブシディアンの特徴です。中でも、黄金色に輝く「ゴールデンオブシディアン」は高品質とされます。

オブシディアンの硬度はそれほど高くありません。人力でも簡単に加工できるため、古くから斧や刃物などに多用されてきました。魔除けや厄除け目的のパワーストーンとしても人気です。

スピネルは、赤・青・緑など、さまざまな色合いを持つ酸化鉱物の一種です。宝石としての質が高いこともあり、赤色のスピネルは長年ルビーと混同されていました。黒色に輝くスピネルは「ブラックスピネル」と呼ばれ、ブラックダイヤモンドにも引けを取らない石として人気です。

芸能界にも愛用者が多いことで認知度が上がり、値段も手頃なことから需要の高まりを見せています。お守りや自己実現のパワーストーンとしても人気の高い石です。

ブラックオパールは、単一で遊色効果を持つ天然の酸化鉱物です。不透明な濃灰色や黒色の地色の中から、虹色の色彩が混ざり合って輝きます。見る角度によって万華鏡のように光彩の変化を楽しめることが特徴であり、同じパターンの色彩を持つ石は一つとしてありません。

地色が暗く遊色が多彩で鮮明な石が良いとされ、特に赤色が多い石は珍重されます。個性的な見た目から、自分らしい魅力や自信を保つパワーストーンとして人気です。

シャーマナイトは、アメリカの一部地区でしか産出されない天然石です。ネイティブアメリカンが装飾品やお守りとして利用していたことから、祈祷師・呪術師の意味を持つ「シャーマン」が語源となりました。正式な鉱物名は「ブラックカルサイト」です。

シャーマナイトは、宝石よりもパワーストーンとして人気があります。本物のシャーマナイトは灰色や青色の斑点が入っており、肉眼でも確認できることが特徴です。

黒翡翠は日本でも産出される、勾玉などに多用された翡翠石の一種です。翡翠は一般的に緑色のイメージがありますが、黒色や赤色などさまざまな色合いが存在します。黒翡翠は古くから魔除けや厄除けの力があるとされ、聖なる石として世界各地で重宝されてきました。

黒翡翠は主にミャンマーで産出されます。宝石だけでなく、徳を高めるパワーストーンとしても需要があるため、年々価値が高まっている傾向です。

黒い宝石と一口に言っても、石の種類や価値はさまざまです。宝石の種類によっては流通量が少なく希少価値が非常に高いため、目にする機会がない黒い宝石もあります。一方で、手頃な価格で入手できる石や完成度の高い人工石も出回っています。

加工され磨き上げられた黒い宝石は、目視だけではどの種類かを判別できないことも少なくありません。不安に思う場合は、一度専門家に鑑定してもらうことをおすすめします。
ファッション用として、あるいは願いを込めるパワーストーンの一つとして、黒い宝石を身に付けてみてはいかがでしょうか。