最終更新日:2021年09月28日
プラチナは輝きの美しさと高価さから、日本ではアクセサリーとしての需要が高い金属です。しかし、普段貴金属にあまり馴染みがない場合、プラチナであろうと類似品であろうと「白銀色に輝いている金属」以上の認識を持てないことも珍しくありません。
そこで今回は、プラチナと見分けがつきにくい類似品・偽物の種類と、本物のプラチナとの違い・見分け方を解説します。手元にあるプラチナのような金属が本当のプラチナかどうかを確かめたい人は、ぜひ参考にしてください。
プラチナは、落ち着きのある白い輝きが特徴の貴金属です。科学的に安定し劣化せず金属アレルギーを起こしにくい特性から、結婚指輪や婚約指輪、ハイジュエリー製品の素材として人気があります。
プラチナは、限られた場所でしか産出されず、世界のプラチナ供給量のおよそ90%を南アフリカ・ロシア・ジンバブエ・北米に依存しています。年間の採掘量が金のおよそ20分の1と非常に少ない上に、原鉱石1トンあたり3g程度しか抽出することができません。加工が難しく精錬時間も多く必要なことも相まって、プラチナはレアメタルの中でも特に希少性が高く高価な金属です。
そのため、市場にプラチナとして出回っている商品の中には、購入者を騙すための偽物も存在します。また、プラチナには見分けがつきにくい似た印象・色味の金属も存在するため注意が必要です。
まずは、純粋なプラチナ製品と見分けがつきにくい類似品・偽物の種類を、大きく3つに分けて解説します。
下記の4種類はプラチナと似た輝き・色味のため、素人には見分けがつきにくい金属として代表的です。基本的に、貴金属の価値としてはプラチナに劣ります。ただし、ホワイトゴールドは金の含有量や金相場によって、プラチナの価格を上回るケースがあります。
価値 | 名称・特徴 |
---|---|
高い | ホワイトゴールド |
↑ | プラチナの和名が「白金」であるため特に混同されやすいものの、ホワイトゴールドは金に銀やパラジウムを配合したカラーゴールドの一種です。プラチナと比べて軽く、黄色味が強い・灰色がかって見えるなどの特徴があります。 |
↑ | タングステン |
↑ | 見た目がプラチナとよく似ており硬度も大差ないことから、専門家でも鑑定が難しい合金です。真贋を見極める際には比重を参考にします。 |
↓ | シルバー |
↓ | プラチナよりも明るみの強い白色に輝きます。プラチナに比べて硬度が低く、変色しやすいことが特徴です。 |
↓ | ステンレス |
低い | プラチナとよく似た色で輝き、硬度が高く錆びにくいことが特徴となります。人工物であり、貴金属としての価値はありません。 |
金属製品の中には、メッキが施された加工品も多く存在します。こちらはプラチナの偽物というよりも、「プラチナの風合いを楽しむメッキ品」として販売されているケースがほとんどです。見た目はプラチナと遜色がないものの、プラチナ製品としては認められません。
【メッキ加工とは】
土台に安価な金属を用いて、表面を薄く伸ばした金属で覆います。見た目の高級感を大きく損なわず、安価な製品を作成する際に重宝される技術です。メッキよりも厚みを持たせると、「張り」に分類されます。
下記の刻印が表記されていた場合は、プラチナメッキが施された加工品です。
【プラチナメッキ製品の刻印表記】
刻印 | 意味 | |
---|---|---|
PP | Platinum Plated | プラチナメッキ |
PTP | Platinum Plated | プラチナメッキ |
PTF | Platinum Filled | プラチナ張り |
世の中には、プラチナとよく似た金属やメッキ加工品に、本物のような刻印を施した偽物も出回っています。こちらは初めから詐欺行為を前提として作られており、見た目や重さなども本物のプラチナと見分けがつかないレベルに仕上げられているため、注意が必要です。
とはいえ、一般的な流通経路で出回ることは少ないため、信頼性の高いジュエリーショップや貴金属専門の中古業者でこのような偽物が売られているケースはまずありません。相場よりも明らかに安い値段がつけられている場合や、ネットオークション・リサイクルショップ・海外の店舗などでは警戒が必要です。
プラチナの類似品や偽物は非常にできのよいものも多く、素人目での判断が難しい製品も少なくありません。しかし、専門的な知識や経験がなくても正しい方法を知っていれば、自宅で最低限の判断を下すことが可能です。
ここでは、一見見分けのつきにくい、プラチナの類似品や偽物を見分ける方法を紹介します。
プラチナの真贋を見極める基準の一つが、刻印です。
品質が証明されたプラチナ製品には、純度に応じてプラチナ含有率を1000分率で表した証明記号が刻印されています。特に、金種刻印・数字とともに日本国旗が刻まれた刻印は、日本国内の造幣局が品質を証明した製品となるため本物と考えて間違いありません。
アクセサリーの場合は製品の裏側・内側・留め金付近など、目立ちにくい部分に刻まれている傾向です。肉眼で見づらい場合は、ルーペなどを利用しましょう。
プラチナに施される刻印と含有率は下記のとおりです。
刻印 | 含有率 |
---|---|
Pt999(2012年以前はPt1000) | 99.9~100% |
Pt950 | 95% |
Pt900 | 90% |
Pt850 | 85% |
プラチナの純度は基準がpt850以上と決まっており、含有率が85%を下回った場合は正式なプラチナ製品と認定されません。なお、製造日が古いプラチナの中には「Pm」と表記されているケースもあります。こちらは本物である可能性が高いものの、品質にはばらつきがあるため注意が必要です。
プラチナの構成成分は磁石に反応しません。そのため、金属に磁石を近づけてみて反応があれば、確実にプラチナ製品ではないといえるでしょう。
ただし、プラチナ以外にも磁石に反応しない金属はいくつもあります。磁石反応がない金属にプラチナメッキが施されていた場合は、この方法で判別することはできません。あくまでも一つの判断基準と考えて、他の判別方法と組み合わせて確認することをおすすめします。
プラチナは同じ大きさの金属よりも比重が大きいため、比重をチェックすることで真贋を見極めることが可能です。物質の比重は、下記の計算式で算出することができます。
【比重の計算式】
物質の比重=空気中の重量÷(空気中の重量-水中の重量)
家庭でも量りやコップなどを使用して調べることが可能です。ただし、手間がかかる上正確な数値が出せないため、あまり現実的ではありません。
もっとも簡単に比重をチェックする方法は、比重計を利用することです。比重計は貴金属買取店には常備されているため、比重でプラチナか否かを確かめたい時は査定を依頼するとよいでしょう。
プラチナが本物かどうか気になった時には、買取業者の査定に出してみてはいかがでしょうか。貴金属専門の知識や買取経験が豊富な専門業者であれば、高確率でプラチナ製品と類似製品を見分けることができます。
ただし、プラチナの偽物の中には、プロであっても見分けがつかない色味や強度の製品が存在することも事実です。そのため、買取業者によってはプラチナの証明記号が刻印されていない製品は、査定の対象にならないケースがあります。また、プラチナが使用されていても、含有率の低い製品は買取対象品から外れる場合も珍しくありません。
「買取本舗七福神」であれば、刻印のないピアスなどのアクセサリーや、純度の低いプラチナの査定も可能です。シルバー製だと思っていた製品がプラチナ製と判明し、買取価格が跳ね上がった事例もあります。査定・鑑定料、買取手数料は全て無料となっているため、壊れてしまったり他店で値段がつかなかったりした製品も、ぜひお気軽にお持ち込みください。
プラチナは、白く輝く美しさと劣化しないことで人気の金属です。ただし、採掘量が少なく加工にも時間がかかるため高価でもあり、できのよい偽物が出回ることもあります。また、見た目の差が少ない類似品もあることから、素人にはプラチナかどうか判断つかない場合も珍しくありません。
刻印の確認や磁石の使用で自分自身でもある程度判別はつくものの、実際にどの程度の価値がある製品かわからないことも多い金属です。「手持ちのプラチナが本物か否か確かめたい」「正確な買取金額が知りたい」という人は、ぜひ「買取本舗七福神」へ査定をご依頼ください。