最終更新日:2021年11月29日
プラチナはさまざまな理由により変色することがあります。大切に保管していたプラチナジュエリーを久々に取り出すと、変色していることにショックを受けたという人もいるでしょう。また、日常使いしているプラチナの結婚指輪などが、変色してしまうことも少なくありません。
当記事では、プラチナが変色する理由・変色したプラチナをきれいな状態に戻す対処方法・プラチナの変色を防ぐ手入れ方法を紹介します。プラチナジュエリーを美しく保つために、ぜひ役立ててください。
プラチナは、ほかの金属と比べて化学的に安定した素材、つまりほかの物質と反応しにくく、錆や変色に強い貴金属です。そのため、結婚指輪や婚約指輪などのジュエリーによく使われています。
しかし、主に以下の2つ理由によって変色することがあるため、保管や使用の際には注意してください。
プラチナ自体は変色しにくい素材であるものの、日常生活で使ううちに皮脂・汗・化粧品・洗剤などが付着して、くすんでしまうことがあります。
またプラチナは、金属の中でも比較的柔らかい分類に属し、傷がつきやすく形が変形しやすい貴金属です。日常使いでも細かい傷がつきやすいため、丁寧に取り扱うようにしましょう。
プラチナジュエリーの変色は、「割金(わりがね)」の変色が原因であるケースも少なくありません。
割金とは、プラチナなど柔らかい金属に対して、ジュエリーとしての硬さを維持するために加えられる金属のことです。割金には硬度を強化するほか、色味を調整する役割もあります。
しかし、割金の中には、皮脂・汗・空気中に含まれる物質と化学反応を起こし、錆びたり黒ずんだりする素材が存在します。以下は、変色しやすい割金と、変色しにくい割金をまとめた表です。
変色しやすい割金 | 銅、銀、コバルト |
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変色しにくい割金 | パラジウム、ニッケル、ルテニウム、イリジウム |
特に銅と銀は、塩素系漂白剤に触れると塩化するほか、入浴剤やシャンプーなどに含まれる硫化ナトリウムに触れることで、硫化し黒ずむという特徴があります。比較的安く手に入る銅や、加工しやすい銀・コバルトは割金としてよく使用されているため、注意しておきましょう。
なお、割金の含有量が高く純度の低いプラチナは、変色しやすいと言えます。変色をできるだけ避けたい場合は、純度の高いプラチナを購入することがおすすめです。
変色したプラチナジュエリーを自分できれいにできないか悩む人は多いのではないでしょうか。対処法によっては、変色したプラチナジュエリーを元の美しい状態に戻すことが可能です。
以下では、プラチナが変色したときに試したい5つの対処法について、手順など含めて詳しく解説します。
プラチナが、皮脂汚れなどの原因で変色している場合には、中性洗剤を使用して落とすことができます。下記は、中性洗剤を使ったプラチナのお手入れ手順です。
STEP1:洗浄液を作る | コップに50~60度のぬるま湯を入れ、中性洗剤を数滴加えてよく混ぜます。 |
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STEP2:洗浄液に浸す | STEP1で作成した洗浄液のコップに、アクセサリーを浸し、汚れが浮くまで待ちます。 |
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STEP3:汚れを落とす | 汚れが浮いてくると、洗浄液から取り出し、汚れを綿棒や歯ブラシなどで優しく落とします。 |
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STEP4:水洗いをする | 汚れを落とした後は、水洗いし、柔らかい布などで水分を優しくふき取ります。 |
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以上の方法で、皮脂汚れ・汗・石鹸かすなどによる汚れを落とすことが可能です。
炭酸水や重曹を使用することで変色を解消できる可能性があります。
炭酸水の泡の刺激で汚れを浮かせて落とす方法の特徴は、プロがクリーニングに使う超音波洗浄機のような効果が得られることです。業務用の超音波洗浄機ほどの威力はないものの、中性洗剤よりも汚れがよく落ちると言われています。
また重曹は、温泉・入浴剤・洗剤などによる硫化を元に戻す際に使用できるほか、研磨剤としても使用可能です。
STEP1:洗浄液を作る | コップに50度~60度のぬるま湯を入れ、強炭酸水か重曹を加えます。炭酸水を使用する際は、シュワシュワと泡が立つことが大切です。重曹を使用する際は、先にアクセサリーをコップに入れ、重曹を振りかけてから、ぬるま湯を注ぐようにしましょう。 |
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STEP2:洗浄液に浸す | STEP1で作成した洗浄液のコップに、アクセサリーを浸し、汚れが浮くまで待ちます。 |
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STEP3:汚れを落とす | 汚れが浮いてくると、洗浄液から取り出し、汚れを綿棒などで優しく落とします。磨く際にさらに重曹を研磨剤として使用するとよいでしょう。 |
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STEP4:水洗いをする | 汚れを落とした後は、水洗いをし、柔らかい布などで水分を優しくふき取ります。 |
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炭酸水を使う方法は、部分的にダイヤモンドやルビーが使われている場合にも使えます。ただし、エメラルド・オパール・サンゴ・真珠などデリケートな宝石が使われている場合は、変質する恐れがあるため、避けましょう。
ジュエリークロスで磨くことで、プラチナの変色を元に戻せる可能性があります。プラチナ専用の研磨剤を使ったクロスを選ぶとよいでしょう。専用クロスを使うと、表面の汚れや細かい傷を取ることができ、ツヤも出せます。
ジュエリークロスは専門店で買えるものもありますが、100円ショップなどで販売している金属磨き用のクロスも、超微粒子の研磨剤や、ワックス・界面活性剤が含まれており高機能です。説明書きを読み、プラチナに使用できることを確認した上で購入しましょう。
プラチナジュエリー変色は、ジュエリークリーナーによって落とせる場合もあります。
使用方法は、プラチナをジュエリークリーナー液に浸した後、水やぬるま湯でよく洗い、柔らかい布でふき取るといったものです。黒ずみを簡単に落とすことができ、プラチナジュエリーの輝きを取り戻せます。
ただし、大半のクリーナーは酸性液のため、酸に弱いエメラルド・オパール・サンゴ・真珠などの宝石には使用できません。なおクリーナーの中には、デリケートな宝石をあしらったジュエリーにも利用できる専用の商品もあるため、ジュエリーによってクリーナーを使い分けるようにしましょう。
塩化による黒ずみや深い傷がある場合、家庭でのメンテナンスが難しいため、ジュエリークリーニングに依頼することがおすすめです。
例えば、プラチナの指輪については、表面を磨く新品磨きの基本料金は2,000~3,500円が相場です。エメラルドなどの宝石をまとめて磨く場合は、2000円程度の追加料金がかかります。価格は石の種類・大きさ・留め方などに応じて変わります。
ジュエリークリーニングでは、繊細な宝石の汚れを取り除けるほか、細かい装飾の隙間なども磨けるため、自宅でケアをするよりも美しく仕上げることが可能です。
プラチナの変色を防ぎ、美しく保つためには、日常的なケアや保管方法に気を配ることが大切です。プラチナの変色を防ぎ、長く美しく保管するための方法は下記のとおりです。
プラチナは、肌に触れると汗や皮脂などで汚れるため、ジュエリーを外した後は、柔らかい布などで、汗や皮脂汚れをふき取るようにしてください。特に夏場は、こまめに汚れを落とすことをおすすめします。
また、プラチナジュエリーを身につける際は、使用環境にも注意しましょう。純度の高いプラチナは傷がつきやすいため、就寝時・入浴時・運動時のほか、料理・洗濯といった家事の際にもジュエリーを外すことがおすすめです。温泉などに入る際も、プラチナが化学反応を起こして黒ずむ可能性があるため、外しておくことが望ましいと言えます。
保管については、プラチナは柔らかい金属であるため、硬い宝石やほかの金属と触れないよう注意してください。宝石袋や宝石箱の仕切りを活用するとよいでしょう。
プラチナは、汗・皮脂・化粧品で汚れるほか、含まれる割金の酸化・塩化によって黒ずむことがあります。プラチナが変色した場合は、中性洗剤などの身近なアイテムや、ジュエリークロスなど専用のクリーナーを使って、輝きを取り戻せることがあります。
変色したプラチナ製品を手放すことを検討している場合は、「買取本舗七福神」がおすすめです。古いプラチナや状態のよくないプラチナについても無料で査定をしているため、ぜひお気軽にご相談ください。