最終更新日:2021年10月22日
「永遠の絆・純潔」などを石言葉に持つダイヤモンドは、婚約指輪に使う宝石として人気です。しかし、ダイヤモンドは希少さ故に、非常に高価な宝石でもあります。
実際に購入する際は、大きな支出となるため失敗したくないでしょう。特に、婚約指輪など大切な相手に送るダイヤモンドにはこだわりたいという人が多いのではないでしょうか。
この記事では、ダイヤモンドの選び方について、基準となる4C・相場・人気ブランドなどの観点で解説します。
ダイヤモンドを選ぶ際にまず押さえておきたい点として「4C」があります。4CはGIA(米国宝石学会)が定めたダイヤモンドの評価基準です。「Carat(カラット)」「Color(カラー)」「Clarity(透明度)」「Cut(カット)」の頭文字である4つの「C」から4Cと呼ばれており、ダイヤモンドの鑑定書に記載されている項目でもあります。
以下ではダイヤモンドの4Cなどの用語を、選ぶ際の注目ポイントを交えながら解説します。
宝石に詳しくない人でも「カラット」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。カラットは、宝石の重さを表す単位あり「ct」と表記されます。1ctは0.2gに等しく、ダイヤモンド1粒あたりのカラット数が大きくなればなるほど、大きさや表面積が増し、美しい輝きを放ちます。
ダイヤモンドを選ぶ際の注意点として「カラット総重量」表記があります。たとえば、使用されている複数のダイヤモンドの総重量としてカラット数が表示されている場合、ダイヤモンド一粒のサイズが想像よりも小さい可能性があるでしょう。
特に、細かい粒のダイヤモンド(メレダイヤ)があしらわれたジュエリーやエタニティリングの場合は注意が必要です。
また、婚約指輪に使うダイヤモンドを選ぶ際に、誕生日や記念日からカラット数を決める方法もあります。たとえば2月13日が誕生日の場合、0.213ctのダイヤを使用すれば、リングの内側にカラット数が刻印されるため、特別な婚約指輪として喜ばれるでしょう。
ダイヤモンドは無色透明の印象が強い宝石であるものの、グレードによって色味が異なり、評価の低いダイヤモンドは黄色味・茶色味を帯びています。
ダイヤモンドのカラー評価はD~Zの23段階に分かれており、婚約指輪などに使われるダイヤモンドはD~Gです。色に敏感な人のみGの色がやや黄味がかっていると気づく程度であり、D・E・Fの違いは素人にほぼ判別できず、いずれも無色透明と言ってよいでしょう。
ダイヤモンドのカラット数やジュエリーの地金などにこだわりたい方は、カラーグレードを少し下げることで、全体の価格を抑えることができます。
ダイヤモンドに含まれる内容物(インクルージョン)や内部のキズの有無は11段階の評価基準により分類されます。評価基準は下記の通りで、左ほど高い品質です。
FL IF VVS1 VVS2 VS1 VS2 SI1 SI2 I1 I2 I3
内包物やキズが全く見当たらない最高クラスのダイヤモンドは「FL」とされ、「SI」以上であれば、肉眼ではほとんど内包物やキズを見つけられないでしょう。
天然のダイヤモンドであるからこそ、内容物やキズが含まれます。そのため、肉眼で判別できない場合は、気にしない人が多い傾向です。ただし、結婚に「キズ」はNGであることから、婚約指輪を選ぶ際はクラリティにこだわりたいと考える人もいます。その場合は「VVS」以上のクラスを選ぶとよいでしょう。
カットはダイヤモンドの輝きを決定づける要素です。いくら大粒で色や透明度も素晴らしいダイヤモンドであっても、カットの質が低いと、キラキラとしたダイヤモンド特有の輝きがあまり感じられないでしょう。
多くのダイヤモンドのカットは、58の面を持つ「ラウンド・ブリリアント・カット」と呼ばれ、5段階のカットグレードが設けられています。「Excellent(エクセレント)」「Very Good(ベリーグッド)」「Good(グッド)」「Fair(フェア)」「Poor(プア)」の5段階のうち「Excellent」が最も高いグレードであり、1段階変わるだけでも輝きは大きく異なります。
「Excellent」のなかでもグレードが分かれており、婚約指輪には「Triple Excellent(3EX・トリプルエクセレント)」と呼ばれる高いグレードのダイヤモンドが人気です。3EXでは「プロポーション(ダイヤモンドの形状)」「ポリッシュ(表面の研磨)」「シンメトリー(対称性)」が評価されます。
3EXのダイヤモンドは、光が反射すると白くまばゆい光を放つほか、内部に入り込んだ光は何度も反射し分解されるため、虹色の不思議な色彩を生み出します。
ダイヤモンドには、様々な評価基準が設けられており、できるだけ高い品質のダイヤモンドを購入したい・贈りたいと考える人は多いでしょう。しかし、資産としてダイヤモンドを持つわけではなく、ジュエリーとして加工する場合や既製のジュエリーを購入する場合は、ダイヤモンドの品質以外にも注目することが重要です。
たとえば、「ダイヤモンドを目立たせるために立体的なデザインにしたものの、日常生活や家事の邪魔になるため使わなくなった」「可愛いデザインにしたところ、加齢に伴い身につけづらくなった」などの問題が起きることもあります。
ダイヤモンドジュエリーを購入する際は、全体のデザインや使用場面なども考慮し、身につけやすいデザインを選ぶことがおすすめです。
ここでは、日本における婚約指輪の相場や婚約指輪に選ばれているダイヤモンドのカラット数を紹介します。ダイヤモンドジュエリーを選ぶ際の目安として参考にしてください。
婚約指輪の相場 約35.7万円
婚約指輪の相場は、2020年の日本における平均月給の約25.6万円・男性平均月給の約28.2万円の、約1.4倍・約1.3倍である約35.7万円です。
出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
婚約指輪のダイヤのカラット数 購入者の50%以上が0.2~0.4ct未満
また、婚約指輪購入者の多くが0.2~0.4ctのダイヤモンドを選んでおり、なかでも0.2~0.3ct未満のダイヤモンドを選ぶ人が最も多いという結果です。身につけやすさなどを考慮すると1.0ct未満のダイヤモンドが選ばれる傾向ですが、1.0ct以上を選ぶ人も存在します。
婚約指輪選びで重視したポイント 1位:デザイン
2位:ついている石の品質
3位:価格
なお、婚約指輪を選ぶ際は、全体的なデザインを重視する人が多い傾向にあります。デザインはリングのセンターに1粒のダイヤモンドをあしらった「ソリティア」というスタイルが定番です。
その他にも、0.1ct以下のメレダイヤを使った「メレ」やメレダイヤを散りばめた「パヴェ」、メレダイヤをリング外周に一列に配置した「エタニティ」などのスタイルもあります。
以上のような相場・傾向ではあるものの、自身の収入や相手の好みなどをふまえたダイヤモンドを選び、プレゼントするとよいでしょう。
世界にはダイヤモンドを扱うジュエリーブランドは数多くあるため、実際に婚約指輪などを購入するにあたって、どこで買うとよいか迷う人も多いのではないでしょうか。ここでは、ダイヤモンドにこだわりを持つジュエリーブランドを3つ紹介します。
ティファニー(Tiffany & Co.) |
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「ティファニー」は、1837年に「キング・オブ・ダイヤモンド」と呼ばれるチャールズ・ルイス・ティファニーによって創業されたニューヨークのジュエリーブランドです。洗練されたデザインのジュエリーや質の高いダイヤモンドのほか、独特の色味「ティファニーブルー」のボックスは、世界中で愛されています。 |
カルティエ(Cartier) |
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「カルティエ」は、1874年にパリで創業されたジュエリー・時計・レザーブランドです。王室御用達のブランドとしても知られており、高い品質の素材と流行り廃りのないデザインであるため、カルティエの婚約指輪・結婚指輪を選ぶ人は多く存在します。 |
4℃(ヨンドシー) |
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「4℃」は、1972年に日本で創業されたジュエリーブランドです。リーズナブルなシルバージュエリーを多く取り扱うことが特徴であるものの、良質なダイヤモンドが使われていることも有名です。ブライダル向け商品も充実しており、国産ブランドの婚約指輪・結婚指輪として多くの人に選ばれています。 |
ダイヤモンドジュエリーの価値は、ダイヤモンドや地金・チェーンの質だけでなく、有名ブランドの商品であるかどうかにも左右されます。たとえば将来、年齢や体型にジュエリーが合わなくなった際に、同じ品質でも有名ブランドのほうが無名ブランドよりも高額で売却できる可能性があるでしょう。
ダイヤモンドを選ぶ際は、国際的な基準である4C(カラット・カラー・透明度・カット)を把握した上で、婚約指輪やネックレスなどのジュエリーとして加工することを考慮しましょう。なお、婚約指輪のダイヤモンドを選ぶ際は世間の相場を意識しつつ、自身の収入や相手の好みと照らし合わせることが大切です。
また、ダイヤモンドジュエリーはブランドによって価値やテイストが異なることも多いため、購入するショップなどについても事前に調査しておくとよいでしょう。