最終更新日:2021年10月22日
高い耐久性を持ち、ほかの宝石には見られない美しい輝きを持つダイヤモンドは、宝飾品として大変人気が高く、非常に高価です。しかし、なぜダイヤモンドが高価であるかという理由はあまり知られていません。また、投資や資産運用に関心を持つ方は、資産としてのダイヤモンドの価値について知りたいのではないでしょうか。
この記事では、ダイヤモンドが高い理由・価値基準・換金性のほか、ダイヤモンド市場のこれからについて解説します。ダイヤモンドの購入や売却を検討している人はぜひ参考にしてください。
ダイヤモンドの価値は品質によって左右されるものの、最高品質のダイヤモンドや希少なダイヤモンドであれば1カラット(0.2グラム)で100万円を上回ることもあります。ここでは、ダイヤモンドが高額となる理由を紹介します。
◯ダイヤモンドが高い理由
ダイヤモンドが採掘できる場所は地球上でも限られており、寒冷なロシアやカナダ、アフリカ大陸の一部の国々にある鉱山が中心です。かつては地表付近の露天掘りも盛んに行われていましたが、近年は地中深くに坑道を掘り採掘が行われています。
採掘地までの移動や採掘自体にコストがかかるだけでなく、採掘した膨大な岩石の中から宝石となりうるダイヤモンドを見つけ出す作業にも膨大なコストがかかります。なお、ダイヤモンドの採掘量は決して少ないわけではないものの、宝石に加工できる品質・大きさのダイヤモンドは全体の1割程度です。
また、ダイヤモンドの原石を宝飾用として加工するコストも無視できません。ダイヤモンドは非常に硬く、加工のためには研磨用のダイヤモンドを使った高い技術が求められます。ダイヤモンドの価値は、カットや研磨の仕上がりにも左右されるため、加工によって価格が釣り上がるケースもあるでしょう。
なお、ダイヤモンド市場は「デビアス社」というイギリスの企業(発祥は南アフリカ共和国)が大きな影響を持っています。デビアス社は、ダイヤモンドの産出量が増えた19~20世紀に業界を掌握し、ダイヤモンドの価値を長期的に維持するための施策を打ちました。
宝石として市場に出回るダイヤモンドは、品質によって価値が異なります。代表的な価値基準はGIA(アメリカ宝石学協会)が定めた4Cです。4Cは「カラット(Carat)」「カラー(Color)」「クラリティ(Clarity)」「カット(Cut)」の頭文字である4つのCを表します。
なお4Cに関しては、以下の記事で詳しく解説しているため、併せて参考にしてください。
ダイヤモンド 選び方カラット・カラー・クラリティ・カット以外にも、蛍光性やハートアンドキューピッド(対称性の指標)などの、ダイヤモンドの価値を左右する項目が存在します。また、ブルーダイヤモンドやピンクダイヤモンドなど珍しい色彩を持つダイヤモンドは、希少価値の高い「ファンシーカラーダイヤモンド」として扱われるケースもあります。
宝石としてのダイヤモンドは、細かな評価基準が設けられており、高いグレードのダイヤモンドは非常に高額となります。そのため、資産としてダイヤモンドを所有することや、投資商材として向いているかどうかに興味を持つ人もいるでしょう。
資産としてのダイヤモンドのメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット |
|
---|---|
デメリット |
|
メリットとしては、全世界共通の価値があり現金に変えやすいことや、貨幣や有価証券のように国際情勢や景気の影響を受けにくいことが挙げられます。また、耐久性が高いためメンテナンスが不要である点も魅力です。
デメリットとして、宝飾品として購入する場合は、購入時から価値が下がる可能性が高い点などが挙げられます。ダイヤモンドは婚約指輪や記念日のプレゼントとして使われることが多いため、中古品は好まれない傾向です。また、価格が大きく変動する可能性が低く、買い時・売り時がないため投機的な投資には向いていません。
なお、ダイヤモンドを高く売りたい人や、今後売却する可能性も考慮して価値の高いダイヤモンドを買いたい人は、次の点に注目しましょう。
◯ダイヤモンドを高く売るポイント
ダイヤモンドを扱うブランドの中でも、世界的に有名な高級ブランドの商品かどうかをチェックしましょう。また、鑑定書が付属している場合は添付してください。
なおジュエリーの場合、プラチナなどダイヤモンド以外の装飾部分に高値が付くこともあります。宝石買取に強みを持つ買取専門店に買取査定を依頼し、査定額の相場を知ることも一つの手です。
ダイヤモンドは何世紀にもわたって高い価値を維持しているものの、ダイヤモンド市場は近年少しずつ変化し始めています。これからダイヤモンドを購入・売却したいと考える人は、市場の変化を把握した上で、判断することが大切です。
以下では、ダイヤモンド市場を取り巻くトピックを3つ紹介します。
天然ダイヤモンドは地下深くの高温高圧下で長い年月をかけて生成した炭素の結晶です。しかし、近年は人工ダイヤモンドの研究が進み、数週間でダイヤモンドを生成できるようになりました。
人工ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと遜色ないレベルの品質に到達しつつあり、宝石用・工業用共に需要が高まっています。さらに、採掘のコストが必要ないことなどから、価格も天然ダイヤモンドよりリーズナブルであることも注目されている理由の一つです。
また、天然ダイヤモンドには2つの課題があり、近年問題視されています。一つは、採掘にともなう環境破壊です。もう一つは、紛争問題です。ダイヤモンドなどを産出する地域は、地下資源を巡って紛争が起きやすい地域であることが少なくありません。
紛争地帯では、武器などを購入するための資金として、非合法的な手段でダイヤモンドを採掘し換金・取引をすることが問題となっています。そのため、環境問題や紛争問題への関与がない人工ダイヤモンドは、今後さらに人気が高まるでしょう。
なお、人工ダイヤモンドの生産量が増え市場に参入が進むにつれ、ダイヤモンド全体の価値が下がる可能性も示唆されています。
ダイヤモンド採掘や加工の歴史は古く、15世紀にダイヤモンドでダイヤモンドを研磨するという技術が確立したのち、長い年月の中で加工技術も大きく発展しました。
ダイヤモンドは、今日でも加工に手間がかかることから価値が高いと言われているものの、「かつてほどのコストはかからないのではないか」という見方もされています。また、切削加工に使用する工業用ダイヤモンドも、低コストな人工ダイヤモンドに置き換え可能です。
今後、技術革新がきっかけでダイヤモンドの価値が下がる可能性は否めないでしょう。
ダイヤモンドは結晶を透過した白色光が分散し虹色に輝く「ファイヤ」という現象が見られる宝石です。ダイヤモンドの美しいファイヤは高く評価されており、ダイヤモンドの魅力の一つと言えます。
しかし、自然界にはダイヤモンド以外にも美しいファイヤが見られる宝石があり、その代表例がキュービックジルコニアです。キュービックジルコニアはダイヤモンドの100分の1程度の価値でありがなら、光の分散率がダイヤモンドより高く、ダイヤモンドより美しいファイヤが見られます。
なお、ダイヤモンドは根強い人気があり、今後も婚約指輪などの特別なシーンではダイヤモンドが選ばれると考えられます。しかし、ただ単純に美しい輝きを持つ宝石を求める人は、キュービックジルコニアを選ぶようになる可能性もあると言えるでしょう。
宝石用のダイヤモンドは採掘や加工のコストが高いことから、希少で高価な宝石として知られています。しかし、近年人工ダイヤモンドが作られるようになったほか、加工技術の進歩や代替品となる安価な宝石の登場により、価値の下落が懸念されている状況です。
なお、ダイヤモンドはブライダルなど特別なシーンにおいて今後も選ばれ続けると考えられます。ただし、資産としてダイヤモンドの購入を考えている人は、市場の動向を考慮して判断することをおすすめします。
また、ご自宅で使わず眠っているダイヤモンドの価値が気になる場合は、一度「買取本舗七福神」にご連絡ください。買取本舗七福神には、宝石に精通した鑑定士が在籍し、ダイヤモンドの査定・買取実績も多数ございます。