最終更新日:2021年10月22日
ダイヤモンドは、古くから貴重な宝石として世界中で重宝されてきました。現代においても、宝石としてのダイヤモンドは非常に高価であり、婚約指輪など特別なジュエリーに使われています。
この記事では、ダイヤモンドについて歴史・産出国・宝石言葉などの基本情報から、ダイヤモンドの価値基準や種類までを詳しく解説します。ダイヤモンドが貴重とされる理由や、特別なシーンで選ばれる理由などに関心を持つ人は、ぜひ参考にしてください。
ダイヤモンドは、地下深くの高温高圧下で生成された結晶であり、99.9%以上が炭素でできた、地球上で最も硬い鉱物です。
なお、ダイヤモンドの語源は「征服されざる・無敵の」を意味するギリシャ語の「adamas(アダマス)」であると言われています。
ダイヤモンドにまつわる最古の記録は、紀元前のインドの学術書に残されています。非常に硬い神秘的な宝石であることから、人々はダイヤモンドをお守りとして大切にしていたと言われています。
その後、古代ローマやギリシャでもダイヤモンドにまつわる逸話や伝説が登場しはじめました。古代ローマやギリシャでもダイヤモンドは魔法の力を秘めた宝石であると考えられ、国王は戦の際にダイヤモンドをあしらった防具を身につけたという記録が残されています。
なお、14世紀頃までのダイヤモンドは美しい宝石としてではなく、不思議な力を持つお守りや装飾品として重宝されていました。しかし、15世紀のベルギーでダイヤモンドの研磨技術が確立されたのち、美しいきらめきを持つ宝石としての価値が知れ渡ったと言われています。
ダイヤモンドの産出地は、ダイヤモンドの母岩であるキンバーライトが見られる古い地殻上の大陸に限られています。日本は比較的新しい地殻上の島国であるため、鉱床は存在せず、ダイヤモンドの採掘は望めないでしょう。ただし、大陸から流れ着いた、わずかなダイヤモンドが見つかる可能性はあると言われています。
また、2020年の天然ダイヤモンドの産出国は、ロシア・オーストラリアのほか、コンゴやボツワナなどのアフリカ大陸の国々に集中しています。
出典:USGS「Mineral Commodity Summaries 2021」
なお、産出する多くのダイヤモンドは工業用ダイヤであり、そのうち品質の高い原石のみ、宝石用として加工されます。
ダイヤモンドの石言葉は「永遠の絆・純潔・不屈」です。また、「輝くような美と金運に恵まれ、愛に満ちた家庭を築けますように」という願いを込めて大切な人に贈るケースも多いでしょう。また、「二人の愛が永遠に続くように」と、婚約指輪や結婚指輪にダイヤモンドを使うことも一般的です。
なお、「ダイヤモンド」という言葉を使った慣習に「ダイヤモンド婚式」という式があります。イギリス発祥と言われているダイヤモンド婚式は、結婚60周年を祝う式です。固い絆で結ばれた二人がこれからも幸せに過ごせるように、ダイヤモンドを贈り合うなどのお祝いをする人もいます。
宝石としてのダイヤモンドの価値は、大きさだけで決まるわけではありません。ダイヤモンドには様々な評価基準が設けられており、グレードによって価値が大きく異なります。
以下では、ダイヤモンドの価値について、国際的な基準である4Cやそれ以外に注目するポイントを紹介します。ダイヤモンドを購入する際や、手元にあるダイヤモンドの価値が気になる際は、ぜひ参考にしてください。
「4C」はGIA(米国宝石学会)が1950年代に定めたダイヤモンドの国際的な品質評価基準です。「カラット(Carat)」「カラー(Color)」「カット(Cut)」「クラリティ(Clarity)」の4つの基準の頭文字から4Cと呼ばれています。
下表では、4Cについてそれぞれ簡単に解説します。
カラット | カラットは宝石全般の重さを示す単位であり、1カラットは0.2グラムにあたります。1粒あたりのカラット数が大きいほど価値が高い傾向です。 |
---|---|
カラー | ダイヤモンドの色味を指し、D~Zのカラーグレードが設けられています。無色であるほど評価が高く、D~Gは無色、G~Jはほぼ無色であり、グレードが低いダイヤモンドは黄色・茶色みがかっています。 |
カット | ダイヤモンドの形状(プロポーション)や研磨(ポリッシュ)の仕上がりに関する評価基準です。ダイヤモンドの美しい輝きを最大限に引き出すためには、高い技術によるカットが必要です。カットの評価基準は5つに分かれており、最高位はExcellent(エクセレント)となります。 |
クラリティ | ダイヤモンドの透明度を表す基準であり、5つのグレードに分かれています。ダイヤモンドは生成の過程で内部に包含物やキズが発生することがあります。包含物(インクルージョン)やキズのないダイヤモンドや包含物やキズが少ないダイヤモンドは非常に希少であり、高額となる傾向です。 |
ダイヤモンドは、無色透明で重量があり、美しいカットが施されたものほど希少であるといえます。なお、カット方法には複数の種類がありますが、「ラウンド・ブリリアント・カット」が一般的です。ラウンド・ブリリアン・カットのダイヤモンドは、光が結晶内部で効率よく反射するため、美しい虹色の輝きを持ちます。
ダイヤモンドの価値基準は4C以外にもあります。ここでは、4C以外にチェックするポイントを2つ紹介します。
蛍光性 | 紫外線やブラックライトを当てると発光する「蛍光性」を持つダイヤモンドが一定数存在します。石が白っぽく見えるケースもあるため、敬遠される傾向ですが、カラーグレードの低いダイヤモンドの場合、黄色味が軽減されることもあります。 |
---|---|
ハートアンドキューピッド | ラウンド・ブリリアント・カットはシンメトリー(対称)であるほうが美しく、価値も上がります。ハートアンドキューピッド(H&C)はシンメトリーであるかどうか判断する基準の一つです。対称性が高い場合、専用のスコープで見た際に、表面から見ると矢が、裏面から見るとハートが8つずつ浮かび上がります。 |
また、ダイヤモンドそのものの価値だけではなく、リングの地金やネックレスのチェーンの材質・品質などを含めて価値が決まることもあるため、考慮しておきましょう。
ダイヤモンドは素人目には価値判断が難しく、グレードが高いものほど目視で確認できる項目が少ない傾向です。
手元にあるダイヤモンドの価値を知る方法には、鑑定書を確認するとよいでしょう。たとえば、GIA(米国宝石学会)が発行した鑑定書の場合、4Cは下記のように表記されます。
Carat Weight(重さ) | 0.35 carat |
---|---|
Color Grade(色) | H |
Clarity Grade(透明度) | VS1 |
Cut Grade(カット) | Excellent |
重さは0.35カラット、ほぼ無色で包含物は目視でほとんど確認できず、最も高いカット評価のダイヤモンドであることが読み取れます。なお、鑑定書が手元にない場合は、GIA(米国宝石学会)・CGL(中央宝石研究所)・AGTジェムラボラトリーなどで鑑定してもらことが可能です。
ただし、鑑定書の発行には時間や費用がかかり、ジュエリーの場合は地金からダイヤモンドを取り外す必要があります。手間を掛けず、無料でダイヤモンドの価値を知りたい場合は、宝石に詳しい鑑定士のいる買取専門店に査定を依頼する方法もおすすめです。
ダイヤモンドの買取価格計算ツールはこちら
ダイヤモンドは、評価基準によってグレードが分かれるだけでなく、色や生成過程によっても分類できます。ここでは2つの視点でダイヤモンドの種類を紹介します。
●無色透明以外のカラーダイヤモンド
ダイヤモンドは一般的に無色透明であればあるほど、価値が高まる傾向です。しかし、結晶に含まれる水素などの微量の物質の影響を受け赤や青などの美しい色味となったダイヤモンドも存在します。
天然の鮮やかな色味を持つダイヤモンドは「ファンシーカラーダイヤモンド」と呼ばれ、高い希少性があります。なお、人工的に色味を付加したダイヤモンドも存在するため、鑑定書などを確認することが大切です。
●天然ダイヤモンドと人工(合成)ダイヤモンド
人工ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドが生成する過程を参考に、炭素から人工的に生成したダイヤモンドです。
近年、人工ダイヤモンドの技術向上はめざましく、工業用としての品質が高いほか、宝飾用としても天然ダイヤモンドと見分けがつかないほどとなっています。さらに、環境破壊・紛争の誘発など天然ダイヤモンドを取り巻く状況を問題視する人々から支持を得ており、今後も市場が拡大するでしょう。
ダイヤモンドは高温高圧下で生成された炭素の結晶であり、ほかにはない硬さと輝きを持つため、紀元前から神秘的な宝石として人々から大切にされていました。現代では、ロシアやアフリカ大陸で採掘されており、宝石としてのダイヤモンドは4Cなどの価値基準により評価されています。
なおダイヤモンドの価値は、一般家庭では判断が難しく、近年は人工ダイヤモンドなども登場し、ますます見分けがつきにくい状況となっています。
お手元のダイヤモンドの価値や品質が気になる場合は、一度「買取本舗七福神」にご相談ください。買取本舗七福神には、宝石に精通した鑑定士が在籍しており、鑑定書のないダイヤモンドの高価買取実績もございます。