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高値更新に向け上昇続くか?ただし年末は乱高下する傾向があり注意が必要

最終更新日:2025年12月22日

金は国内外で先物取引がなされており、特に米国では大口投資家などの先物取引の一部内容が開示されています。金などの商品(コモディティ)は大口投資家の売買に値動きが左右される傾向があり、売買データの分析で今後の方向性が把握できる場合があります。

こちらの記事では米商品先物取引委員会(CFTC:U.S. Commodity Futures Trading Commission)のデータ及び金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有高の推移を価格とともに見ていきます。

 

1.NY金のCFTC建玉明細

米国金先物(NY金)について、CFTCが開示している建玉明細は以下の推移となっています。

前回(25.11.掲載)

日付 総取組高 大口買い 大口売り 差し引き 価格($、中心限月)
9/30 493,748 184,199 38,972 145,227 3,887.6
10/7 485,559 170,587 40,828 129,759 4,007.9
日付 総取組高 大口買い 大口売り 差し引き 価格($、中心限月)
10/14 485,788 152,187 43,877 108,310 4,198.5
10/21 472,421 135,503 43,276 91,227 4,177.4
10/28 457,122 138,605 34,446 104,159 4,007.0
11/4 450,399 1134,688 30,143 100,545 3,980.2
11/10 459,997 134,155 30,068 104,087 4,162.3
11/18 471,953 130,222 22,560 107,662 4,106.3
11/25 432,946 136,679 27,670 109,309 4,165.2
12/2 418,490 140,143 19,819 120,324 4,238.7
12/9 432,569 143,383 19,835 123,548 4,236.6

参考:Commitments of Traders | CFTC

米政府機関閉鎖の影響により、CFTCから開示されるデータ(COTレポート)も更新がなされていませんでしたが、12月は過去データが揃う状態となりました。

これまでデータの開示がなかった10月以降を概観すると、総取組高は10月半ばまで48~49万枚ありましたが、12月には約42~43万枚の水準まで減少しました。総取組高の減少にともない、大口買いと大口売りの枚数も減少しましたが、「差し引き」は10月半ばに10万枚を前後する水準まで減少したものの、12月には12万枚まで回復しています。

年末相場に向けて取引参加者の減少が進んだものの、市場参加者の買い意欲は強く、その結果「差し引き」の増加が続く状態と見ることができます。

価格も11月4日に4,000ドルを割れましたが、12月に入ると4,200ドル台に到達しており上昇傾向にあります。市場参加者は減少の一方で、参加者の強い買い意欲を背景に上昇が進んでいます。9月後半や10月前半の取組高48~49万枚に比べ減ったとはいえ、12月9日の段階で43万枚の取組高があるため、参加者の減少は若干に留まると言えるでしょう。

 

2.ETFデータから見る金推移

次に現物の金を保有する金連動型ETF・SPDRゴールド・シェアの金保有残高及び価格推移を見てみましょう。

前回(25.11.掲載)

日付 金保有高(トン) 価格(ドル)
10/29 1,036.05 365.06
11/5 1,038.62 364.19
11/12 1,046.64 378.21
11/19 1,043.71 371.40

今回

日付 金保有高(トン) 価格(ドル)
11/25 1,040.85 383.04
12/2 1,048.29 386.62
12/9 1,047.96 382.79
12/16 1,051.68 393.64

参考:SPDRRゴールド・シェア「価格の推移」

CFTCデータが未更新の間も、ETFデータの更新は続いており、12月から両者のデータが揃いました。ETFの金保有高は11月以降、着実な増加が続いています。それとともに価格も上昇しており、金保有高の増加とともに価格が上昇する、理想的な展開が継続中です。

価格は12月15日に一時400ドルに到達しており、10月に届かなかった400ドルに到達し年初来高値の更新がなされています。保有高の増加が続く中での高値更新であり、その後400ドルを割れていますが、400ドル回復の可能性は高いと考えることができます。

 

まとめ:足元の環境は良好、高値更新に向け上昇続くか注目

開示が再開されたCFTCデータとETFデータともに、投資家の買いが進む中での上昇を示しており、今後の上昇の可能性も示唆されています。少なくとも大きな反落の徴候は見られません。

年末に向けて市場参加者は更に減少し取引が薄くなるため、12月後半は価格が乱高下する傾向にあります。金はどのタイミングで高値更新をともなう上昇を見せるのか、その行方が注目されます。

金価格が高騰している現在、金の売却を検討しているなら分かりやすい価格設定とスピーディな手続き、買取手数料0円の買取本舗七福神にご相談ください。

執筆者 石井 僚一

金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社を経て個人投資家・ライターに転身。株式市場や個別銘柄の財務分析、為替市場分析を得意としており、IPO関連記事、資産運用記事などを執筆、みんかぶなど複数媒体に寄稿中。また過去多数のIPOやM&Aに関与しブックライティングやインタビューも手掛けている。 ファンダメンタルズ分析に加え、個人投資家としてテクニカル分析も得意としている。 Xアカウント @writerishii

石井 僚一イラストイメージ

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