最終更新日:2026年4月27日
金は国内外で先物取引がなされており、特に米国では大口投資家などの先物取引の一部内容が開示されています。金などの商品(コモディティ)は大口投資家の売買に値動きが左右される傾向があり、売買データの分析で今後の方向性が把握できる場合があります。
こちらの記事では米商品先物取引委員会(CFTC:U.S. Commodity Futures Trading Commission)のデータ及び金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有高の推移を価格とともに見ていきます。
米国金先物(NY金)について、CFTCが開示している建玉明細は以下の推移となっています。
前々回(26.2.25掲載)
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1/27 | 488,463 | 143,321 | 25,162 | 118,159 | 5,216.4 |
| 2/3 | 409,694 | 119,936 | 26,864 | 93,072 | 4,970.5 |
| 2/10 | 404,391 | 119,232 | 27,210 | 92,022 | 5,047.9 |
| 2/17 | 407,078 | 123,011 | 27,118 | 95,893 | 4,896.1 |
前回(26.3.23掲載)
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2/24 | 420,182 | 121,233 | 25,259 | 95,974 | 5,160.5 |
| 3/3 | 409,789 | 123,456 | 25,539 | 97,917 | 4,970.5 |
| 3/10 | 413,956 | 125,077 | 26,678 | 98,399 | 5,198.7 |
| 3/17 | 411,388 | 130,147 | 28,104 | 102,043 | 5,011.3 |
今回
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 3/24 | 403,925 | 119,562 | 27,941 | 91,621 | 4,506.5 |
| 3/31 | 361,409 | 120,092 | 27,278 | 92,814 | 4,699.6 |
| 4/7 | 354,877 | 120,726 | 30,694 | 90,032 | 4,733.3 |
| 4/14 | 362,274 | 125,422 | 30,281 | 95,141 | 4,738.5 |
| 4/21 | 365,842 | 123,681 | 30,705 | 92,976 | 4,738.5 |
参考:Commitments of Traders | CFTC
ドル建ての金価格は、1月29日と3月2日でダブルトップを形成して下落が進んだ後、3月23日が安値となり反発しています。今回の3月24日以降のデータは、23日安値を付けた後の反発期間のデータです。
総取組高を見ると、3月31日に40万枚を割れて市場参加者の減少が見られます。その後も35~36万枚の推移が継続。金価格は3月23日まで下落しており、一相場終わった、と捉えている投資家が多いようです。ただし大口買いから大口売りを引いた「差し引き」は9万枚台を維持しており、若干減少した程度です。このため依然として、全体の流れとしては買い優勢にあると言えます。
4月に入りジリ高が進む金価格ですが、このまま総取組高に変化なくジリ高が進むのか、総取組高の増加とともに本格的な上昇を再開するか注目されます。
次に現物の金を保有する金連動型ETF・SPDRゴールド・シェアの金保有残高及び価格推移を見てみましょう。
前々回(26.2.25掲載)
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 1/27 | 1,087.38 | 473.14 |
| 2/3 | 1,083.38 | 445.52 |
| 2/10 | 1,079.32 | 466.88 |
| 2/17 | 1,075.60 | 447.29 |
前回(26.3.23掲載)
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 2/24 | 1,094.18 | 473.87 |
| 3/3 | 1,099.04 | 488.71 |
| 3/10 | 1,073.56 | 475.06 |
| 3/17 | 1,069.56 | 460.27 |
| 3/19 | 1,062.13 | 442.50 |
今回
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 3/24 | 1,052.99 | 403.30 |
| 3/31 | 1,047.26 | 418.72 |
| 4/7 | 1,054.41 | 426.39 |
| 4/14 | 1,049.47 | 437.96 |
| 4/21 | 1,055.47 | 438.65 |
ETFデータでは金保有高の減少が進んでいます。金保有高は3月3日1,099トンがピークであり、4月は1,040~1,050トン台を推移中です。金価格は3月末で底打ちした状態ですが、保有高は反発を見せず、減少後は横ばいとなっています。
保有高が上昇せず大口投資家の買いサポートのない中で、3月の下落をへて4月の金は小幅な上昇が進みました。金ETFデータからは、次の本格的な値動きは大口投資家による保有高の変化待ちと言えるでしょう。
1月末に金は急落し反発しましたが、3月の下落により1月の安値を下回る結果となりました。その後ジリ高が進んだ結果、4月の金は1月安値を若干上回る水準に位置しています。4月に入り上昇したものの、金の値位置としては、1月の急落後の水準を若干回復したに過ぎません。 今回はCOTデータとETFデータともに、今後の明確な方向性は示されていません。イラン情勢悪化はありますが、金の反応は限定的な状態です。金は大口投資家不在で小幅な値動きに留まるのか、今後の金価格及び大口投資家の動向が注目されます。
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金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社を経て個人投資家・ライターに転身。株式市場や個別銘柄の財務分析、為替市場分析を得意としており、IPO関連記事、資産運用記事などを執筆、みんかぶなど複数媒体に寄稿中。また過去多数のIPOやM&Aに関与しブックライティングやインタビューも手掛けている。 ファンダメンタルズ分析に加え、個人投資家としてテクニカル分析も得意としている。 Xアカウント @writerishii

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