最終更新日:2026年7月27日
金は国内外で先物取引がなされており、特に米国では大口投資家などの先物取引の一部内容が開示されています。金などの商品(コモディティ)は大口投資家の売買に値動きが左右される傾向があり、売買データの分析で今後の方向性が把握できる場合があります。
こちらの記事では米商品先物取引委員会(CFTC:U.S. Commodity Futures Trading Commission)のデータ及び金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有高の推移を価格とともに見ていきます。
米国金先物(NY金)について、CFTCが開示している建玉明細は以下の推移となっています。
前々回(26.5.25掲載)
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 4/28 | 369,530 | 122,257 | 32,505 | 89,752 | 4,609.6 |
| 5/5 | 367,932 | 123,353 | 29,099 | 94,254 | 4,567.8 |
| 5/12 | 376,496 | 127,242 | 29,227 | 98,015 | 4,722.6 |
| 5/19 | 379,325 | 122,894 | 29,354 | 93,540 | 4,485.4 |
前回(26.6.29掲載)
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 5/26 | 353,489 | 124,277 | 26,831 | 97,446 | 4,540.9 |
| 6/2 | 326,052 | 129,367 | 17,188 | 112,179 | 4,519.2 |
| 6/9 | 332,709 | 126,280 | 20,417 | 105,863 | 4,284.8 |
| 6/23 | 352,167 | 131,102 | 15,707 | 115,395 | 4,129.0 |
今回
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 6/30 | 369,541 | 134,577 | 14,486 | 120,091 | 4,021.8 |
| 7/7 | 371,776 | 134,941 | 18,780 | 116,161 | 4,116.6 |
| 7/14 | 383,689 | 136,905 | 16,126 | 120,779 | 4,058.3 |
| 7/21 | 383,368 | 141,487 | 16,656 | 124,831 | 4,082.2 |
参考:Commitments of Traders | CFTC
これまでジリ安が続いたドル建て金ですが、6月後半以降は4,000~4,200ドルのレンジ内の動きに留まっています。上昇には至りませんが、4月からの下落は止まりました。
CFTCのデータを見ると、6月後半から大口買いが12万枚台から13万枚台に増えました。動きのなかった大口勢がようやく動きを始めています。大口売りも増えていますが、大口買いから大口売りを引いた「差し引き」について、5月は10万枚を下回っていたものの、6月半ば以降は11~12万枚で推移しています。「差し引き」の面からも、買い圧力は6月以降回復しつつあります。
6月以降の価格は4,000~4,200ドルのレンジの動きに留まりますが、大口買いが徐々に動きを開始しており、次に値動きが生じる際は上昇が進む可能性が高まっている状態です。節目価格4,000ドルが意識されたレンジの値動きの後、上下どちらに進むか注目されます。
次に現物の金を保有する金連動型ETF・SPDRゴールド・シェアの金保有残高及び価格推移を見てみましょう。
前々回(26.5.25掲載)
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 5/7 | 1,033.48 | 432.97 |
| 5/12 | 1,038.27 | 431.15 |
| 5/19 | 1,036.85 | 417.37 |
前回(26.6.29掲載)
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 5/26 | 1,034.85 | 415.26 |
| 6/2 | 1,028.48 | 415.89 |
| 6/9 | 1,016.49 | 397.84 |
| 6/16 | 1,012.21 | 395.83 |
| 6/23 | 1,017.63 | 377.62 |
今回
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 6/30 | 1,005.07 | 367.78 |
| 7/7 | 1,002.50 | 378.68 |
| 7/14 | 1,004.44 | 369.01 |
| 7/21 | 1,005.87 | 373.33 |
ETFデータでは5月以降、金保有高の減少が継続中です。5月後半まで1,030トン台にあった保有高は、6月に入ると1,010トン台まで減少し、7月は1,000トン台まで減っています。節目の1,000トン割れまであと一歩で、17日には一時的に1,000トンを割れました。
価格は6月の400ドル割れ以降、ジリ安が進んでいましたが、7月に入ると360~370ドル台で横ばいの推移を見せています。
CFTC データでは大口買いが見られましたが、ETFデータでは大口の売りが継続中です。価格は下げ止まりましたが、保有高の減少が続いており再度下落が進む可能性も残されています。
CFTC データは大口の買いが見られた一方で、ETFデータではこれまで同様の保有高の減少が進み、CFTCデータとETFデータで大口の動きについて相反する数字が出ています。ただし金価格自体は下げ止まっており、次の方向性が出るのを待つ状態です。
ドル建て金価格は節目価格4,000ドルが意識された値動きが続いています。4,000ドルは割れずに反発が進むか、夏枯れ相場の中で4,000ドルの攻防が続く形となるか、参加者の減少でジリ安を再開するか、8月相場の行方が注目されます。
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金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社を経て個人投資家・ライターに転身。株式市場や個別銘柄の財務分析、為替市場分析を得意としており、IPO関連記事、資産運用記事などを執筆、みんかぶなど複数媒体に寄稿中。また過去多数のIPOやM&Aに関与しブックライティングやインタビューも手掛けている。 ファンダメンタルズ分析に加え、個人投資家としてテクニカル分析も得意としている。 Xアカウント @writerishii

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