最終更新日:2026年8月24日
金は国内外で先物取引がなされており、特に米国では大口投資家などの先物取引の一部内容が開示されています。金などの商品(コモディティ)は大口投資家の売買に値動きが左右される傾向があり、売買データの分析で今後の方向性が把握できる場合があります。
こちらの記事では米商品先物取引委員会(CFTC:U.S. Commodity Futures Trading Commission)のデータ及び金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有高の推移を価格とともに見ていきます。
米国金先物(NY金)について、CFTCが開示している建玉明細は以下の推移となっています。
前々回(26.6.29掲載)
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 5/26 | 353,489 | 124,277 | 26,831 | 97,446 | 4,540.9 |
| 6/2 | 326,052 | 129,367 | 17,188 | 112,179 | 4,519.2 |
| 6/9 | 332,709 | 126,280 | 20,417 | 105,863 | 4,284.8 |
| 6/23 | 352,167 | 131,102 | 15,707 | 115,395 | 4,129.0 |
前回(26.7.27掲載)
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 6/30 | 369,541 | 134,577 | 14,486 | 120,091 | 4,021.8 |
| 7/7 | 371,776 | 134,941 | 18,780 | 116,161 | 4,116.6 |
| 7/14 | 383,689 | 136,905 | 16,126 | 120,779 | 4,058.3 |
| 7/21 | 383,368 | 141,487 | 16,656 | 124,831 | 4,082.2 |
今回
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 7/28 | 384,603 | 135,093 | 15,298 | 119,795 | 4,089.3 |
| 8/4 | 371,551 | 139,809 | 9,043 | 130,766 | 4,134.2 |
| 8/11 | 400,309 | 148,634 | 10,972 | 137,662 | 4,427.8 |
| 8/18 | 406,260 | 154,595 | 12,947 | 141,648 | 4,389.5 |
参考:Commitments of Traders | CFTC
7月は4,000~4,100ドル台で停滞した金価格は、8月に入ると上昇を開始しました。19日には4,500ドルに到達しており、久しく見なかった上昇をこの1ヵ月で見せています。
総取組高は6月後半から増加が続いており、8月11日には40万枚に到達しました。また大口買いも増加しており、「差し引き」は8月に入ると13万枚に到達し、18日には14万枚となりました。総取組高と「差し引き」の動向からは、8月4日のCFTCデータ確認後(8日にデータは公開)、買い出動していれば8月半ばからのジリ高に乗れていた状況です。
取組高の増加とともにスタートした8月の上昇が、このまま続くか注目されます。
次に現物の金を保有する金連動型ETF・SPDRゴールド・シェアの金保有残高及び価格推移を見てみましょう。
前々回(26.6.29掲載)
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 5/26 | 1,034.85 | 415.26 |
| 6/2 | 1,028.48 | 415.89 |
| 6/9 | 1,016.49 | 397.84 |
| 6/16 | 1,012.21 | 395.83 |
| 6/23 | 1,017.63 | 377.62 |
前回(26.7.27掲載)
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 6/30 | 1,005.07 | 367.78 |
| 7/7 | 1,002.50 | 378.68 |
| 7/14 | 1,004.44 | 369.01 |
| 7/21 | 1,005.87 | 373.33 |
今回
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 7/28 | 1,008.72 | 371.03 |
| 8/4 | 1,009.29 | 372.06 |
| 8/10 | 1,020.96 | 398.82 |
| 8/18 | 1,002.24 | 403.49 |
ETFデータでは金保有高の減少が続いていましたが、7月7日の1,002.50トンを底に上昇に転じています(7月17日に一時的に1,000トン割れ)。価格は6月後半から360~370ドル台での推移が続いていましたが、8月に入り上昇を開始し、8月18日には403.49ドルまで上昇し、6月以来の400ドル回復となりました。
価格よりも先に保有高が底打ちする形であり、CFTCデータと同様、ETFデータも金の8月の底打ちが一歩先に分かる状態となっていました。
ETFデータもCFTCデータと同様の傾向を見せており、このまま保有高の増加と価格の上昇が揃って進むか注目される状態です。
7月はCFTCデータとETFデータで捉え方が分かれましたが、8月は両者のデータともに大口の買いが価格に先行する流れが見られました。ドル建ての金価格で見ると4,000ドルを割れずに反発が進んでいます。 2026年の金は1~3月の大きな下落の後は、ジリ安や停滞が続きました。8月の反発が年末に向けての上昇のスタートとなるか、それとも一時的な反発に留まるのか、今後の金価格及びCFTC・ETFデータの行方が注目されます。
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金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社を経て個人投資家・ライターに転身。株式市場や個別銘柄の財務分析、為替市場分析を得意としており、IPO関連記事、資産運用記事などを執筆、みんかぶなど複数媒体に寄稿中。また過去多数のIPOやM&Aに関与しブックライティングやインタビューも手掛けている。 ファンダメンタルズ分析に加え、個人投資家としてテクニカル分析も得意としている。 Xアカウント @writerishii

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