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取引参加者の減少とともに下落が進む6月の金

最終更新日:2026年6月29日

金は国内外で先物取引がなされており、特に米国では大口投資家などの先物取引の一部内容が開示されています。金などの商品(コモディティ)は大口投資家の売買に値動きが左右される傾向があり、売買データの分析で今後の方向性が把握できる場合があります。

こちらの記事では米商品先物取引委員会(CFTC:U.S. Commodity Futures Trading Commission)のデータ及び金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有高の推移を価格とともに見ていきます。

 

1.NY金のCFTC建玉明細

米国金先物(NY金)について、CFTCが開示している建玉明細は以下の推移となっています。

前々回(26.4.27掲載)

日付 総取組高 大口買い 大口売り 差し引き 価格($、中心限月)
3/24 403,925 119,562 27,941 91,621 4,506.5
3/31 361,409 120,092 27,278 92,814 4,699.6
4/7 354,877 120,726 30,694 90,032 4,733.3
4/14 362,274 125,422 30,281 95,141 4,738.5
4/21 365,842 123,681 30,705 92,976 4,738.5

前回(26.5.25掲載)

日付 総取組高 大口買い 大口売り 差し引き 価格($、中心限月)
4/28 369,530 122,257 32,505 89,752 4,609.6
5/5 367,932 123,353 29,099 94,254 4,567.8
5/12 376,496 127,242 29,227 98,015 4,722.6
5/19 379,325 122,894 29,354 93,540 4,485.4

今回

日付 総取組高 大口買い 大口売り 差し引き 価格($、中心限月)
5/26 353,489 124,277 26,831 97,446 4,540.9
6/2 326,052 129,367 17,188 112,179 4,519.2
6/9 332,709 126,280 20,417 105,863 4,284.8
6/23 352,167 131,102 15,707 115,395 4,129.0

参考:Commitments of Traders | CFTC

ドル建ての金価格は5月半ばが高値となり、その後はジリ安が進む状態です。6月は3月安値を下回る水準で下落が進んでおり、上昇が続いた昨年までに比べると景色が大きく変わっています。

CFTCのデータを見ると、5月半ばまで総取組高は36~37万枚台を維持していましたが、6月に入ると32~33 万万枚台前半まで減少しています。ただし大口買いは12万枚台を維持する一方、大口売りが3万枚前後から2万枚割れまで減少しており、総取組高の減少は大口売りの減少が背景です。その結果、「差し引き」は10万枚台のプラスに増加しており、大口プレイヤー全体の取引は減少しているものの、5月後半以降は相対的な買い圧力が強まっています。

総取組高の減少とともに金価格はジリ安が進んでいるため、買い圧力の相対的な上昇が今後価格にどのような影響を与えるか注目されます。また、6月23日に総取組高が35万枚台を回復しており、本回復が一時的な回復に留まるかも注意したい所です。

 

2.ETFデータから見る金推移

次に現物の金を保有する金連動型ETF・SPDRゴールド・シェアの金保有残高及び価格推移を見てみましょう。

前々回(26.4.27掲載)

日付 金保有高(トン) 価格(ドル)
3/24 1,052.99 403.30
3/31 1,047.26 418.72
4/7 1,054.41 426.39
4/14 1,049.47 437.96
4/21 1,055.47 438.65

前回(26.5.25掲載)

4/28 1,040.90 425.26
5/7 1,033.48 432.97
5/12 1,038.27 431.15
5/19 1,036.85 417.37

今回

日付 金保有高(トン) 価格(ドル)
5/26 1,034.85 415.26
6/2 1,028.48 415.89
6/9 1,016.49 397.84
6/16 1,012.21 395.83
6/23 1,017.63 377.62

参考:SPDRRゴールド・シェア「価格の推移」

ETFデータでは5月以降、金保有高の減少が徐々に進んでいます。3月から4月にかけて1,050トン前後あった保有高は、6月に入ると1,010トン台まで減少しました。

買い手不在の中で価格も下落しており、5月まで400ドル台を維持していた価格は6月半ばには400ドルを割れました。6月半ばまでは400ドルを若干割れた水準にありましたが、6月23日には377ドルまで下落が進んでいます。

5月の前回までは、金価格のジリ安が進みながらも、保有高は踏みとどまっている状態でした。しかし、5月後半からは保有高の減少が進み、ETFデータに変化が生じています。

 

まとめ:6月に入り変化が見られる金市場

COTデータとETFデータ、いずれも投資家の金投資意欲の後退が見られる状態です。ただしCOTデータでは参加者は減少の一方、相対的に買い圧力が強まっており、単純に取引参加者の減少=価格の下落という構図ではありません。ただしETFデータは保有高の減少と価格の下落が揃って進んでいます。

2026年に入り方向感のない状態が続いた金相場ですが、取引参加者の減少とともに下落が進むのか、移り気な投資家の退場により今後の価格上昇に備えつつあるのか、変化を始めた金市場の行方が注目されます。

金価格が高騰している現在、金の売却を検討しているなら分かりやすい価格設定とスピーディな手続き、買取手数料0円の買取本舗七福神にご相談ください。

執筆者 石井 僚一

金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社を経て個人投資家・ライターに転身。株式市場や個別銘柄の財務分析、為替市場分析を得意としており、IPO関連記事、資産運用記事などを執筆、みんかぶなど複数媒体に寄稿中。また過去多数のIPOやM&Aに関与しブックライティングやインタビューも手掛けている。 ファンダメンタルズ分析に加え、個人投資家としてテクニカル分析も得意としている。 Xアカウント @writerishii

石井 僚一イラストイメージ

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