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金価格への影響は?FRB新議長にケビン・ウォーシュ氏が就任
6月16~17日が初のFOMCに

最終更新日:2026年6月12日

5月にケビン・ウォーシュ氏がFRB新議長に就任しました。そして6月16~17日に、初のFOMCが行われます。FRB新議長に就任したケビン・ウォーシュ氏について紹介するとともに、金投資の観点でのウォーシュ体制下のFRBの金融政策の見方などを解説します。

 

1.FRB新議長に就任したケビン・ウォーシュ氏について

2026年5月、米連邦準備制度理事会(FRB)の新議長にケビン・ウォーシュ氏が就任しました。ウォーシュ氏は、2002年から2006年までブッシュ政権において経済政策担当の大統領補佐官を務めました。更にモルガン・スタンレーなど金融機関での在職経験があり、2006年から2011年までFRB理事も務めています。政界・民間金融機関・中央銀行という幅広いキャリアの持ち主です。

金融政策に対するスタンスは、過去の言動などからタカ派という評価が一般的です。一方、近年は労働生産性の改善などを背景に、利下げを支持するハト派としての側面もあります。

ウォーシュ氏は、トランプ大統領の指名を受けてFRB議長に就任しました。2人が今後どのような関係となるのか、という点も注目される部分となります。

 

2.ウォーシュ氏就任で金融政策はどう変わるのか?

ウォーシュ氏がFRB新議長に就任した現在、金融政策の環境は1月にトランプ大統領がウォーシュ氏をFRB新議長に指名した時から大きく変化しています。2026年2月末の米国・イスラエルによるイランへの軍事行動を契機に、エネルギー供給不安やサプライチェーンの混乱から、インフレ再燃への警戒感が急速に高まりました。その結果、米国は当初想定していた利下げ路線から、金利据え置きへと方向の転換を余儀なくされています。

トランプ大統領はFRBに対し、これまで利下げを要求し続けてきましたが、イラン紛争によるインフレ進行を受けてその姿勢を変えています。また、今後イラン情勢が収束したとしても、インフレはすぐには収束しないと予想されています。

 

3.FRB議長交代が金価格に与える影響

トランプ大統領から次期FRB議長としてウォーシュ氏の指名が発表された1月30日、貴金属相場は総崩れとなり、金や銀は急落しました。結果的にFRB議長の人事発表が、金価格に影響を与えることになりました。

1月の金価格の急落は偶然としても、金とFRBの金融政策には密接な関係があります。一般的に金利が上昇すると、利息を生まない金の魅力は低下し、金価格に下落圧力がかかりやすくなります。一方、インフレ進行局面では実物資産である金の価値が見直され、価格は上昇しやすくなります。現在はインフレが進行する中で金利も高止まりしており、金にとって相反する力が同時にかかっている状態です。

ウォーシュ新体制のFRBが今後どのような政策判断を下すかにより、金価格の方向性が大きく変わる可能性があります。

 

4.ウォーシュ新議長体制発足による金投資の2つの注目ポイント

ウォーシュ新FRB議長の体制の下、金投資家が注目すべき点は大きく2つあります。

1つ目は、インフレと金利の綱引きの行方です。現在、イラン紛争を背景にインフレが進んでおり、金には追い風となる環境です。一方で、インフレ抑制を重視するウォーシュ氏の姿勢が金利の高止まりにつながれば、利息を生まない金への投資魅力は相対的に低下する可能性があります。インフレと金利、この2つの力がFRBウォーシュ新議長体制下でどちらに傾くかは、今後の金価格を左右するポイントです。

2つ目は、FRBの独立性をめぐる問題です。パウエル前FRB議長は、トランプ大統領から利下げ圧力を受けながらも、FRBは独立性を維持しました。トランプ大統領に指名されたウォーシュ議長のFRBにおいて、トランプ大統領の圧力を受け不適切な金融政策が行われれば、ドルの信認自体が低下するリスクがあります。そのような事態となれば、ドルの代替資産として金へ資金流入が進む可能性があります。

 

まとめ:初期のタイミングでは、金融政策の先行きが見通しにくい

ウォーシュ新FRB議長体制の初期のタイミングでは、金融政策の先行きが見通しにくく、金価格の変動幅が大きくなる懸念もあります。金は短期的な値動きに翻弄されやすい資産でもあります。不透明感が強い時期こそ、長期的な視点で金の価値を冷静に見守る姿勢が大切と言えるでしょう。

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執筆者 石井 僚一

金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社を経て個人投資家・ライターに転身。株式市場や個別銘柄の財務分析、為替市場分析を得意としており、IPO関連記事、資産運用記事などを執筆、みんかぶなど複数媒体に寄稿中。また過去多数のIPOやM&Aに関与しブックライティングやインタビューも手掛けている。 ファンダメンタルズ分析に加え、個人投資家としてテクニカル分析も得意としている。 Xアカウント @writerishii

石井 僚一イラストイメージ

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