最終更新日:2024年08月29日
金の価格は米ドルから大きな影響を受けています。逆相関の値動きを見せる金と米ドルの関係を解説します。
米ドルの値動きを理解すれば、金の値動きの理解も深められます。ただし、金と米ドルの逆相関の関係は100%成立する絶対的なものではない点は注意しましょう。
目次
金は米ドルの値動きから大きな影響を受けます。金と米ドルの価格は逆相関の関係にありますが、簡単にいえば下記の関係にあります。
・米ドルが上昇すると金の価格が下落
・米ドルが下落すると金の価格が上昇
米ドルは世界の基軸通貨であり、各国通貨の交換の中心的立場にあります。ドル/円というのは、米ドルと日本円の交換レートです。為替市場では米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、豪ドルなど様々な通貨が交換されています。よって米ドルが買われる・売られる際は、他の通貨が反対方向に取引されます。その中で、特に米ドルが買われる・売られる際は、他国の通貨のみならず、金も対応した値動きを見せる傾向にあります。このことから、金とドルは逆相関の関係にあります。
金と米ドルの関係は、概ね逆相関の関係にあります。しかし相場に絶対の正解がないのと同様、金と米ドルも100%逆相関の値動きとなる訳ではありません。米ドルの上昇時に金も上昇するケースは少なからずあります。特に短期の場合は、逆相関とならないケースが多くなります。
また世界的な金融危機や地政学的リスクが生じると、安全資産として金と米ドルの両方に資金を投じる流れが生じ、両者が同時に上昇することもあります。
金と米ドルの価格は基本的に逆相関の関係にあるものの、その関係は絶対的なものではない点は注意しましょう。
金と米ドルの逆相関の関係を、投資戦略へ活用することも可能です。米ドルに限らず、為替は一度大きな流れが生じると、その流れが比較的長く続きます。
よって米ドルの下落局面では、金の価格は上昇する傾向があり、金の購入により利益を上げられる可能性が高まります。逆に米ドルの上昇局面では、金の価格は下落する傾向にあり、金の購入を見送る、もしくは少額の継続購入で、損失の拡大回避が可能です。
金への投資時は、“利益を上げる”という前向きの観点のみならず“損失を抱えない”という観点からも、米ドルの方向性の確認は有効といえるでしょう。
ドルの方向を見る際は、ドル/円やユーロ/ドルなどの通貨ペアを見るのが一般的です。しかしそれらは米ドル以外の通貨の影響も受けます。単純にドルの方向を見る際は、「ドルインデックス」という指標を見ることで、単純なドルの方向性が分かります。興味があれば、インターネットでドルインデックスチャートを確認してみましょう。
金の動きに影響を与える米ドルは、米国の金利に大きな影響を受けています。米国の中央銀行に当たるFRBは、金利の調整で米国の景気の行き過ぎを抑え、冷え込んだ景気を下支えする政策運営を行います。2024年8月時点での米国の政策金利は5.5%(上限)であり、高金利政策を採用しています。この高金利政策を背景にドルは上昇しました。ただし同時に金価格も上昇しており、金と米ドルの逆相関が外れている状態です。
FRBの金融政策は一度方向性が決まると、そのスタンスは長く維持されます。2024年は9月にFRBによる利下げ予想されており、以降は高金利政策の是正が続く(利下げの継続)と予想されます。
金と米ドルの関係の更なる理解には、米国の金利に対する理解も必要です。ただしその前段階の、米ドルと金の逆相関の関係を理解するだけでも、金投資に対する優位性を得ることができます。
これらから金への投資を検討する際は、現在の米ドルが上下どちらの方向に進んでいるか、その方向性を確認した上で行うのがおすすめです。
また金の売却の際は分かりやすい価格設定とスピーディな手続き、買取手数料0円の買取本舗七福神にご相談ください。