株式と金の上昇再開なるか？12月FOMCで利下げが決定

12月9～10日に行われたFOMCで利下げが決定されました。利下げの事前報道などがなされており、サプライズはありませんでしたが、発表後は金利下落と株高そして金の上昇が進みました。米利下げが、今後の株式及び金の上昇再開を後押しすることになるか注目されます。

米国は12月9～10日に行われたFOMCで0.25%の利下げを決定。政策金利を3.5～3.75%とすることが決まりました。

事前の報道などで12月のFOMCでの利下げは織り込み済みであり、ほとんどサプライズのない利下げとなりました。それでも、米金融政策は新たな歩みを始めることになりました。

利下げを主張していたトランプ大統領は今回の利下げに対し、利下げ幅が小さい、と反応しています。来年5月にFRBパウエル議長の任期が迫る中、既に後任選びがスタートしており、親トランプの人物がFRB議長となる可能性が高まっています。パウエル議長の退任後、後任者によってはトランプ大統領の意を汲み一段と利下げが進む可能性も否定できません。

FOMCの利下げに対し、金融市場は金利下落、株高で反応しています。米10年債金利は11月後半から上昇傾向にあり4.0%割れから4.1%台後半の水準まで上昇しました。10日には一時4.2%台まで上昇しましたが、利下げ発表後は下落して、4.1%台半ばで取引を終えています。12月FOMCでの利下げはサプライズではありませんでしたが、金利は素直に下落が進みました。

また、米株式市場は利下げを好感し株高で反応。ダウ平均+497.46ドル、S&P500指数+46.17ポイント、ナスダック総合指数+77.669ポイントとなり、年初来高値に向けて値動きを開始する形となりました。

利下げは株式市場に対する資金流入効果があるため、今回の利下げを契機に、各株価指数の年初来高値更新に向けた上昇が期待されます。

FOMCの利下げに対して、金も上昇で反応しています。金価格は円建てとドル建てともに、10月の年初来高値から若干下落した水準で12月は値動きが停滞中です。

利下げは金に対しても資金流入効果があります。金は10月に年初来高値を付けた後に下落し、11月は反発したものの、その後の値動きは停滞状態です。利下げが再上昇の後押しをすることになるのか、今後の金価格の行方が注目されます。

日本では12月18～19日の日程で日銀政策決定会合が予定されています。本会合で日銀は利上げ決定が確実視されています。日銀は今年1月に利上げを行いました。年内2度の利上げ予想がなされていましたが、トランプ関税ショックに加え高市政権発足もあり、利上げの見送りが続いていました。足元で円安が進みつつある現状もあり、年内2度目の利上げが行われる見込みです。

米国の利下げに対し日銀の利上げという、日米の中央銀行が逆方向を向く政策決定が12月はなされる予定です。長く円安トレンドが続いていますが、米国の利下げはドル安・日本の利上げは円高の政策です。為替面では12月の日米の中央銀行の政策決定で、ドル/円の上昇が止まるかが注目ポイントとなります。

米国の利下げは、株式や金に対する上昇の後押し要因です。今回の利下げ後の初動は、株式も金も上昇で反応しました。足元では株式と金は連動する値動きを見せています。12月の米国の利下げが両者の再上昇の契機となるのか、今後の行方が注目されます。

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