最終更新日:2024年09月16日
2022年2月のロシアによるウクライナ軍事侵攻を契機に、世界経済はデフレ傾向が消えインフレに転じています。しかし今後再びデフレに戻る可能性はゼロではありません。こちらの記事ではデフレについて解説するとともに、デフレ時の金の値動きについて解説しました。
デフレ(デフレーション)とは、物価が継続的に下落する現象を指します。通常、経済が成長するとモノやサービスに対する需要が増え、物価も上昇します。しかしデフレはその逆で、モノやサービスに対する需要が減少し、物価が下がる現象です。物価が下がると企業の売上や利益が減少し、その結果として賃金も下がり、消費者の購買力も低下します。そして更に消費が落ち込み、経済が縮小に向かう悪循環に陥ることがあります。
デフレの原因は、消費者や企業の需要不足、過剰供給、金融政策の失敗、グローバルな競争激化など様々です。日本では1990年代のバブル経済崩壊後からデフレが続き、「失われた30年」と呼ばれる経済低迷が続きました。
デフレが進行すると物価が下がるため、相対的に現金の価値が上がります。よってデフレ時は現金を持つことで、自動的に資産価値が上がります。デフレ時は無理に投資をせずとも、現金を銀行預金を預けているだけで、実質的な資産増加が可能です。
個人として見れば現金の価値が上がるデフレはメリットもあります。しかしデフレは経済が縮小する現象であり、経済的にはマイナスの側面が大きいと言えます。
先ほど解説したように、デフレ期は現金の価値が時間の経過と共に上がります。よってデフレ期は資産運用などせずに、現金を銀行口座などに預けることが、リスクを抑えて資産を増やす方法です。
日本では資産運用の必要性が長く訴えられてきましたが、資産運用の普及が始まったのは最近です。デフレ下の「失われた30年」の日本では、現金の保有がリスクの低い確実な資産運用方法であった、と言えます。
日本人は資産運用に保守的、と言われることがあるものの、デフレ期は現預金を保有する、という合理的判断を下していた側面も否定できません。
デフレ期は企業業績が悪化するため、株式を始め下落トレンドとなる金融商品が多く生じます。しかし金はデフレ期において、他の金融商品と異なる値動きを見せることが多いです。主な理由としては以下の2点があげられます。
・金は世界中で取引されている
・不況時に価格が上がる傾向を持つ
金は世界中で取引されています。株式市場は各国に存在しますが、取引対象は日本などの企業が発行する株式であり、株価は所在する国の経済状態に大きく左右されます。よって、日本がデフレの際は日本経済が企業業績の足を引っ張ります。しかし金は世界中で取引されており、特定の国の経済状態にのみ影響を受ける訳ではありません。
また金は保有するだけで価値(現物資産としての価値)があり、リスク回避の位置付けを持つ資産です。よって、世界経済の後退期には株式などの代わりに金が買われる傾向にあります。世界経済がデフレに向かえば、世界経済が低迷して金が買われ、金価格の上昇に至る可能性が生じます。
2022年2月のロシアによるウクライナ軍事侵攻以降、世界経済はデフレからインフレの方向に向かっています。失われた30年でデフレに苦しんでいた日本ですらインフレに向かっており、当面その傾向は続くと予想されます。
しかし今後、ロシアとウクライナの停戦などを契機に、再度デフレが再燃する可能性はゼロではありません。すぐにデフレに戻る可能性は低いものの、金投資に興味を持つなら、デフレ期の金価格の値動きの傾向を知っておいて損はないでしょう。
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