最終更新日:2024年09月16日
インフレになると金はどのような値動きを見せるのでしょうか?こちらの記事ではインフレについて解説するとともに、インフレ時の金の値動きの特徴及び過去の事例をご紹介します。
金の価格は一定ではなく値動きがあり、金は時代ごとにその価格が大きく変化します。
インフレ(インフレーション)は、物価が継続的に上昇する現象を指します。経済成長の過程では、モノやサービスに対する需要が増え、それに伴い物価は上昇します。物価の上昇により現金の価値が相対的に下がり、同じ金額で購入できる商品やサービスは減少します。
物価が上昇すると企業の売上や利益も増えるため、多くの場合で賃金の上昇に繋がります。しかし賃金の上昇が物価上昇に追いつかないと生活費の負担のみが増すため、インフレは特に低所得層の生活に大きな影響を与えるケースがあります。
インフレの原因としては、主に以下の3点があげられます。
・需要の増加
→消費者や企業がモノやサービスを多く求めると、需要が供給を上回り物価が上昇する。
・コストの上昇
→エネルギー価格や労働コストが上昇すると、生産コストが増加し結果的に商品価格が上がる。
・貨幣供給の増加
→中央銀行が市場に大量の通貨を供給すると、通貨の価値が下がり物価が上昇する。
適度なインフレであれば、企業収益の拡大・雇用の拡大・経済活動が活発化により経済にプラスの影響を与えます。しかしインフレが過度に進行すると、ハイパーインフレと呼ばれる異常な物価上昇が発生し、経済は不安定な状態に陥ります。
インフレのコントロールは中央銀行の重要な役割であり、金利及び貨幣供給量の調整を通してインフレの管理が行われています。
金は一般的に「インフレに強い資産」として知られる存在です。インフレが進行すると、物価が上昇し現金の価値が下がります。しかし金はそのものに価値がある実物資産であり、価格が上昇する傾向にあります。以下がインフレ時の金価格を理解するためのポイントです。
・インフレ時の通貨価値の低下
・金の希少性と恒久的価値
インフレが進行すると、紙幣など現金の価値が低下し、同じ金額で買える商品やサービスの量が減ります。このため、人々は価値が減価しない安全な資産に投資する動きが生じます。金は代表的な安全資産の一つであり、歴史的にも通貨の価値が不安定な時に需要が増えます。
また、金は地球上に限られた量しか存在せず、その供給量(採掘量)も限られるため、通貨のように大量発行ができません。これがインフレ時に金の価値が安定する理由の一つであり、かつて金本位制という経済体制が採用されていた理由でもあります。
インフレ時に金価格が上昇した事例としては、以下の2つがあります。
・1970年代のオイルショック
・2008年のリーマンショック
1970年代前半のオイルショックは、金価格が急上昇した代表事例です。石油価格が急騰した結果、世界的にインフレが加速し、多くの国で物価が大幅に上昇しました。オイルショックの発生した1973年に1gあたり958円だった金の価格は、1980年には4,499円に達しています。
また、2008年のリーマンショックの発生により、世界経済は大きな落ち込みを見せました。各国の中央銀行は金利を大幅に引き下げ、金融緩和政策(量的緩和)を実施して金融市場に大量の資金を供給しました。その結果、インフレへの懸念が高まり金への投資が増加しました。2008年には1gあたり2,937円だった金価格は、2011年には4,060円まで上昇しています。(なお、ドル建てでは1オンスあたり2008年872ドル→2011年1,572ドルとなり円建てを上回る上昇)
2022年2月のロシアによるウクライナ軍事侵攻を契機に、デフレ傾向にあった世界経済はインフレの方向に向かいました。デフレに苦しんでいた日本でも物価が上昇し、インフレに入ったと言えるでしょう。
インフレ時には金価格が上昇する傾向にあります。既に上昇傾向にある金価格は、今後も世界的なインフレに後押しされて上昇が続くのか、今後の行方が注目されます。
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