最終更新日:2021年12月24日
2016年1月からスタートしたマイナンバー制度により、国民に振り分けられた個人番号が、行政・税務手続きに活用されています。金の取引においても、一定の条件を満たす場合にはマイナンバーの提示が必要です。
この記事では、金を売る際に必要な証明書類・個人情報から、前提としてのマイナンバーの概要、マイナンバーが不要となるケース・金を購入する際の注意点までを解説します。金の売買に関心を持つ人は、ぜひ参考にしてください。
所得税法改正により2016年1月以降、200万円以上の金を買取した業者は、マイナンバーを記載した法定調書「金地金等の譲渡の対価の支払調書」を税務署に提出することが義務付けられました。
出典:国税庁「[手続名]金地金等の譲渡の対価の支払調書(同合計表)」
つまり、金の売却でマイナンバーの提示が求められるケースは、売却額が200万円以上となるときです。ただし、ジュエリーに加工している場合は例外として不要とされます。
ここでは、マイナンバーの提示が必要かどうか適切に判断するために、知っておくべき情報を紹介します。
金の売却によって200万円以上を受け取る際に、マイナンバーを提示する書類は、「個人番号カード」「通知カード」のどちらでも問題ありません。
■個人番号カード
個人番号カードは、通知カードの情報を元にして発行されており、カード自体が本人確認書類の役割を持っています。また、顔写真も掲載されているため、1枚で手続きが可能です。
■通知カード
通知カードを利用する場合、運転免許証やパスポートといった顔写真入り身分証明書とセットで提示する必要があります。
時間がある際に個人番号カードの発行を済ませておくと、取引をスムーズに完了できるでしょう。
金の売却には、運転免許者・健康保険証などの本人確認書類が必要です。なお、個人か法人かによって、必要書類は異なります。
【個人で売却する場合】
個人で売却する際に必要な書類は買取店によって異なりますが、基本的には顔写真付きの本人確認書類です。1点で本人確認ができる書類は、下記の通りです。
■1点で確認可能な書類
マイナンバーカードに関しては、マイナンバー自体の確認は行われず、あくまで顔写真付き証明書として使用する形となります。また、以下のような写真付きではない書類を使用する場合、2点以上の提示が必要となることが一般的です。
■2点以上の提示が必要な書類
提出書類が不十分とされた際は、補完書類として以下のいずれかを求められることもあります。
■補完書類
上記の書類はコピーではなく、原本の持参が必要です。
【法人が売却する場合】
法人の場合、一般的には以下の書類が必要です。
■必要書類
上記書類はいずれも、6か月以内など特定の期間内で発行されたもののみ有効とされます。中には代表者の持ち込みしか認められないケースもあるため、注意しましょう。
マイナンバー制度とは、住民票を有する住民1人に1つの番号を割り当て、行政手続きの効率化や利便性を高める制度です。主に社会保障・税・災害対策の分野で、個人情報をスムーズに確認するために使われています。
一般的にマイナンバーは、次のような場面で提示を求められます。
■マイナンバーが求められる場面
・年金受給や失業保険申請
・児童手当や生活保護申請
・確定申告
・会社員の入社契約
・パートやアルバイトの契約
・証券会社での新規口座開設
・保険会社での新規契約
・銀行での新規口座開設
また、保険金や年金の手続きにおいて、以下の条件を満たす場合などに、マイナンバーの提示を求められます。
■保険や年金の手続きにおいてマイナンバーが必要となるケース
・保険金・解約返戻金などの一時金が100万円を超える場合
・年間の年金支払額が20万円を超える場合
上記の手続きに加えて、金の売却などマイナンバー提示が必要な場面では、マイナンバーカードや通知カードを用意しておきましょう。
マイナンバーカード(個人番号カード)は自動的に送られてくるわけではなく、自身で発行手続きが必要です。発行には、通知カードとともに届く「個人番号カード交付申請書」とカードに載せる「顔写真」の2つが必要です。マイナンバーカードの発行申請には、次の4つの方法があります。
■マイナンバーカードの発行申請方法
・パソコンで申請
・スマホから申請
・証明写真機で申請
・郵送で申請
申請方法ごとに提出書類やデータ形式が異なります。マイナンバーカードは申請後、1か月ほどで発行され、下記のいずれかの方法で受け取りが可能です。
■マイナンバーカードの受け取り方
・窓口で受け取る
・郵送で受け取る
郵送での受け取りは、市区町村の役所にて申請し、本人確認と暗証番号の設定を済ませた場合のみ利用できます。パソコンまたはスマホから発行申請を行った場合は、役所の窓口にて本人確認書類と暗証番号の設定が必要です。
詳しいマイナンバーカードの発行手順については、マイナンバーカード総合サイト「マイナンバーカード交付申請」を参照してください。
大きなサイズの金を売却する際は、金のインゴット分割により、金買取額を200万円未満にすると、マイナンバーの提示が不要となります。
インゴット分割とは、金やプラチナなどを一度溶かし、小さなサイズに分ける精錬加工のことです。金のインゴット分割加工により、金1つあたりの金買額を200万円以下にすることで、マイナンバーの提出が不要となります。
また、売り方次第ではインゴット分割した金の売却額を、所得税の課税外にできます。インゴット売却で金額を50万円以下に抑えられれば、課税対象から外れるため、節税効果も見込めるでしょう。
金のインゴット分割は業者に依頼する方法が一般的ですが、悪質業者には注意が必要です。加工の精度が悪く、高く売れない状態で手元に戻ってくることや、見積もりにはなかった追加費用を求められるなど、トラブルが起きるケースも見られます。事前に口コミ・評判などを調べた上で、依頼する店舗や業者を選びましょう。
金の売却と異なり、金の購入時にマイナンバーの提示は不要です。将来的に、マイナンバーが銀行口座の貯金額などに紐付けられていく可能性はありますが、現時点では金を購入する際に必要ありません。
マイナンバーは大切な個人情報であり、現時点では、行政に関する手続きのみで取扱いが許可されています。法令で定められた目的以外でマイナンバーを使うと、罰則に該当します。万が一、金購入の際に提示を求められても応じる必要がないため、提示しないようにしましょう。
金の売却額が200万円以上の場合には、マイナンバーの提示が必要です。200万円以下の金の売却ではマイナンバーは不要ですが、運転免許証などの本人確認書類が求められるため準備しておきましょう。
なお、インゴット分割を行うと、金を売却する際にマイナンバーの提示が必要なくなるケースもあります。売却額が50万円以下だと課税対象から外れるため、インゴット分割は節税対策としても有効ですが、品質の不確かな悪質業者には注意しましょう。
金の売却にお悩みの方は、ぜひ「買取本舗七福神」にお任せください。査定額が不明な場合はもちろん、マイナンバーの必要性が判断できない場合もご相談に応じます。まずはお気軽にお持ち込みください。