最終更新日:2021年12月24日
近年は超低金利時代に加え、増税や物価の上昇で個人の負担は増大しています。今後のライフプランや老後に備えた投資の必要性が叫ばれていますが、新型コロナウイルス感染症の拡大などで世界経済の状況が不透明になり、投資先に悩む人は少なくありません。
そのような中、投資家の注目を集めているのが金投資です。金は「有事の金」とも言われ、戦争が起きたり社会情勢が悪化したりしても、現物としての価値は損なわれません。金を持っていると安定的な資産運用ができると考えられるため、投資先の1つに組み込んでおくと安心です。そこで今回は、金投資のメリット・デメリット、5つの投資方法の特徴を解説します。
目次
金投資とは、金(ゴールド)に投資することを言います。金に投資する方法はいくつかありますが、1番分かりやすいのは、購入した金の延べ棒を売却時の差額で利益を出す方法です。
2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大したことから、現物資産としての金の人気が高まり、現在も金相場は高値を推移しています。未だ感染症収束の目処が立っておらず、社会情勢が不安定なため、投資リスクを分散する目的で金に投資することは有効な手段の1つです。
しかし、金投資には注意すべき点もあります。以下では、金投資のメリット・デメリットについて説明します。
金投資のメリットは、大きく分けると以下の3つが挙げられます。
金投資のメリット |
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・世界共通の価値を持つ 金は美しく希少性のある金属で、古くから価値あるものとして扱われてきました。換金性に優れるため「無国籍通貨」と呼ばれ、世界共通の価値があります。 ・インフレに強い 需要が供給を上回るインフレの状態になると、物の値段が上がって貨幣の価値が下がりますが、金は実物資産であるため影響を受けません。 ・実物に価値がある 株式や債権などの「紙の資産」と金の違いは、前者の価値が発行元である企業などの信用に依存するのに対し、後者は実物そのものに価値がある点です。世界の中央銀行でも、国家が破綻して紙幣が無価値になった場合に備え、金を保有しています。 |
一方で、金投資には以下のようなデメリットもあります。
金投資のデメリット |
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・利子や配当がない 金投資には預金のような利子や株式のような配当がなく、金を保有するだけでは資産が増えません。金投資で利益を出すには、購入時よりも高値で売却する必要があります。 ・紛失や盗難のリスクがある 金を現物で保有する場合に問題となるのは紛失や盗難のリスクです。保管を業者に依頼する場合は費用がかかり、預け入れや引き出しにも手数料がかかる場合があります。 ・手数料が高い 金投資の種類によっては、取り引きの手数料が高くなる場合もあります。 |
金の投資方法は複数あり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。そのため、よく比較検討した上で、自分に合った投資商品を選ぶことが重要です。なお、金投資で得た利益には所得税がかかり、確定申告が必要な場合があることにも注意しましょう。
以下では、金投資の5つの方法と特徴、メリット・デメリットを踏まえ、向いている人についても解説します。
金地金は「金の延べ棒」とも言われる板状のもので、グラム単位でも購入できます。投資用の金貨は外国政府が発行し、品質が保証された安全な硬貨です。金地金・金貨は現物で購入し、売却するまで保管します。
メリット |
・手元において楽しむことができる ・買取店に持ち込めばすぐに換金できる |
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デメリット |
・紛失や盗難のリスクがある ・保管を依頼すると費用がかかる |
金地金は、地金商や貴金属メーカーなどで購入できます。どこの会社で購入しても品質に違いはありません。金貨は宝飾店やデパートでも購入することができますが、デザインされている分、金地金より割高です。
金地金・金貨は金を手元に置いておきたい人に向いている投資方法ですが、紛失や盗難のリスクがあるため、保管方法に注意する必要があります。保管会社に依頼する場合は、保管料のほか、年会費、預け入れ手数料などがかかります。
純金積立は、毎月決まった金額で金を購入し、積み立てる投資方法です。毎月一定額買うことで価格が安いときは多く、高いときは少なく買うことができます。これをドルコスト平均法と言い、高値づかみが避けられる点が特徴です。
メリット |
・少額から始められ、自動で積み立てられる ・高値づかみを避けられる ・保管の必要がなく費用がかからない |
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デメリット |
・積立会社が倒産すると、金が返還されない場合がある ・手数料が高め |
月々1,000円程度から手軽に始められ、自動で積立投資できるため、投資初心者に向いています。銀行や地金商、貴金属メーカーなどで申し込めます。自分で保管する必要がないのもメリットですが、保管方法が消費寄託の場合は積立先の会社が倒産すると金が返還されない可能性があるため、確認が必要です。購入手数料が投資信託や金ETFに比べて割高で、入会金や年会費、保管手数料がかかる場合もあります。
投資信託(ファンド)は、投資家から集めた資金をプロが運用し、運用成果を分配する投資方法です。金の投資信託には、金そのもの以外に金関連の株式、先物など、多様な投資対象があります。積立型投資信託は毎月1,000円程度からです。
メリット |
・運用をプロに任せることができる ・銀行や証券会社が破綻しても資産が守られる |
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デメリット |
・金ETFよりは信託報酬が高い ・金の現物に交換できないことが多い |
金の投資信託は、銀行や証券会社で取り引きができます。投資信託の場合は、投資額に関わらず資産が守られる仕組みができているため、万が一関係機関が破綻した場合でも安心です。信託報酬は、金ETFよりは高い傾向があります。金の現物に交換できないものが多く、手元に置いてみたい人には不向きですが、自分で運用するのではなくプロに頼りたい人に向いている投資方法です。
金ETFは、金価格への連動を目指した上場投資信託です。投資信託自体が証券取引所に上場されており、株式のように売買できる点が特徴です。
メリット |
・信託報酬が安い ・株式同様にリアルタイムで売買できる |
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デメリット |
・自動的な積み立てができない ・投資の知識や経験が必要となる |
ETF投資は、日本ではまだあまり浸透していない投資方法ですが、機関投資家やプロの個人投資家にはよく使われています。金ETFは証券会社で購入できます。信託報酬がETF以外の投資信託より安くなりますが、自動積立はできません。株式のようにリアルタイムで売買できる反面、取り引きのタイミングには投資知識や経験が必要です。そのため、株式投資の経験がある人に向いている投資方法です。
また、投資額に応じて実物資産としての金が保管される「金の裏付け」がある商品とない商品があり、裏付けのある商品の中には実物の金と交換できるものもあります。
金先物取引は、将来の決められた日に、あらかじめ決めた価格で金を売買することを約束する投資方法です。決められた日が来たときに、金の価格が上がっていればその差額が利益になり、下がっていれば損失になります。5つの金投資の中で1番ハイリスク・ハイリターンな点が特徴です。
メリット |
・少ない額で大きな利益を得られる ・手数料が安い |
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デメリット |
・損失が大きくなる場合がある ・自動的な積み立てができない |
証券会社や商品先物取引業者で購入でき、買い・売りどちらからでも始められます。証拠金を差し入れれば、数倍の金額の取り引きが可能です。金の現物に投資する場合に比べ、手数料は安い傾向があります。資金に余裕があり、リスクを覚悟できる人に向いている投資方法です。
金は、株式や債券のような信用リスクがない実物資産です。投資の方法によっては手数料が高くなりますが、自分に合った方法を選んだ上で分散投資先の1つに組み込むと、安定的な資産運用につながります。
500グラム未満の金地金を売却する場合、「バーチャージ」という手数料が発生するのが一般的です。この手数料は買取店によって大きく異なり、さらに売却手数料が別途でかかることもあるため、買取店はしっかりと選ぶ必要があります。買取本舗七福神では、これらの手数料はすべて無料です。他店で買い取りを断られた品物でも買い取れる可能性がございますので、まずはお気軽にお持ち込みください。