最終更新日:2021年09月30日
金は、美しい輝きと希少価値の高さから、古来より金貨やアクセサリーとして活用されてきました。装飾品としての魅力や人気以外にも、素材としての有用性や資産価値の高さから価格が暴落しにくいことが金の特徴です。しかし、金は柔らかいことでも知られているため、金製品の保管や取扱いに不安を覚える人もいるでしょう。
今回は、金の硬度に焦点を当てて、金属としての特徴・価値と、取扱う際の注意点を解説します。金の性質について理解した上で正しく取り扱いたい人は、当記事の情報を参考にしてください。
「金」は金属の中でも非常に柔らかく、特殊な溶液などに浸さなくとも透けるほど薄く伸ばしたり糸のように細くしたりと、容易に加工することが可能です。
金の柔らかさは、ビッカース硬さによって科学的にも証明されています。
【ビッカース硬さとは】
ビッカース硬さとは、ビッカース試験機によって計測された金属の硬さを表す数値です。正四角錐のダイヤモンドを金属の表面に押し込み、どのくらい窪んだかによって算出します。単位はHVと表記し、数値が小さいほど柔らかく、大きいほど硬い金属となります。
下記は、アクセサリー製造に使用されることが多い金属のビッカース硬さをまとめた表です。
金属 | 硬さ |
---|---|
金 | 約22~70HV |
銀 | 約25~100HV |
銅 | 約100HV |
プラチナ | 約50~110HV |
チタン | 約110~150HV |
昔から金が柔らかく傷がつきやすいことは、広く知られていました。そのため、「小判を噛んで歯型がつくかどうかで本物か偽物かを見極めた」という逸話も残っています。
古来より、金は見た目の美しさから世界中で人気があり、同時に採掘量が少ないことで希少価値も高い金属です。昔から小判や金貨の原料とされたり高貴な人の装飾品に利用されたりと、高価な金属として認識されてきたことで信頼性を保ってきました。
金は科学的にも安定しており、酸やアルカリに強い特性を持っています。長期間使用・保存しても酸化・劣化しないため、重さが同じであれば中古品や原型を留めていない状態でも金としての価値は変わりません。そのため、アクセサリーとしてだけでなく、投資用としての資産価値も高い金属です。また、熱や電気を通しやすいことから工業製品や医療機器の素材としても重用されています。
金は柔らかく加工しやすい反面、わずかな力で変形してしまうことは弱点でもあります。アクセサリーにはある程度の強度が必要であり、本来なら金はアクセサリー用の金属には向きません。そのため、アクセサリー商品として加工する際は他の金属を混ぜて硬度を上げ、装着中の傷や変形を防ぐことが一般的です。
金の純度は「K」で表され、金と他の金属(割金)を混ぜた加工品を合金と呼びます。
【K(カラット)とは】
K(カラット)は、金属に含まれる金の純度を24分率で表示した単位です。99.99%以上が金で構成される24Kを純金と呼び、数字が小さくなるとともに金の含有量が下がります。日本では24金、18金などとも呼ばれます。
下記は、金製品の硬さをKごとにまとめた表です。
含有率 | 硬さ |
---|---|
24K(純金) | 約25HV |
18K(金75%) | 約40~170HV |
14K(金58.3%) | 約200HV |
なお、上記の数値はあくまでも目安であり、加工方法や割金の種類によって金製品の硬さは異なります。
アクセサリーへ加工する際には、24Kよりも18Kが重宝されます。見た目の美しさや資産価値を保ちながら、加工のしやすさ・強度の高さが両立できるためです。
一口に18Kといっても、配合する金属の種類や割合によって色味が異なり、カラーゴールドとしてそれぞれの呼び名があります。下記は、18Kで代表的なカラーゴールドにおける、おおよその金属含有率と硬さをまとめた表です。
含有率 | 硬さ |
---|---|
ホワイトゴールド (金75%:銀15%:パラジウム10%) |
約125~260HV |
ピンクゴールド (金75%:銀5%:銅18%:パラジウム2%) |
約150~240HV |
イエローゴールド (金75%:銀15%:銅10%) |
約120~250HV |
グリーンゴールド (金75%:銀25%) | 約40~130HV |
ただし、上記の数値はあくまでも目安であり、熱処理などの加工方法や割金の種類・割合を変化させると金の色味や硬さは変化します。
24Kはもとより、割金によって硬度を上げた18K以下の金製品でも、扱い方によっては傷ついたり変形したりします。また、18K以下は割金の成分によって変色・劣化する恐れがある金製品です。金製品の保管・取扱時には、下記の点に気をつけましょう。
【アクセサリーの装着時】
【洗い方】
【保管方法】
基本的に24Kは傷、18K以下は汚れ・変色への注意が必要です。また、アクセサリーに宝石が使われている場合は、石のお手入れ方法もチェックしましょう。専門的な知識や技術がない場合は、研磨剤などの使用を控えたほうが無難です。
金が柔らかい材質である以上、ほんのわずかな不注意が原因で形状を損ねてしまう可能性があります。時には目立つ場所に傷がつくことや、ごまかしきれない歪みができることもありますが、自分自身で対処できない場合でもあきらめる必要はありません。
ここからは、金製品が傷ついたり歪んだりしてしまった時の対処法を2つ紹介します。
アクセサリーに傷や歪みが生じてしまった場合は、まず購入したジュエリーショップに相談してみましょう。有償・無償はショップによって異なるものの、傷ついた部分の磨き直しや修理を行ってもらえるところがほとんどです。汚れのクリーニングや石の留め直しといったメンテナンスも可能なため、気になる部分があった場合は一度確認することをおすすめします。
また、傷以外にも「デザインが古くなった」「飽きた」といった場合には、溶かして新しいデザインへリフォームすることも可能です。ネックレスをピアスに加工したり、石を外してブレスレットにしたりといったこともできるため、手放すことが惜しい人は検討してみましょう。
傷や歪みが生じたことを一つの機会として、金を手放す・買い替えることを検討する場合は、貴金属に強い買取業者へ査定を依頼してみてはいかがでしょうか。
アクセサリーはブランドやデザイン、付属する石などによって買取価格が上下します。しかし、金自体の価格は金の含有率と当日の金相場によって決まり、ノーブランド品や大きな傷・歪みのある品物であっても価値が下がることはありません。
「買取本舗七福神」では、豊富な経験を誇る専門スタッフが素早く確実に適正な査定を行います。お客様によって買取価格を変動させることなく、始めから限界価格を提示するため安心して取引することが可能です。
「買取本舗七福神」の査定・鑑定料は無料なため、金製品の価値が気になる人はぜひお気軽にご依頼ください。
金は金属の中でも特に柔らかく加工が容易な反面、製品となった時に傷や歪みを生じやすいという欠点があります。そのため、アクセサリーとして加工される場合には、金に割金を混ぜて硬度を上げることが一般的です。
ただし、アクセサリーとして多く利用される18Kでも、わずかな気の緩みで傷や歪みを生じます。大きな傷ができてしまった場合は、購入したショップに修理やリフォームを依頼してみましょう。「金製品の価値を知りたい」と考える人は、ぜひ「買取本舗七福神」へ査定をご依頼ください。