最終更新日:2026年1月30日
日本の長期金利が昨年12月に2%を突破して、本年1月も2%台を維持しています。これまで長期間続いた低金利時代は終わりを迎えたと言えるでしょう。長期金利2%超えの背景、そして金利上昇の影響について、金投資の視点も踏まえて解説いたします。
日本の長期金利が昨年12月に2%を突破しました。長年続いた超低金利環境の下で、長期金利は1%を下回る水準で推移しました。その前提が大きく変わり始めています。
背景には物価上昇の定着と金融政策の転換があります。エネルギー価格や人件費の上昇を受け、インフレが高い水準で推移しています。本環境下、日本銀行は金融緩和を段階的に修正し、2025年は1月と12月に2度の利上げを行いました。
また、国債の需給も長期金利を押し上げています。国債の発行残高が増える一方、日銀の買い入れ縮小により、金融市場では金利上昇が進みました。長期金利2%突破は一時的な変動ではなく、日本は新しい金利の環境に移行しつつあると言えるでしょう。
長期金利の上昇は、資産運用の前提を大きく変えます。これまでの日本は、金利のほとんど付かない状態が続いたものの、2%台の長期金利は投資家に新たな選択肢を与えます。
まず債券の存在感が高まります。国債や社債への投資で、価格変動を抑えながら一定の利回りを確保できる投資環境が戻ります。しかし金融機関などでは、保有済みの債券の価格が下落しやすく、保有中の債券評価には注意が必要です。
株式市場にも影響が及びます。金利上昇は企業の資金調達コストを押し上げ、利益成長のハードルを高めます。特に成長株(グロース株)は金利変動の影響を受けやすいです。その反面、財務基盤が強固な企業は再評価されやすくなります。
また銀行預金も、利息が付き元本の安全性の高さが再評価され、銀行も積極的に預金集めを始めつつあります。
長期金利が上昇すると金は不利になる、と言われることが多いです。金は利息を生まない資産であり、金利上昇局面では相対的な魅力が低下すると言われます。ただし、現在の環境では単純な構図にはなりません。
まず、金利上昇の背景に物価上昇=インフレが進んでいます。インフレ時は実物資産である金は上昇する傾向にあります。
次は金融政策の転換期特有の不確実性です。金利上昇は景気減速や金融市場の変動を伴いやすく、株式や債券の価格が不安定になりやすい=リスク回避を招きやすいです。こうした環境下では、特定の国や企業の信用に依存しない金の特性が評価されやすくなります。
更にロシアによるウクライナ軍事侵攻、米国のトランプ政権など、地政学リスクが高い状態が継続中です。リスク回避資産の金は、長期的な価値保存手段としての位置付けを維持しています。
金利が上がる局面でも、金は利回り資産とは異なる役割を担います。その役割が再認識され、金は金利2%時代でも注目を集めているのではないでしょうか。
日本の長期金利が2%に到達し、債券に利回りが戻り、銀行預金の価値も見直され、資産運用の前提は大きく変わりました。
このため、改めて資産毎の役割を整理する必要があります。株式は成長性を担い、債券は安定性を補い、現金は流動性を確保します。その中で金は利回りを追求する資産ではなく、金融市場の変動への備えとして位置付けられる資産です。
金投資は金利動向と対立する選択ではありません。短期的に利回りだけで判断せず、長期的な資産防衛という観点でも金投資を捉える必要があるのではないでしょうか。
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金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社を経て個人投資家・ライターに転身。株式市場や個別銘柄の財務分析、為替市場分析を得意としており、IPO関連記事、資産運用記事などを執筆、みんかぶなど複数媒体に寄稿中。また過去多数のIPOやM&Aに関与しブックライティングやインタビューも手掛けている。 ファンダメンタルズ分析に加え、個人投資家としてテクニカル分析も得意としている。 Xアカウント @writerishii

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