最終更新日:2021年11月29日
流行が過ぎ去ったり、好みに合わなくなったりして、所有していたダイヤモンドを売却しようと考える人も一定数いるでしょう。しかし、ダイヤモンドの売却において多くの人が気になるであろうポイントが「税金」です。
当記事では、ダイヤモンドの売却と税金について徹底的に解説します。ダイヤモンドを売却し、新たなジュエリーの購入資金の足しにしたいと考えている人や、ダイヤモンドにまつわる税金について幅広く知りたいという人はぜひ参考にしてください。
ダイヤモンドを売却したとき、基本的には税金がかかりません。
しかし、売却価格が30万円以上となった場合、そのお金は「譲渡所得」とみなされ、課税対象となります。基本的に税金がかからないと言われている理由は、ダイヤモンドの売却時には価値が下がり、30万円以上の価値がつくケースがさほどなく、概ね30万円以下の売却価格となるためです。
また、ダイヤモンドの売却において税金がかかるケースは「譲渡所得」だけではありません。次に、ダイヤモンドの売却時に税金がかかるケース(各所得税)をそれぞれ解説します。
ダイヤモンドの売却時は、下記のようなケースで税金が発生します。
〇譲渡所得とみなされたとき
金・宝石の買取専門店での売却で得た所得は、譲渡所得とみなされることが一般的です。前述のとおり、ダイヤモンドの売却価格が30万円を超えた場合は譲渡所得としてみなされ、課税対象となります。しかし、売却価格がそのまま譲渡所得となるわけではありません。譲渡所得は、下記の計算式で算出されます。
譲渡所得=売却により得た金額-(購入時の金額+購入・売却時の経費)-特別控除(50万円)
特別控除として、譲渡所得に対して年間50万円の控除額が定められているため、売却により得た金額が購入時の金額を超えるような高値がつかない限り、税金が発生することはないと考えてもよいでしょう。
出典:国税庁「No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)」
〇雑所得とみなされたとき
ダイヤモンドをフリーマーケットやオークションなどに個人で出品・売却して得た所得は、雑所得とみなされることが一般的です。雑所得は、譲渡所得のように複雑な計算を行う必要がなく、下記のようにシンプルな計算式で算出されます。
雑所得=売却により得た金額-必要経費
雑所得における経費とは、仕入れ値やフリーマーケット・オークションの出品料・手数料などのことです。特別控除もないため、譲渡所得よりも税金が発生しやすいと言えるでしょう。
〇事業所得とみなされたとき
ダイヤモンドの売却をビジネスの一環として行ううえで売却により得た所得は、事業所得とみなされることが一般的です。フリーマーケットやオークションでも、個人ではなく企業・事業として出品・売却した所得は、事業所得と判断されます。事業所得の計算式は、雑所得と同様です。
事業所得=売却により得た金額-必要経費
しかし、事業所得の場合は「事業者」として届け出をしていることから、雑所得よりも必要経費の範囲が広くなります。雑所得として申請する場合は、ダイヤモンドの売却にあたり使用した機器(パソコン・スマホ)は経費としてみなされませんが、事業所得として申請する場合はこれらも必要経費に含めることが可能です。
ここまで、ダイヤモンドの売却にかかわる税金について解説しました。しかしダイヤモンドは、売却時以外にも税金が発生するタイミングがいくつかあります。
各タイミングでそれぞれ異なる税金が発生するため、購入や相続・贈与を検討している人はあらかじめ把握しておくことがおすすめです。
ここからは、各タイミングで発生する税金について詳しく解説します。
自身が所有していたダイヤモンドを、自身の死亡後に配偶者または血族に継承、いわゆる相続したときは、「相続税」がかかります。相続税は主にお金や土地・建物などに対して発生するというイメージがありますが、ダイヤモンドもれっきとした資産です。
相続税は遺産総額に応じて額が異なるため、「ダイヤモンドの価額がいくらであれば相続税はこれくらいかかる」という形で示すことはできません。
また、相続税には基礎控除額が定められています。基礎控除額は、下記の計算式で算出されます。
基礎控除額=3,000万円+(相続人の数×600万円)
相続人の数がたとえ1人だったとしても、ダイヤモンドを含む遺産の総額が3,600万円を超えていなければ相続税は発生しません。
しかし、ダイヤモンドの価値が非常に高かった場合は、基礎控除額を超えてしまう可能性もあります。相続を検討した時点で、ダイヤモンドの価値を専門家に鑑定してもらうとよいでしょう。なお、買取専門業者による査定額やダイヤモンドの売却金額は、相続税の申告時に利用できます。相続税対策については、相続税専門の税理士への相談がおすすめです。
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ダイヤモンドを贈与したときは、贈与税がかかります。贈与税は、その年の1月1日から12月31日までに贈与した財産の合計金額が110万円を超えた場合、110万円を超えた金額に対して発生する税金のことで、受贈者(贈与を受けた側)が支払わなければなりません。なお、贈与税は贈与した資産の金額に応じて、10%から55%の税率で課税されます。
出典:国税庁「No.4408?贈与税の計算と税率(暦年課税)」
また、ダイヤモンドは購入時に名義登録をする必要がないため、確定申告の際に相続税・贈与税の申告をしなくても見つからないのではと考える人も多いでしょう。しかし、税務署には強力な調査権限があるため、隠していることが判明するケースもあります。税務調査によって財産隠しが見つかった場合は重加算税が課税されるため、相続・贈与の際は必ず相続税申告・贈与税申告をしましょう。また、申告漏れにも注意が必要です。
なお、贈与税には特例として、税金が発生しないケースもあります。特例が適用されるケースは、下記のとおりです。
- 例外(1)社会通念上相当と認められる贈り物
- 例外(2)結婚指輪など結婚に関する贈り物
例外(2)にも記載があるように、結婚指輪やその他香典や祝い品など、社会通念上相当と認められるような贈与には贈与税がかかりません。そのため、ダイヤモンドの結婚指輪・婚約指輪を結婚相手に渡す場合、贈与税はかからないと考えてよいでしょう。
このように、相続・贈与時は複雑な条件などがあるため、税理士事務所などに相談することもおすすめです。
ダイヤモンドを購入するときは、小売価格に加えて10%の消費税額が上乗せされます。ダイヤモンドを購入した個人は、ダイヤモンドの販売会社に対して消費税を支払わなければなりません。そしてダイヤモンドの販売会社は、国に税金を納めます。
一方で、ダイヤモンドを売却したときは消費税を受け取ることが可能です。このとき、ダイヤモンドを売却した人が法人または課税売上高が1,000万円以上の事業者だった場合、受け取った消費税を国に納めなければなりません。しかし、課税売上高が1,000万円以下の事業者や個人の場合は納税義務が免除されるため、売却時に受け取った消費税を国に納める必要はなくなります。
出典:国税庁「消費税のしくみ」
また、海外でダイヤモンドを購入したときは、税関で通関手続きを行い、同時に消費税を支払う必要があることも念頭に置いておきましょう。
ダイヤモンドの売却により得たお金は、基本的に課税対象となりません。しかし、控除額を超えた譲渡所得を得た場合・雑所得を得た場合・事業所得を得た場合は課税対象となり、税金を納める必要があることに注意してください。また、ダイヤモンドは売却時以外にも相続・贈与・購入時に税金が発生します。
特に相続・贈与の際は、ダイヤモンドの価額により財産を継承した人に大きな税負担がかかる可能性もあるため、事前にダイヤモンドの価額をある程度把握したり、売却しておくこともおすすめです。
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