
最終更新日:2025年09月18日
9月17日に開催されたFOMCでアメリカは利下げを発表しました。しかし既に利下げを織り込む形で上昇していた金は、利下げ発表後に若干の下落を見せました。9月は上昇が進む金ですが、アメリカの利下げ発表後も同様の値動きが続くか注目されます。
目次
トランプ関税問題がありながらも、アメリカ経済は大きな影響を受けず、株式市場は史上最高値を更新するなど堅調な推移を見せていました。しかし雇用の後退が見られており、9月FOMCでは利下げが見込まれていました。
トランプ大統領からの利下げ圧力がある中で行われた9月FOMCですが、市場予想通り0.25%の利下げを決定。政策金利が4.00~.4.25%となり、2024年12月以来の9ヶ月ぶりの利下げが発表されています。
9月のFOMCで利下げが決定されましたが、更に年内2回の利下げが示唆されています。2025年は10月(10月28-29日)、12月(12月9-10日)にFOMCが予定されており、2度とも利下げが行われる可能性が高い状態です。
今回行われた利下げは、ほぼ市場の予想に近い形での利下げとなりました。年2回の利下げ見通しも同様です。アメリカの利下げは本来ドル安政策ですが、市場予想通りの利下げで既に織り込み済みとされ、発表後にドルは上昇しています。
また米長期金利も若干の上昇を見せています。米10年債金利は4.0%を前後する状態が9月半ば以降続いていますが、FOMC後に4.08%台まで上昇しました。
ドルと米長期金利はいずれも、利下げは織り込み済みという値動きを見せています。なお、株式市場はダウ平均が上昇の一方で、S&P500指数とナスダック総合指数が下落しており、まちまちの反応を見せました。
FOMCの利下げに対し金は下落で反応しています。発表後に円建て金(国内金標準先物、限月つなぎ)は約100円の下落を見せました。またドル建て金も同様に下落が進みました。
利下げが行われると、債券などから金へ資金流入が生じる傾向があるものの、今回の利下げは織り込み済みとされ、金価格もドルと同様の逆反応を見せる結果となりました。
9月の金価格は堅調そのものです。円建て金は、9月にFOMCまで1,000円以上の上昇を見せており、史上最高値を更新しました。ジリ高が続いた2025年の値動きでしたが、9月は一気に上昇が進んでいます。ドル建ても同様です。
ただし、9月の金価格の上昇がアメリカの利下げを織り込む形の上昇と見れば、利下げ発表で材料出尽くしとなる可能性も否定できません。利下げの幅と今後の利下げの回数いずれもサプライズのないFOMCであり、利下げ発表による金上昇をストレートに期待するのは用心が必要です。まずは、9月の上昇は幅を維持できるか注目されます。そして現在の高値圏の維持がなされた後、今後の利下げを織り込む形での上昇を期待したい所です。
労働市場の後退を背景に行われた今回のアメリカの利下げですが、アメリカは利下げモードに転じる形となりました。今後の金融市場は、アメリカの利下げを前提に進むと予想されます。一足先に各市場は利下げを織り込む値動きを見せていますが、アメリカは利下げステージ入りした、との認識が欠かせません。
特に金は利下げ前から、既に上昇の恩恵を受ける形となっています。同様の値動きが今後も続くのか、アメリカの利下げ実施後の値動きの行方が注目されます。
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金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社を経て個人投資家・ライターに転身。株式市場や個別銘柄の財務分析、為替市場分析を得意としており、IPO関連記事、資産運用記事などを執筆、みんかぶなど複数媒体に寄稿中。また過去多数のIPOやM&Aに関与しブックライティングやインタビューも手掛けている。 ファンダメンタルズ分析に加え、個人投資家としてテクニカル分析も得意としている。 Xアカウント @writerishii
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