最終更新日:2024年09月19日
日本時間の9月19日早朝のFOMCの後、米国は0.50%の利下げを発表しました。2年半振りの利下げとなります。利下げ後の金価格などの状況を紹介するとともに、歴史的な転換点となりうる米利下げ後の金を含む金融市場の見方をご紹介します。
日本時間9月19日(木)早朝、FOMC後に米国は0.50%の利下げを発表しました。これまで上限5.5%としていた政策金利は上限5.0%に引き下げられ、また今後の政策金利の見通しを示すドットチャートでは年内0.50%の追加利下げの見通しが示されました。
米国はコロナ禍の中の2020年3月に1.75%→0.25%の大幅な利下げを行いました、それ以来2年半振りの利下げです。事前予想では0.50%に加え0.25%の利下げ予想もあったものの、結果的には0.25%を上回る0.50%の利下げで着地しました。
FOMCでの利上げ発表後、ドルインデックスは下落しドルが売られる展開に。金市場では国内金先物(2025年8月限)が若干の上昇を見せましたが、天井となっている11,800円付近を上回ることはできませんでした。ただしドル建ての金価格は利上げの発表直後に上昇し、年初来高値を更新。株式市場も米国中心に上昇し、S&P500指数は一時年初来高値を更新することに。
しかしFRBパウエル議長の記者会見が始まると、“往って来い”の値動きが各市場で発生。ドルインデックスは下落分をほとんど巻き戻し、一時140円台半ばまで下落したドル円も利上げ発表前を上回る水準まで上昇。金貨価格も円建て、ドル建てともに上昇を上回る下落に見舞われて、日足は陰線で取引を終える結果となりました。
米国は2020年3月以来2年半振りの利下げを行いましたが、既に事前に利上げ自体は金融市場に織り込まれていました。利下げ幅についても0.50%という予想が多く、FOMCで予想通りの利下げが行われた、という形となっています。
市場の反応としては利下げ発表を受けドル売りが進んだものの、利下げは既に織り込み済みとしてパウエル議長の記者会見とともに買い戻しが進み、金や株価指数などもほぼ同様の値動きを見せました。ただし金や株価指数は、上昇幅以上に下落する結果となっています。
利下げの発表後、米株式市場は上昇したもののすぐに反落しました。利下げを契機とする株高に期待する声が大きかったものの、その期待は裏切られる形となりました。
利下げにもかかわらず下落した株式市場について、米国の予想以上の景気後退への懸念が浮上しています。市場予想を超えるスピードで米景気が後退の場合、今回の利下げはタイミングが遅い可能性もあり、年内及び来年も継続的かつ大きな利下げが必要になります。
現状では米景気の大幅な落ち込みはない、との共通認識が金融市場にあります。しかしその共通認識が崩れた場合、更なる株式市場の下落や大幅な利下げの可能性も浮上するため、今後の米経済指標の推移も注意が必要です。
全体的に見ると大きなサプライズなくFOMCで0.50%の利下げが行われました。ただし、年内更に0.50%の利下げが予想されており、今後は年内の利下げのタイミングが注目されます。
今回、利下げ後の株高を期待する声も一部にありましたが、利下げは株式市場に対してマイナスに働く形となっています。金価格も同様であり、利下げにもかかわらず最終的に下落しており、教科書通りの値動きとはなりませんでした。
利下げがなされた後に下落した株式市場や金価格ですが、この値動きが一時的な現象に留まり9月後半から上昇に転じるのか、それとも下落が続くか注目されます。
いずれにしても、2024年9月19日は米国が利上げを行い金融政策が大きな転換を迎えた日となりました。今後、金融市場の潮目が変わる可能性もあります。米国の利下げを契機に金融市場の大きな流れに変化が生じるか、金価格やドルそして株式市場の行方を注意深く見守る必要がありそうです。
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