最終更新日:2025年10月27日
金は国内外で先物取引がなされており、特に米国では大口投資家などの先物取引の一部内容が開示されています。金などの商品(コモディティ)は大口投資家の売買に値動きが左右される傾向があり、売買データの分析で今後の方向性が把握できる場合があります。
こちらの記事では米商品先物取引委員会(CFTC:U.S. Commodity Futures Trading Commission)のデータ及び金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有高の推移を価格とともに見ていきます。
米国金先物(NY金)について、CFTCが開示している建玉明細は以下の推移となっています。
前回(25.9.30掲載)
| 日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 8/26 | 443,760 | 175,494 | 33,577 | 141,917 | 3,443.2 |
| 9/2 | 492,908 | 196,127 | 34,625 | 161,502 | 3,599.5 |
| 9/9 | 509,625 | 198,907 | 35,388 | 163,519 | 3,663.8 |
| 9/16 | 516,221 | 195,347 | 36,376 | 158,971 | 3,727.5 |
| 9/23 | 528,789 | 198,826 | 38,277 | 160,549 | 3,796.9 |
参考:Commitments of Traders | CFTC
米政府機関閉鎖の影響により、CFTCから開示されるデータ(COTレポート)も9月23日を最後に更新がストップしています。民主党と共和党の対立により政府予算の成立目処が立っておらず、データ未更新の状態は長期化する可能性もあります。
なお、COTデータと同様に雇用統計も発表が止まっています。ただしCPI(消費者物価指数)は年金支給額算出に必要なデータとして、政府機関の閉鎖中でも算出されており、予定より遅れたものの10月24日に発表されました。
次に現物の金を保有する金連動型ETF・SPDRゴールド・シェアの金保有残高及び価格推移を見てみましょう。
前回(25.9.30掲載)
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 8/26 | 959.92 | 310.33 |
| 9/2 | 990.56 | 319.14 |
| 9/9 | 979.68 | 334.48 |
| 9/16 | 979.95 | 340.21 |
| 9/24 | 996.84 | 345.74 |
今回
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 10/1 | 1,018.89 | 355.60 |
| 10/8 | 1,014.58 | 370.43 |
| 10/15 | 1,022.59 | 386.59 |
| 10/22 | 1,052.36 | 379.52 |
9月から金価格の上昇と保有高の増加が明確となり、本傾向は10月も継続中です。10月の保有高は1,000トンに到達し(正確には9月末に到達)、その後も1,000トン台の水準が維持されており、22日には1,052.36トンまで増加しました。
価格も保有高の増加とともに上昇して高値更新が続いており、15日には386.59ドルまで上昇しました。保有高の増加とともに価格も上昇する、力強い上昇が続いています。
金価格は10月21日に先物価格で▲200ドルを超える下落を見せました。10月20日以降の金ETFの保有高と価格を見てみましょう。
| 日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
|---|---|---|
| 10/20 | 1,058.66 | 387.98 |
| 10/21 | 1,058.66 | 397.95 |
| 10/22 | 1,052.36 | 379.52 |
| 10/23 | 1,052.36 | 379.23 |
| 10/24 | 1,046.92 | 377.81 |
10月22日に金ETFは、前日比で▲18ドル以上の下落となっています。直近では見られない下落幅です。また、保有高も1,058.66→1,052.36トンに減少しました。そして、24日に保有高は1,046.92トンまで減少しています。
上記のように、金価格の下落とともに保有高の減少も進みました。今後も保有高の減少が続けば、金価格の上昇はいったんピークアウトした、と判断できる状況となります。
10月は米政府機関閉鎖の影響により、CFTCデータの開示がなされない状況下で、金の上昇が進みました。それでも金ETFデータからは、10月後半まで力強い金の上昇が見て取れます。
ただし、10月22日の大幅安で金ETFは21日に一旦天井を打った可能性があります。10月21日が天井となり、今後は下落が進むか注目されます。また、CFTCデータの更新も待ちたいところです。
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金融・投資ライター。大手証券グループ投資会社を経て個人投資家・ライターに転身。株式市場や個別銘柄の財務分析、為替市場分析を得意としており、IPO関連記事、資産運用記事などを執筆、みんかぶなど複数媒体に寄稿中。また過去多数のIPOやM&Aに関与しブックライティングやインタビューも手掛けている。 ファンダメンタルズ分析に加え、個人投資家としてテクニカル分析も得意としている。 Xアカウント @writerishii

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