最終更新日:2022年01月26日
金貨は投資商材やコレクションとして大変人気があります。一方で、金貨には多くの種類があるため、「どの金貨を選べばよいかわからない」「家にある金貨は高値で売れるか気になる」など疑問を抱える人もいるでしょう。
この記事では、金貨に関する基本的な情報から、人気の高い金貨の種類、金貨を保有する際の注意点・売却時のポイントまでを詳しく解説します。金貨に関する情報を把握して、売買の際に失敗したくないと考える人は、ぜひ参考にしてください。
金貨とは金を素材としている貨幣のことを指し、古くから世界中で流通してきました。金自体の価値だけでなく、コレクションとしての価値や金貨の持つ歴史的な価値も考慮されることが特徴です。なお、金は素材としては柔らかい性質を持つため、一般的な金貨は数パーセントの銀あるいは銅との合金となっています。
金貨は大きく「通貨型」「収集型」「地金型」の3種類に分けることができます。以下では、3種類の金貨の違いや特徴について解説をします。
【通貨型】
通貨型金貨は取引上の地金と硬貨の額面が同額の金貨です。例としては発行年が1986年の「天皇陛下即位10万円金貨」のような記念金貨が挙げられ、この金貨の場合は10万円で購入した金貨を10万円通貨として使うことができます。
通貨型金貨は世界的に見ても発行が稀であり、金貨コレクションとして需要があることから、売却時に高値になることも珍しくありません。
【収集型】
収集型金貨は、コレクターが収集するために発行される金貨を指し、市場での流通を目的としていません。FIFAワールドカップ記念や万国博覧会などの世界的なイベント開催時に記念コインとして発行されることが多い傾向です。
2005年に開催された「愛・地球博」の記念金貨は、額面1万円に対して4万円で販売されました。記念金貨は数量に限定があるため、高額な買取額がつく可能性があります。
【地金型】
地金型金貨は、投資用として発行されている金貨であり、発行されている金貨の大部分を占めます。地金型金貨の特徴としては、金としての価値が金貨の額面価格よりも高く設定されているところにあります。
買取時の価格は地金価格が基本となりますが、保存状態が良い金貨の場合には、プレミア分を加味した高価買取の対象となりやすいです。
金貨の価値が額面以上となる理由は以下の2つです。
【金そのものの価値が上がる】
金貨の持つ素材価値、つまり金の価値に応じて金貨の価値は変動します。売却時の金相場と比例して、金貨の価値も上がるため、得られる利益も大きくなります。
なお、金貨にはさまざまな種類があり、金の含有量によって価値が変わります。
【希少価値の高いコレクターアイテムとなる】
記念品として販売されている硬貨のように、販売枚数が限定されている場合には、コレクターズアイテムとしての価値が高まります。金貨の希少性が高ければ高いほど額面よりも高値で取引される可能性があります。
金の価値が高まっていたり、希少価値の高い金貨であったりする場合も、保存状態が悪いと買取査定額が下がる恐れがあります。
金は純度に応じてK24、K18などがあり、K24は純度100%で価値が最も高く高値で取引されています。K18は金が75%含まれており、残りの25%は銀や銅などの他の金属です。
金貨は世界中のさまざまな国で発行されており、毎年発行されているケースもあります。中には、表面のデザインが毎年変わるものもあり、コレクション金貨として人気です。
ここでは、国内外の人気の金貨をいくつか紹介します。
日本における希少性の高い金貨の代表例には、次のような天皇の即位に関する金貨が挙げられます。
【天皇陛下御即位記念 10万円金貨】
平成の時代に入り、上皇陛下が新たな天皇として即位された記念として1990年に販売された金貨が「天皇陛下御即位記念10万円金貨」です。発行元は日本造幣局です。
20万枚の数量限定の発行であるため、プレミアがついており高値で取引されています。一般的に流通している1万円金貨と比べて、額面10万円と10倍も高いことが特徴です。
【天皇陛下御在位10年記念 1万円金貨】
平成天皇が即位されてから10年が経ったことを記念し、1999年に発行された金貨が「天皇陛下御在位10年記念1万円金貨」です。金貨の表面には鳳凰、霧、白樺が描かれており、裏面には菊紋、橘、桜が描かれています。
20万枚限定の発行のためプレミアがつき、当時の販売価格が一枚41,000円であったものが、現在65,000?85,000円と高い買取相場で取引されています。
世界に目を向けると名だたる金貨が数多く存在します。その中でも特に有名な金貨を以下に紹介します。
【メイプルリーフ金貨】
「メイプルリーフ金貨」は、カナダで発行されている地金型金貨であり、流通量が世界一です。表面にはエリザベス2世の肖像が描かれており、裏面にはカエデの葉がデザインされています。金貨の代名詞とも言われているメイプルリーフ金貨は、世界的な信頼性も高く、投資目的の金貨としておすすめです。
【バッファロー金貨】
「バッファロー金貨」は、アメリカ合衆国で初めて発行された純金の地金型金貨です。K24金貨であるため柔らかく傷がつきやすく、保管には注意が必要です。純金であることに加えて、その象徴的なデザイン性からコレクターの間でも人気のある金貨となっています。
コレクターの間でも人気のある金貨として、新しく発行される金貨以外にも、古銭であるアンティーク金貨が挙げられます。有名なものは、ダリック金貨やアウレウス金貨です。
また、金貨とは少し異なるものの、日本における「大判」や「小判」にも価値がつくことがあります。実家の蔵に眠っている大判・小判の買取査定を行うと、想像以上の値打ちがあることが判明するケースもあるでしょう。
金貨を保有する際は、リスクを回避するためにも、以下の2つのことに注意しましょう。
【額面より安くなるケースがある】
金貨を売却する際、必ずしも額面より高い価値がつくとは限りません。金貨としての価値が低いと、額面より低い金額の値がつくこともあります。査定額が額面より低い場合は、買取に出すのではなく、銀行などの金融機関で両替することがおすすめです。
ただし、金融機関によっては両替に対応できないケースもあるため、あらかじめ持ち込み先に確認しましょう。
【日本の記念金貨は貨幣損傷等取締法の対象となる】
金貨を含む日本で発行される貨幣はすべて、貨幣損傷等取締法の対象とされています。この法律は、貨幣を損傷あるいは溶解し別のものへと作り替えることを禁じる法律で、違反すると一年以下の懲役、もしくは20万円以下の罰金に処せられることが刑法で定められています。
貨幣損傷等取締法
- ① 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない。
- ② 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶす目的で集めてはならない。
- ③ 第一項又は前項の規定に違反した者は、これを一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
ここでは、金貨を高く売るためのポイントを3つ紹介します。
【購入時の状態のまま保管する】
収集型金貨のように中古でそのまま販売される金貨の場合には、保存状態や付属品の有無が査定の対象になります。購入時にケースに入っている場合は開けず、素手で触れないよう保管しましょう。また、保証書なども一緒に保管しておくことがおすすめです。
【あらかじめ種類や相場を調べておく】
金の買取査定額は、市場の相場によって大きく変化します。当日・前日の相場をチェックし、査定額と大きく乖離していないか確認しましょう。また、K18など金の品位や金貨の種類による買取相場も事前に調査しておくことがおすすめです。
【金貨買取実績のあるお店で売る】
金貨を売却する際には、金買取に特化している専門店で売却するのがおすすめです。さらに、金貨は非常に種類が多いため、お店によっては種類を把握しておらず正確な価値判断ができない可能性があります。そのため、さまざまな金貨の買取実績があるお店に査定を依頼するとよいでしょう。
金貨は、素材として使われている金に価値があるだけでなく、枚数が限定されていることによりプレミアが付き、高額で取引されることがあります。「天皇陛下御即位記念 10万円金貨」や「メイプルリーフ金貨」など国内外には人気の金貨が多数あるため、購入や売却を考えている人は、種類を把握することがおすすめです。
金貨を高く売りたい場合は、金貨の保管状態に注意し、あらかじめ相場を把握した上で、実績のある業者に持ち込むことをおすすめします。金貨の売却を検討されている方は、金貨の買取実績が豊富な「買取本舗七福神」に、ぜひご相談ください。