最終更新日:2022年01月26日
金には、さまざまな色味のカラーゴールドが存在します。中でも赤みを帯びたピンクゴールドは、温かみと可憐さを添えられることから、女性のアクセサリーの素材として人気です。純金より硬く耐久性があるため、結婚指輪などに用いられることもあります。
ピンクゴールドは可憐な美しさを持つ一方で、変色しやすいという特徴も併せ持っています。ピンクゴールドならではの色合いや美しさを保つためには、日常の手入れや取り扱いに注意を払わなければなりません。
当記事では、ピンクゴールドが変色する理由、手入れや取り扱いの注意点、変色による価値への影響などを紹介します。
目次
金の中でも、赤みを帯びたものをピンクゴールドと呼びます。ピンクゴールドは温かい雰囲気を持ち、肌なじみがよい色合いが魅力です。薔薇の花の色を想起させることから、海外では「ローズゴールド」と呼ばれるケースもあります。
ピンクゴールドは純金ではなく、金に「割金」と呼ばれる金以外の金属が混ぜられた合金です。ピンク色に見える理由は、銅など赤みを帯びた割金の影響を受けているからです。
金そのものは変色しにくい金属ですが、合金であるピンクゴールドは変色することがあります。ピンクゴールドが変色する理由は、次の通りです。
割金が変色して全体の色が変わる |
---|
金属の変色は、酸化によって引き起こされることがあります。金そのものは酸化しにくいですが、ピンクゴールドに割金として含まれる銅・銀・パラジウムが酸化し、アクセサリー全体の変色を引き起こします。 ピンクゴールドの割金は銅が7割を占め、赤みを帯びた色の由来となる金属です。銅は酸素や皮脂・化粧品などの油分と反応しやすく、日常生活の中で酸化が起こるため、ピンクゴールドの変色を完全に防ぐことは難しいと言えます。 |
表面に傷ができて色が薄く見える |
---|
一見きれいなアクセサリーの表面にも、肉眼では確認できない傷がついている可能性があります。顕微鏡で見なければ確認できない傷が複数つくことで、光の乱反射を起こして色が薄く見え、変色しているような印象を与えます。割金が含まれるピンクゴールドは純金よりは強度が高くなっているものの、身につけて使う以上、細かい傷を防ぐことは難しいでしょう。 |
表面に付着した汚れによりくすんで見える |
---|
アクセサリーの金属そのものが酸化・変色するだけでなく、酸化物が表面に付着することがあります。酸化物が表面を覆う状態が、いわゆる「汚れている」状態です。汚れで表面が覆われると金属がくすんで見えるため、変色しているように感じられます。 |
ピンクゴールドは日常生活の中でも変色しやすい性質を持ち、変色を完全に防ぐことは難しい金属です。しかし、たとえ変色してしまっても、正しく手入れすれば、ある程度元の美しさを取り戻すことができます。
ここでは、ピンクゴールドが変色した場合に家庭で行えるケアを紹介します。いずれも手軽に試せる方法ではあるものの、場合によってはかえってアクセサリーを傷めることもあります。大切なアクセサリーを守るためにも、正しい方法や注意点を把握した上で実践してください。
表面に付着した汚れを落とし、くすみを取る方法です。手順は以下の通りです。
手順1 | ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、溶液を作る。 (ぬるま湯1Lに対し、中性洗剤は2~3ml程度) |
---|---|
手順2 | ピンクゴールドのアクセサリーを洗剤の溶液につけ、5~10分ほど放置する。 |
手順3 | 水洗いをして溶液を落とし、柔らかい布で水滴をふき取る ただし、傷がつくためこすらないように注意する |
宝石がついているアクセサリーの場合、宝石の種類によっては中性洗剤が使えません。溶液ではなくぬるま湯だけで汚れを落としましょう。以下に中性洗剤が使える宝石、使えない宝石の例を挙げます。セルフケアの参考にしてください。
中性洗剤が使える宝石 | ダイヤモンド・ルビー・サファイア・ガーネット・アメジスト・ペリドットなど |
---|---|
中性洗剤が使えない宝石 | エメラルド・ラピスラズリ・トルコ石・サンゴ・コハク・マラカイトなど |
表面の傷や汚れによって変色して見える場合の対処法です。専用のクロスで研磨することで表面の傷や汚れを取り、ピンクゴールド本来の色合いを取り戻します。
クロスさえあれば試せますが、傷を取るつもりが反対にアクセサリーを傷つけるなど、かえって状態を悪くするリスクを伴います。クロスで磨いてよい商品かどうか確認した上、ピンクゴールドに問題なく使用できるクロスを選び、丁寧に磨きましょう。
ピンクゴールド製品の手入れは家庭でも行えるものの、手入れをしても元の状態に戻せないこともあります。家庭では手の施しようがない場合や、あまりにも変色がひどい場合はプロに相談しましょう。ジュエリークリーニングの専門店のほか、購入店舗でもアフターサービスとしてアクセサリーのメンテナンスを行ってもらえます。
クロスによる研磨も一見簡単に見えますが、傷つけず、美しく仕上げるためには高いスキルが求められるでしょう。無理せず、専門家に依頼することをおすすめします。
ピンクゴールドに限らず、イエローゴールドやホワイトゴールドなど、割金が含まれるゴールドアクセサリーは日頃からの手入れや取り扱いの際に注意が必要です。
以下で紹介する、変色対策や取り扱い上の注意点を押さえ、ピンクゴールドの美しさをより長く楽しみましょう。
アクセサリーは、身につけるだけで化粧品や皮脂・汗などの成分が付着します。化粧品・皮脂・汗はピンクゴールドの変色を招くため、使用後には柔らかい布で傷つけないように汚れを拭き取りましょう。
日常的なケアの方法として、外す度に拭くよう習慣化することをおすすめします。また、着用中もこまめに汗を拭くとよいでしょう。
汗をかきやすい夏場などは汚れが非常に付着しやすく、汚れを拭き取るだけでは手入れが間に合わないことがあります。必要に応じて、中性洗剤でこまめに洗浄しましょう。洗浄後はしっかりと乾かすことが大切です。
ただし、エメラルドなど中性洗剤に弱い宝石がついている場合は、洗剤を使った手入れは避けてください。
酸素や皮脂だけでなく、水も割金の酸化を促す物質の代表例です。水によって錆びるだけでなく、水に含まれる成分と反応して変色する可能性もあるため、入浴や水仕事の際には、ピンクゴールドのアクセサリーを外しましょう。外したアクセサリーを入れておく容器を手元に準備しておくと、なくさずに保管できます。
水に濡れただけであれば、入浴後などにすぐに優しく拭き取り、しっかり乾かせば問題ありません。ただし、水仕事の際は、漂白剤や洗剤が金属と反応することがあるため、リングなどははずすようにしましょう。また、温泉に入る場合は必ず外してください。温泉や入浴剤に含まれる硫黄も変色の原因となる可能性があります。
ピンクゴールドの価値は、アクセサリーとしての価値と金としての価値とに分けて考える必要があります。
アクセサリーとして考える場合は、色味も価値の1つと考えられます。あまりに変色がひどい場合は、アクセサリーとしての価値は下がる可能性があります。
一方で、金として考えた場合、ピンクゴールドの買取時の価値は含まれる金の割合によって異なります。たとえば、18金の場合、金の純度は75%です。ピンクゴールドが18金であれば純度75%の金として取り扱われるため、変色していようと元の色のままであろうと、金としての価値は変わりません。ただし、表面の汚れや傷がないほうが、査定がスムーズに進む可能性があります。
ピンクゴールドは温かく可憐な色合いで人気がありますが、変色が起こりやすいため、美しさを長く保つためには日頃からの手入れが肝心です。
ピンクゴールドが変色してしまった場合、程度によっては家庭でメンテナンスできます。汚れやキズがひどい場合は、専門家に相談しましょう。また、売却を検討する場合は、豊富な買取実績を持つ店を選ぶことがおすすめです。
買取本舗七福神では、ピンクゴールドなどカラーゴールドの買い取り実績も多数ございます。他店で買取不可とされたお品でも、当店で買い取れる可能性もあるため、まずは一度、気軽にお持込みください。