最終更新日:2023年12月28日
プラチナと金はどちらも高価で貴重な金属ではあるものの、性質や希少性、用途、資産などの面から見るとさまざまな違いがあります。プラチナや金の買い時・売り時を見極めるためにも、金属としての特徴や需要などの違い、相場の傾向を把握することが大切です。
当記事では、プラチナと金の違いに焦点を当て、密度や希少性の違いから用途や相場まで、 それぞれ詳しく解説します。プラチナと金の特徴・相場を知りたい方はぜひご覧ください。
目次
プラチナと金は、どちらも高価で貴重な金属です。ジュエリーに加工されたり、将来価値が高くなるのを見越して、自宅に保管したりするケースがよくみられます。世代や性別問わず人気のある金属と言えるでしょう。
プラチナと金は、同じ金属でも性質・希少性・用途・資産価値に違いがあります。それぞれの違いについて詳しく解説します。
プラチナと金の性質は、以下の通りです。
【プラチナ】
【金】
プラチナと金の密度を比較すると、プラチナのほうが重いことが分かります。プラチナは、自然界にある元素の中で一番密度が大きく、ずっしりとした重みを感じられます。
また、プラチナは酸やアルカリに強いという性質があり、変色・変質しにくいのが魅力です。沸点と融点は金よりも高く、熱にも強いと言えます。
金には錆びにくいという性質があります。金属の中では最も展延性が高いとされており、加工がしやすいのが特徴です。
プラチナと金の希少性を比較すると、プラチナのほうが圧倒的に希少性が高い金属です。金の年間生産量が約3,000tあるのに対して、プラチナの年間生産量は約200tと15倍の差があります。
これまで採掘された総重量は金が約19万t、プラチナが約7,200tという数値の違いからも、プラチナの希少価値が高いと言えるでしょう。
また、プラチナと金は産地にも違いがあります。プラチナと金の産地は以下の通りです。
【プラチナ】
【金】
プラチナは生産地域が限定されているのに対し、金は多くの国で採掘されています。産地の観点から見ても、プラチナは金よりも希少性の高い金属と判断できます。
プラチナと金には、使用用途にも違いがあります。プラチナと金の用途は以下の通りです。
【プラチナ】
【金】
投資目的や宝飾品などに使用される機会が多い金に対して、プラチナは工業用品に多く使用されています。プラチナの使用用途の代表例は、自動車の排気ガスを浄化する「触媒」です。触媒そのものは変形・変質しないことが求められるため、安定した性質を持つプラチナが使われています。
一方、金製品の代表例はネックレスなどの宝飾品です。金消費量の5割は宝飾品が占めており、美容用品や食用など自分を着飾るためによく使用されます。
プラチナと金の資産価値を比較すると、現在は金のほうが資産価値が高くなっています。金は、古くから価値のあるものとして認められてきたため、高値で取引されているのが特徴です。
一方、プラチナは指輪やアクセサリーだけでなく、工業用品や自動車部品として使用されるケースが多く、経済状況によって相場が大きく異なります。工業用に使われるプラチナの需要の多くは自動車部品であり、自動車の生産量が減るとプラチナの資産としての価値も下がる傾向にあります。
2022年4月の金買取相場は約8,700円、プラチナ買取相場は約4,300円です。2002年4月の買取相場価格と比較すると金は約6倍以上、プラチナは約2倍となっており、相場の変動が異なることが分かります。
プラチナよりも、相場価格が比較的安定している金のほうが資産価値が高いと言えます。
プラチナと金の価値を知るには、日々変動する相場を確認するとよいでしょう。ここでは2023年12月時点のプラチナと金の相場を紹介するので、プラチナと金の売買に関心がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
2023年12月時点のプラチナの平均相場は下記の通りです。
プラチナの価格相場 ※2023年12月時点 |
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1gあたり約4,500?4,900円 |
プラチナ価格が大きく変動し始めたのは2000年前後です。2000年頃には、自動車の排ガスなどの環境問題に対して注目を集めていました。プラチナの変質・変色しにくいという特徴を生かして、燃料電池や排ガスの触媒として使用される機会が多くなり、価値が高くなりました。
プラチナの最高価格は、2008年の1g約7,600円です。2008年当時は、リーマンショックが発生し、産業に大きな打撃を与えました。そのため、プラチナを使用していた産業にも影響があり、プラチナ相場が上昇する結果となりました。
次に、2023年12月時点の金の平均相場を紹介します。
金の価格相場 ※2023年12月時点 |
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1gあたり約1万400~1万900円 |
金の過去最高価格は、2023年12月4日に1gあたり1万928円を記録しました。2020年以降、コロナウイルス感染拡大の影響で経済への不安が高まっています。投資家の中には、ドルを手放して金投資を始める人も増えており、金価格の相場が上昇しました。また、ウクライナの有事が激化したことが金相場を上げている要因の1つです。
1980年には、アメリカと旧ソ連との対立の緩和をきっかけに、ドルに対する信頼が戻り、金の価格は急激に下落しました。その後20年以上下落を続けていき、1998年には1g865円という史上最低価格を記録します。
2001年に起きたITバブル崩壊や世界同時多発テロをきっかけに、2000年以降は金の価格が上昇傾向にあります。金の価格には、世界情勢が大きく関わっていると言えるでしょう。
クレジットカードや会員制サービスでは、金(ゴールド)よりもプラチナのほうが格上であるのに対して、取引価格は金のほうが高いため混乱する方も多いでしょう。プラチナは産出量が少なく、金よりも希少性が高いため、過去には金よりも高値で取引されていました。しかし、近年ではプラチナと金の価格逆転現象が起きています。
プラチナは、工業用品や自動車部品としての用途が全体の約6割を占めています。そのため、自動車産業が落ち込む世界的な不況が続くと、プラチナの需要が減り価格が下落しやすい傾向です。
一方、金は5割以上が宝飾品として使用され、世界経済の影響を受けにくい貴金属です。金は世界共通の資産ともされており、不況のときこそ相場が上がりやすく、この傾向は今後しばらく続くと予想されます。
プラチナと金の買い時と売り時について解説します。
プラチナ | 金 | |
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買い時 |
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売り時 |
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プラチナは、工業用品や自動車部品によく使用されるため、買い時や売り時が景気の影響を受けやすいのが特徴です。景気が悪いときにはプラチナ需要が落ち、価格も下降します。新型コロナウイルス終息後には景気が回復する可能性があり、プラチナの価格も高くなることが期待できるでしょう。
金の買い時と売り時は、世界情勢に影響されます。世界情勢が不安定になるとドルの信用がなくなり、安全資産である金を購入する人が増えて価格が高騰します。現在、新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻などの影響で、金の価格は上昇傾向です。2023年は、金の売り時と言えるでしょう。
持っているプラチナや金の価格が気になるときには、買取店で査定を依頼することをおすすめします。
プラチナと金は異なる性質や用途を持ちながらも、どちらも高い価値を有する金属です。プラチナは工業用途に重宝され、金は宝飾品や安全資産として広く利用されています。両者の相場や買い時・売り時には経済や世界情勢が影響を与え、投資家にとって注目の対象となっています。
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