
最終更新日:2025年3月24日
金は国内外で先物取引がなされており、特に米国では先物取引の一部内容が開示されています。金などの商品(コモディティ)価格は大口投資家の売買に影響される傾向がありますが、売買データの分析で大口投資家の動向把握が可能です。こちらの記事では2025年3月24日時点での米商品先物取引委員会(CFTC:U.S. Commodity Futures Trading Commission)のデータ及び金ETF「SPDRゴールド・シェア」の金の保有高推移を価格とともに見ていきます。
米国金先物(NY金)について、CFTCが開示している建玉明細は以下の推移となっています。
前回(25.2.25掲載)
日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
---|---|---|---|---|---|
1/28 | 577,505 | 277,871 | 17,331 | 260,540 | 2,795.2 |
2/4 | 542,004 | 240,485 | 30,952 | 209,533 | 2,874.2 |
2/11 | 528,719 | 229,071 | 34,268 | 194,803 | 2,926.5 |
2/18 | 522,330 | 222,538 | 37,209 | 185,329 | 2,954.4 |
今回
日付 | 総取組高 | 大口買い | 大口売り | 差し引き | 価格($、中心限月) |
---|---|---|---|---|---|
2/25 | 512,179 | 212,694 | 32,882 | 179,812 | 2,928.6 |
3/4 | 489,270 | 204,965 | 38,307 | 166,658 | 2,922.8 |
3/11 | 511,276 | 204,907 | 37,331 | 167,576 | 2,922.8 |
3/18 | 533,566 | 220,879 | 37,045 | 183,834 | 3,041.7 |
参考:Commitments of Traders | CFTC
総取組高(市場全体の取引残高)は2025年1月28日の577,505枚がピークとなり、減少傾向にあります。3月4日には500,000枚を割れたものの、翌週3月11日には500,000枚を回復しました。
総取組高の減少とともに「大口の買い」から「大口の売り」を引いた差し引きの数字も減少傾向にあります。1月後半に260,000枚を超えていましたが、3月11日には160,000枚まで低下しており、買い圧力は徐々に弱まっています。
価格は2月18日の2,954.4$まで上昇が続きましたが、節目価格3,000ドルには届きませんでした。2月後半以降は2,900ドル台で横ばいの推移となり、買い圧力の後退とともに価格上昇も止まる形となっています。
ただし3月18日には、取組高及び差し引きの増加とともに価格は3,000ドルへ到達。買い圧力を背景とする上昇を再開しつつあります。
2月後半以降、買い圧力の後退とともに金価格も横ばいに転じました。しかし3月18日からの買い圧力をともなう上昇により、金価格は一段高が進むか注目される状態です。
次に現物の金を保有する金連動型ETF・SPDRゴールド・シェアの金保有残高及び価格推移を見てみましょう。
前回(25.2.25掲載)
日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
---|---|---|
1/28 | 861.03 | 252.9 |
2/4 | 863.04 | 262.59 |
2/11 | 871.08 | 263.78 |
2/21 | 904.37 | 273.94 |
今回
日付 | 金保有高(トン) | 価格(ドル) |
---|---|---|
2/25 | 907.82 | 271.64 |
3/4 | 901.79 | 265.25 |
3/11 | 895.19 | 265.85 |
3/18 | 907.27 | 274.17 |
1月後半から保有高を増やしており、2月後半には900トンを突破しました。その後、3月半ばに一時900トンを割れたものの3月13日に再度900トンを回復しており、保有高は900トン付近で高止まりする状態です。
保有高の増加とともに価格も上昇が続いたものの、270ドル到達で上昇が一服する形となりました。3月に入ると260ドル台の取引のタイミングもありましたが、保有トン数の増加とともに3月18日には270ドルを回復しています。
直近は保有トン数と価格が連動する状態が続いています。保有トン数の緩やかな増加が続く間は、緩やかな価格上昇も続く可能性があります。
金価格は2月半ばまで上昇した後、3月半ばまでは横ばいの推移が続きました。CFTC建玉明細と金ETFの金保有高からも、買い圧力の後退とともに上昇力を失う状態がうかがえます。
2月以降の横ばいの推移により、金価格の上昇も一服かと思われました。しかし3月半ばに入り、再び価格は上昇を始めています。3月半ば以降の上昇が買い圧力の増加とともに息の長いものとなるのか、今後の価格推移に加えてCFTC建玉明細と金ETFの金保有高の行方が注目されます。
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